全映画ファン待望の原点回帰!『エイリアン:コヴェナント』
『エイリアン:コヴェナント』ポスター (C)2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved
まずは最新作のご紹介から。
『エイリアン:コヴェナント』の舞台は、第一作『エイリアン』の約20年前。時系列で並べると『プロメテウス』→『エイリアン:コヴェナント』→『エイリアン』の順番になります。
宇宙移住計画の為、冷凍睡眠中の乗客約2000人を載せて目的地へと向かうコヴェナント号。突然の船体トラブルに見舞われたコヴェナント号は、謎の電波をキャッチした為、進路を変更しある惑星へと向かいます。それが全ての恐怖の始まりとも知らずに……。
『エイリアン:コヴェナント』 (C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved
特筆すべきは、ストーリーからちょっとした設定まで、第一作『エイリアン』をことごとく踏襲し、ファンが観たいポイントを完全に押さえている点です。前作『プロメテウス』にも登場した、マイケル・ファスベンダー扮するアンドロイドも再度登場。また、かつてシガーニー・ウィーバー演じた女性航海士リプリーを彷彿とさせる主人公をキャサリン・ウォーターストンが熱演しています。
『エイリアン:コヴェナント』トリビア1:15年の間に監督した、全ての作品に出演した女優と結婚した
それでは、エピソードのご紹介に移りましょう。
2000年の『グラディエーター』の頃から2015年にめでたくゴールインするまでの間ずっと交際を重ね、その間スコットが監督した全ての作品に出演させていた女優さんがいます。文字通り公私に渡るパートナーの女優、ヤニナ・ファシオ。ノンクレジットの作品も多く、探すのに少し手間取りそうですが、15年間の愛が実って何よりでした!
『エイリアン:コヴェナント』トリビア2:亡くなった家族に捧げた作品が3つある
かつてスコットより先に逝去してしまったご家族に対し、スコットはその都度自分の監督作を故人に捧げています。間もなく公開される『ブレードランナー 2049』の前作『ブレードランナー』は、製作当時に亡くなった兄弟フランクに捧げました。
2014 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved. 『エクソダス:神と王』-(C) 2014 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.
2001年の『ブラック・ホーク・ダウン』は、愛するお母様の死に捧げています。
また、未だ記憶に新しいですが、スタイリッシュな映像でお兄さんの向こうを張って活躍していた弟、トニー・スコット監督の死には、2014年の『エクソダス:神と王』を捧げました。
メキシコで『マイ・ボディガード』('04)を撮影するトニー・スコット監督 -(C) ZUMAPRES/AFLO
トム・クルーズと共に『トップガン』を手掛けて以来、光と影を巧みに使った映像と巧みなカメラワークでその名を歴史に刻んだ名匠、トニー・スコット。改めてご冥福をお祈りします。
『エイリアン:コヴェナント』トリビア3:スコットが撮ったCMの女優に一目惚れした超大物俳優がいる
『グランドフィナーレ』(C)2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHE PRODUCTION, FRANCE 2 CINEMA, NUMBER 9 FILMS, C -FILMS, FILM4
映画界に入る前、10年で3000本近いCMを撮ったスコット。その中のあるコーヒーのCMに出演しているギアナ出身のモデル、シャキーラさんをTVで見て一目惚れし、彼女を必死で探して愛の告白。遂には奥様に迎えた超大物俳優、その名はマイケル・ケイン。結婚44年目の現在も仲睦まじいとか。
奥様の資質もさることながら、スコットがよほど美しく撮っていたのだと思われます!
『エイリアン:コヴェナント』トリビア4:かつて、どうしても映画化したかった作品がある
© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc.
1990年代、スコットがどうしても映画化にこだわり、結果実現しなかった作品、『アイ・アム・レジェンド』。リチャード・マシスンの古典的傑作小説『地球最後の男』が原作です。その後2007年に、フランシス・ローレンス監督、ウィル・スミス主演により映画化されました。
ちなみに偶然かもしれませんが、スコットがロンドン王立美術大学の学生だった頃、弟のトニー・スコットを主演させて撮った短編映画の筋書きは「地球上に自分たったひとりしかいない」と強く思い込んでいる少年の話でした。
『エイリアン:コヴェナント』トリビア5:スコット監督の大ファンである著名人
エンヤ -(C)Getty Images
透明感あふれる歌声が魅力の、世界的歌姫であるエンヤ。
彼女が1986年にリリースしたデビュー・アルバム「ENYA」に収録されている「アルデバラン」という曲は、「リドリー・スコット監督に捧げる」とのクレジットがあります。
ジェームズ・キャメロン-(C)Getty Images
今や押しも押されぬ大物監督のジェームズ・キャメロン。『エイリアン2』を、スコットの第一作とは全く異なるバトルアクションとして仕上げたセンスは彼ならではです。
そんなキャメロンは、『エイリアン』第一作に衝撃を受けて以来、ひたすらスコット監督の作品を追い続け、毎回劇場に足を運ぶのだとか。「彼からはいつも学んでいるよ」とはキャメロンの弁です。
『エイリアン:コヴェナント』(2017)エイリアンの謎が明らかに
『エイリアン:コヴェナント』日本版ポスター (C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved