『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』あらすじ
『マダム・べー ある脱北ブローカーの告白』(C)Zorba Production, Su:m
10年前家族のため1年間だけの出稼ぎのはずが、中国の貧しい農村に嫁として売り飛ばされた北朝鮮女性B(ベー)。最初は憎んでいた中国の夫と義父母との生活を受け入れた彼女は、そこで生き抜くために脱北ブローカーとなる。
『マダム・べー ある脱北ブローカーの告白』(C)Zorba Production, Su:m
しかし北朝鮮に残してきた息子たちの将来を案じた彼女は、彼らを脱北させ、さらに自らも韓国へと渡るという危険で過酷な道を選ぶことに――。
ユン・ジェホ監督
『マダム・べー ある脱北ブローカーの告白』(C)Zorba Production, Su:m
この名もなき北朝鮮女性B(ベー)の生き様を記録したのは、フランスと韓国を拠点に映画製作をし、これまでに5本の中短編映画がカンヌ国際映画祭へ出品され、いま最も注目されている新鋭ユン・ジェホ監督。
『マダム・べー ある脱北ブローカーの告白』(C)Zorba Production, Su:m
大胆で鋭く時に美しい映像で、中国と北朝鮮、そして韓国に引き裂かれるマダム・ベーの分断の人生を、韓国人である監督自身のアイデンティティへの疑問と闘いながらカメラに収めました。
カンヌ国際映画祭ACID部門に正式出品される
『マダム・べー ある脱北ブローカーの告白』(C)Zorba Production, Su:m
本作は2016年モスクワ国際映画祭、そしてチューリッヒ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞し、カンヌ国際映画祭ACID部門に正式出品されるなど、各国の映画祭で絶賛されています。
ユン・ジェホ監督も脱北に同行
本編シーンには、脱北に同行することとなったユン監督による貴重な映像がカメラに収められています。マダム・ベーら北朝鮮女性がよりよい生活や幸せを求め、中国からラオス、タイ・バンコクを経て脱北するルートの様子や、中国で乗り込んだバンの車内でも北の監視の目がないか常に緊張する様子。
『マダム・べー ある脱北ブローカーの告白』(C)Zorba Production, Su:m
さらに、子どもを背負ったまま真っ暗な山中をただ無言で進む様子など、映像は短いですが、かなり緊迫した状況が感じ取れます。
まとめ
『マダム・べー ある脱北ブローカーの告白』(C)Zorba Production, Su:m
同行したユン監督は「12人くらいのグループで食事もままならず、山中を10時間以上歩き続けた。危険でなかったとは決して言えない」と当時を振り返っています。
『マダム・べー ある脱北ブローカーの告白』(C)Zorba Production, Su:m
そして「旅が終わって、映画が完成して、自分の人生、世間を見る視点が大幅に変わった」と言い、「実際にマダム・ベーの人生も変わったが、私自身も大きく変わったと思う」と語ったユン監督。その衝撃の真意を、是非確かめてみてはいかがですか?