『バリー・シール/アメリカをはめた男』ダグ・リーマン監督の傑作5選

『バリー・シール/アメリカをはめた男』ダグ・リーマン監督の傑作5選

2017年10月公開、トム・クルーズ主演『バリー・シール/アメリカをはめた男』は、1970年代に実在した元敏腕パイロットにしてCIAエージェントかつ麻薬の密売王という、謎に包まれた男バリー・シールの破天荒な生き様を描いた痛快アクションである。 息もつかせぬ展開を演出したダグ・リーマン監督の傑作たちを紹介しよう。


信じられない実話の映画化『バリー・シール/アメリカをはめた男』

『バリー・シール/アメリカをはめた男』(C)Universal Pictures

はじめに最新作をご紹介しよう。
1970年代アメリカ。大手航空会社の天才パイロットのバリー・シールは、その敏腕を買われ、CIAからスカウトされエージェントとして活躍。しかし彼の裏の商売は、麻薬の密売王だった。
トム・クルーズが、恐らく彼のキャリア史上最もワルな主人公を飄々と演じる。次から次へと巻き起こるハプニングの連続を、ユーモアも込めて演出したのが、ダグ・リーマン監督だ。

ダグ・リーマン監督-(C)Getty Images

1994年『キル・ミー・テンダー』でデビュー後、原作に惚れ込み自ら製作も兼ねた『ボーン・アイデンティティー』で、主演のマット・デイモンと共に脚光を浴びた。
デビュー作以来、目まぐるしくスピーディな展開と、全体を包むドキュメンタリー・タッチな映像が最大の特徴。緩急を付けるためのユーモア挿入に関しても、優れたセンスを持っている。

マット・デイモンの転機『ボーン・アイデンティティー』

『ボーン・アイデンティティー』(1,429円+税)発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

リーマン監督にとって、名実ともに代表作である2003年の『ボーン・アイデンティティー』。記憶喪失の男「ジェイソン・ボーン」が自分の手掛かりを探す為、謎の暗殺者たちと戦うクライム・アクションだ。ロバート・ラドラム原作のクライムサスペンス小説をいたく気に入ったリーマンは、ロバート・ラドラムに直談判して映画化を勝ち取ったという。

『ジェイソン・ボーン』 (C) Universal Pictures

この作品で、従来の気弱で優しい青年、という自己の役者イメージを大きく変えたのが、主演のマット・デイモン。リーマン監督のスピーディな演出に乗せてキレのいいアクション演技を披露し、大ヒットを記録。以降、人気シリーズとして5作目まで製作され、4作目を除いて全ての作品で主演を務めた。マット・デイモン=アクション・スターとしての地位を築いた礎となった作品である。

ブラピ&アンジー結婚のきっかけ『Mr.&Mrs. スミス』

2005年の『Mr.&Mrs. スミス』は、主演のブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが実生活でも結婚するきっかけとなった共演作として知られている。
敵対組織の暗殺者同士が、気づかず恋に落ちて結婚してしまい、ふとしたきっかけで事実を知ったふたりが壮絶なバトルを開始するというヘビーで奇妙なストーリーを、お得意のユーモアを絡めながら痛快なアクションコメディに仕上げている。

テレポート能力者の宿命と戦い『ジャンパー』

『ジャンパー』 (C)- 2007 TWENTIETH CENTURY FOX

2008年の『ジャンパー』は、ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ」シリーズにて若き日のアナキン=ダース・ベイダー役で知られるヘイデン・クリステンセン主演のSFサスペンス・アクションだ。

『ジャンパー』 -(C) 2007 TWENTIETH CENTURY FOX

瞬間移動=テレポート能力をある日突然手に入れた青年の、欲望と宿命、そして避けられない戦いを、最新のSFXを駆使して描いた『ジャンパー』。特にテレポートする際の、細部にまでこだわった設定、カメラワークやアングルのシャープさは、リーマン監督の真骨頂と言えるだろう。

元CIAの主婦を描く実録サスペンス『フェア・ゲーム』

© 2010 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

リーマン監督のキャリアの中でも、事象を極めてリアルに、かつ等身大に描いた感のある傑作が、『フェア・ゲーム』である。9.11同時多発テロ後のアメリカ政権を相手に、自分の家族を守る為に戦う元CIAエージェントの主婦を描く異色作。奇をてらわず、かつ的確な演出が素晴らしい。出演はナオミ・ワッツ、ショーン・ペンなどの名手揃い。

日本発のSFアクション『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(C)Warner Bros. Entertainment Inc.

『バリー・シール/アメリカをはめた男』で組んだトム・クルーズとの初顔合わせ作が、2014年の『オール・ユー・ニード・イズ・キル 』だ。日本の桜坂洋の同名ライトノベルを、全編息をのむほどの迫力で描く近未来SFアクション。リーマン監督、トム・クルーズ両名が惚れ込んだ企画と言われている。

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』 - (C)2013 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BMI)LIMITED

圧倒的な強さを持つ異星生命体に侵略され続けている未来の地球の軍隊が舞台。上官の怒りを買い一兵卒まで降格された元少佐の兵士が、“出動、戦闘、戦死”のタイムループに囚われてしまうが、来る日も来る日も戦闘を続けるうちに戦闘能力が上がっていくその男こそ、侵略に勝利するカギだった。
同じことが繰り返される=タイムループという、簡単なようで困難な設定をスリリングに映像化したリーマン監督、やはり只者ではない。

9月1日公開『ザ・ウォール』も要チェック!

『バリー・シール/アメリカをはめた男』(C)Universal Pictures

ダグ・リーマン監督作品はどれも、細部へのこだわり、再度観たくなるような伏線の張り方と回収の手法など、映画が好きで仕方がないという映画愛が伝わってくる出来だ。今後も目が離せない。
なお、一足先の9月1日には、同じくリーマン監督、『キック・アス』のアーロン・テイラー=ジョンソン主演の戦争サスペンスアクション『ザ・ウォール』が公開予定。あわせて要チェックだ!

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