『ザ・ウォール』アメリカから見たイラク戦争を描く作品10選

『ザ・ウォール』アメリカから見たイラク戦争を描く作品10選

9月1日に公開が迫った『ザ・ウォール』は、2007年イラク戦争真っ只中の過酷な戦場を舞台に、死神と恐れられる“スナイパー”との攻防を描く緊迫のドラマです。 ここでは、アメリカ側からの様々な視点で制作された「イラク戦争」にまつわる物語の数々をご紹介します。


『ザ・ウォール』実在したイラク最恐のスナイパーに照準を合わされたアメリカ兵の戦い

© 2017 AMAZON CONTENT SERVICES LLC

いよいよ公開が9月1日に迫った『ザ・ウォール』。
イラク戦争中の真っ只中で、イラク・スンニ派武装グループの最恐スナイパー「ジューバ」に壁一枚で狙われたアメリカ兵士の決死の攻防をスリリングに描いたリアリズム溢れる戦場ドラマです。
この実在したスナイパーのエピソードを基に、『ボーン・アイデンティティ』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』など、緊迫感みなぎる演出に定評のあるダグ・リーマン監督がメガホンを取っています。

最強スナイパーに狙われるアメリカ兵士アイザックを演じるのは、『キック・アス』のアーロン・テイラー=ジョンソン。かつての頼りない青年のイメージは既になく、砂漠の極限地帯でスナイパーとの生死を賭けたタフな戦いを挑む姿は、次世代アクション・アイコンとしての可能性も大いに感じさせています。

『アメリカン・スナイパー』海兵隊史上最強の狙撃手クリス・カイルの生涯

『アメリカン・スナイパー』-(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

『アメリカン・スナイパー』は、米軍海兵隊史上最多、実に160人の敵を狙撃したという伝説の狙撃手クリス・カイルの生涯を、名匠クリント・イーストウッド監督が実話に忠実に映画化した衝撃のドラマ。前人未到の卓越した狙撃テクニックを駆使した、戦場での息詰まる展開が出色のできです。
クリス・カイルに扮したのはブラッドリー・クーパー。故郷の家族を愛しながらも、いつしか戦場に居場所を見つけてしまった男の苦悩を見事に演じ切っています。

『ハート・ロッカー』死と隣り合わせの危険物処理班の日常

© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved.

イラク戦争にて、兵士ばかりではなく民間人にも多くの犠牲者を出した“地雷”。『ハート・ロッカー』は、その地雷含め様々な危険物処理を専門とするアメリカ特殊部隊の、死と隣り合わせの日常を描いています。強固な防護服に身を包んでいても、犠牲者が絶えない危険な業務で正常な精神を保つことの困難さととてつもない緊張感が、画面から滲み出してきます。
監督はキャスリン・ビグロー、主演はジェレミー・レナー。第82回アカデミー賞にて9部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、オリジナル脚本賞、編集賞、音響効果賞、録音賞の6部門で受賞という快挙を果たしています。

『グリーン・ゾーン』見つからない大量破壊兵器の謎を追う捜索隊長

© 2009 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

アメリカがイラク戦争開戦時に掲げた「イラクによる大量破壊兵器の保持」という大義名分。『グリーン・ゾーン』は、その大義名分の「事実確認」の為にイラク全土を駆け巡り、大量破壊兵器を発見するという重責を与えられた特殊部隊を中心に、国家が仕掛けた陰謀を描くポリティカル・サスペンスです。真実を追求しようとすればするほど、違和感が増し危機が迫る展開は手に汗握ります。
『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』でタッグを組んだポール・グリーングラス監督とマット・デイモンが、息の合うところを見せています。

『ルート・アイリッシュ』民間傭兵を通して描く軍事ビジネス

© Sixteen Films Ltd, Why Not Productions S.A., Wild Bunch S.A., France 2 Cinéma, Urania Pictures, Les Films du Fleuve, Tornasol Films S.A, Alta Producción S.L.U.

『ルート・アイリッシュ』とは、イラク・バグダット空港と米軍区域グリーン・ゾーンを結ぶわずか12kmの直進道路の通称で、武装集団やテロリストが常に付け狙っており“世界一危険な道路”と呼ばれる一本道です。本作は、金のために民間軍事会社経由で民間兵としてイラク戦争に参加したあるイギリス人が、同じく参加し「ルート・アイリッシュ」で戦死した友人の真実を追求し、やがて「軍事ビジネス」の恐怖の実態に突き当たるまでを描くサスペンス・ドラマです。
監督はイギリスの名匠ケン・ローチ。あえて無名の俳優ばかりを起用し、作品の真実味を増大させています。

『ワールド・オブ・ライズ』戦場の真実を知るCIA工作員

© 2008 Warner Bros. Entertainment Inc.

実情を知る現場と理想を追う上層部の対立というものは一般社会でも付き物ですが、それが軍事レベル・国家レベルにまで達したときに何が起こるか。『ワールド・オブ・ライズ』は、国際テロ組織壊滅のために世界中の戦場を飛び回るCIAエージェントと、机上で淡々と指示を出し続ける上官との確執と駆け引きを描くサスペンス。戦場では、ひとつの真実を掴むだけでも多くの犠牲を伴うという悲しい現実を、画面越しに否応なしに突き付けられます。
監督はリドリー・スコット。出演はレオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウ。

『フェア・ゲーム』アメリカ政府に裏切られたスパイ女性の実話

© 2010 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

アメリカにとってイラク戦争開戦前の急務であった「大量破壊兵器の有無」を巡り、その事実を否定したスパイ女性が、アメリカ政府により「スパイであること」をリークされるという、俄かに信じ難い実話の映画化。『フェア・ゲーム』を観ていると、政治家たちの利害を巡る私利私欲に満ちた欺瞞の数々が、イラク戦争というフィルターを通して浮き彫りになってきます。
『ザ・ウォール』のダグ・リーマン監督が、同じく小気味良くスリリングに演出しています。出演はナオミ・ワッツ、ショーン・ペン。

『メッセンジャー』遺族に戦死の第一報を伝える通告官の苦悩

© INTERFILM Co. Ltd., All Rights Reserved.

イラク戦争にて無念の戦死を遂げた兵士の実家にすぐさま赴き、その第一報を口頭で伝えるという通告官=メッセンジャーの任務に就いた兵士の苦悩を描く異色のドラマ。元は自ら最前線で戦い、負傷帰国した通告官となった若き軍曹と、嘆き悲しみ時には罵倒する遺族たちの中で、ただひとり気遣いの言葉をかけてくれたある女性との心の交流を軸に、戦争の虚しさを実感できる秀作です。
監督は脚本家出身、本作が監督デビューのオーレン・ムーヴァーマン。出演はベン・フォスター、ウディ・ハレルソン、サマンサ・モートン。

『一枚のめぐり逢い』激戦地を生き抜いた兵士が持つ一枚の写真

© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINENT INC.

『一枚のめぐり逢い』の「一枚」とは、本作主人公でありイラク戦争で激戦を生き抜いた若き海兵隊員が常にポケットに忍ばせていた、ある白人女性の写真を指します。その写真はイラクで拾ったものであり、拾ってからというもの、絶体絶命の危機を何度も脱した彼が、帰国後この「命の恩人」に一目会おうと旅に出るという、一風変わった、かつ心に迫るラブ・ストーリーです。
監督は「シャイン」のスコット・ヒックス。出演はザック・エフロン、テイラー・シリング。

『さよなら。いつかわかること』母親をイラクで亡くした遺族

© 2007 The Weinstein Company, LLC. All rights reserved.

こと戦争ジャンルにおいては、男性を描いた作品が圧倒的に多い中、『さよなら。いつかわかること』では、イラク戦争に出征していた妻であり母親を亡くし遺された家族のドラマを描いています。その死を言い出せないまま、遠く離れた遊園地へと車を走らせる父親とふたりの娘というロード・ムービーの形式を取っており、父親の苦悩とそれを見る娘たちの表情の変化に、感動を禁じ得ない名作です。
監督はジェームズ・C・ストラウス。出演はジョン・キューザック、シェラン・オキーフ、グレイシー・ベドナルジク。

まとめ

© INTERFILM Co. Ltd., All Rights Reserved.

いかがでしたでしょうか。
単なる「戦争映画」という一昔のジャンルでは到底片付けられない、様々な現実とテーマが存在しており、奥深い感動を呼ぶ作品ばかり。是非ご覧になってみてくださいね!
『ザ・ウォール』は9月1日公開予定です!

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