自伝を映画化!ナチスに追われるユダヤ人少女の逃避行を描く『少女ファニーと運命の旅』
『少女ファニーと運命の旅』(C) ORIGAMI FILMS / BEE FILMS / DAVIS FILMS / SCOPE PICTURES / FRANCE 2 CINEMA / CINEMA RHONE-ALPES / CE QUI ME MEUT - 2015
本作は、ユダヤ人女性ファニー・ベン=アミの自伝に基づく実話で、ナチスの迫害から必死に逃れる純粋で前向きな子どもたちの姿が、観る者の心を打つ勇気と感動の物語だ。監督は、『ポネット』のジャック・ドワイヨンを父に持つローラ・ドワイヨン。
『少女ファニーと運命の旅』(C) ORIGAMI FILMS / BEE FILMS / DAVIS FILMS / SCOPE PICTURES / FRANCE 2 CINEMA / CINEMA RHONE-ALPES / CE QUI ME MEUT - 2015
本作の主人公・ファニーのモデルとなったファニー・ベン=アミさんは「当時の時勢や実際の出来事をうまく反映しているし、監督は私の心情をよく捉えてくれている」と絶賛。
また「戦争を始める前に、一番の被害者となる子どもについてよく考えるべきですね。結局、大人の決断によって、最も苦しめられるのは彼らなのですから」と体験者としての想いを語っています。
ペンと葉書だけを武器にヒトラーに挑んだ実話『ヒトラーへの285枚の葉書』
『ヒトラーへの285枚の葉書』ポスター (C) X Filme Creative Pool GmbH / Master Movies / Alone in Berlin Ltd / Pathe Production / Buffalo Films 2016
フランスがドイツに降伏した1940年6月、ベルリンのアパートで暮らす老夫婦のもとに1通の封書が届く。それは最愛のひとり息子が戦死したという残酷な知らせ。心のよりどころを失った夫婦は悲しみのどん底に沈むが、ペンを握り締めた夫は「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」とヒトラーへの怒りをポストカードに記し、妻とともにそれを街中にこっそりと置く、というささやかな活動を繰り返します。しかし次第にゲシュタポの捜査が老夫妻に迫ります。
イギリスを代表する名優ブレンダン・グリーソンとエマ・トンプソンが、圧倒的な演技でナチス政権に抵抗した平凡な労働者夫婦を演じ、それを追うゲシュタポ捜査官にダニエル・ブリュールが扮しています。監督はかつてフランスの美男俳優として知られたヴァンサン・ペレーズ。
ダニエル・ブリュール曰く「この映画を誇りに思う」とインタビュー動画でも熱く語っています。
ナチス戦犯を拘束せよ!『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』
『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』 (C)2015 zero one film / TERZ Film
長らく封印されていたナチス・ドイツ最重要人物アドルフ・アイヒマン拘束に関する<極秘作戦>の裏側を濃密かつサスペンスフルなタッチで描き、「ドイツ映画賞」で最多6冠に輝いたほか、世界中の映画祭を席巻した『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』。
ナチスの戦争犯罪の徹底追及に人生を捧げたフリッツ・バウアーの孤高の闘いを、スリルと知的好奇心をかき立てながらも、人間の尊厳や正義といった普遍的なテーマに添い、力強く描いています。
『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』 (C)2015 zero one film / TERZ Film
鉄の意志を持つ主人公を演じるブルクハルト・クラウスナーは『ヒトラー暗殺、13分の誤算』などのほか、スティーヴン・スピルバーグ監督『ブリッジ・オブ・スパイ』にも出演するドイツ映画界の大スター。その重厚な演技と骨太な演出で、ドイツやヨーロッパ公開時に多くの動員を記録しました。
史実サスペンス『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』
2017年8月12日より全国順次公開予定の『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』。
アドルフ・ヒトラーやその側近ハインリヒ・ヒムラーに次ぐ、“ナチス第3の男”といわれる高官ラインハルト・ハイドリヒ暗殺を遂行した男たちの過酷な運命を描いた、史実サスペンスの傑作です。
『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』(C)2016 Project Anth LLC All Rights Reserved.
主演は『ダークナイト』『インセプション』等でその確かな演技力が評価されているキリアン・マーフィーと、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』でブレイクしたジェイミー・ドーナン。
元ファッションフォトグラファーのショーン・エリス監督がメガホンを取る本作は、主人公ヤンとヨゼフの決死の覚悟と苦悩、そしてナチス・ドイツの凄惨極まりない報復まで余すことなく描いています。
9月30日公開予定!ホロコーストの研究に人生を捧げる『ブルーム・オブ・イエスタディ』
『ブルーム・オブ・イエスタディ』 (c)2016 Dor Film-West Produktionsgesellschaft mbH / FOUR MINUTES Filmproduktion GmbH / Dor Filmproduktion GmbH
『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』に続き、9月30日公開予定の『ブルーム・オブ・イエスタディ』は、昨秋の第29回東京国際映画祭にてワールド・プレミア上映され、東京グランプリ&WOWOW賞のW受賞を果たした、風変わりな愛の物語です。
『ブルーム・オブ・イエスタディ』(C)2016 Dor Film-West Produktionsgesellschaft mbH / FOUR MINUTES Filmproduktion GmbH / Dor Filmproduktion GmbH
ナチスの戦犯を祖父に持つ男と、ナチスの犠牲者となった祖母を持つインターン女性が出会い、自らのルーツを探す旅を通して、過去に囚われていた自分たちの人生を再発見していく物語。
ホロコーストをテーマにしながら、オープニングから畳みかけるようなユーモアと毒舌の連続に「笑っていいのかな」と思わずにはいられない、斬新な作風です。
『4分間のピアニスト』のクリス・クラウス監督が、自身のルーツから創作しています。
まず真実を知ろう!ナチス映画に込められたメッセージを受け取る
『少女ファニーと運命の旅』 (C)ORIGAMI FILMS / BEE FILMS / DAVIS FILMS / SCOPE PICTURES / FRANCE 2 CINEMA / CINEMA RHONE-ALPES / CE QUI ME MEUT -2015
いかがでしたでしょうか。戦死した兵士の家族、戦犯を追う男たち、ホロコーストのルーツをたどる若者たち。そして何よりも、罪のない子供達が大人の傲慢な身勝手=戦争に巻き込まれる姿に心打たれる『少女ファニーと運命の旅』。
戦争の傷跡を未だ残す国々の映画人たちが描く渾身の作品を観て、真実を知り、秘められたメッセージを受け取りましょう!