『ダンケルク』とは
■みどころ① ダンケルクの戦いとは?イギリスの撤退成功とドイツ軍の戦略的失敗
『ダンケルク』(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
1939年に始まった第二次世界大戦、1940年5月にドイツ軍はオランダを経由してフランスを攻めます。電撃戦と呼ばれた素早いドイツ軍の攻撃にフランス・イギリス連合軍は敗退します。英国チャーチル首相はフランス・ベルギー国境の町ダンケルクからイギリス軍をドーバー海峡をこえイギリスに帰還させることを決意します。
『ダンケルク』(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
ドイツ軍の素早い攻撃に敗退したイギリス軍、ダンケルクに迫るドイツ軍戦車部隊は英仏軍の反撃を予想し燃料と食糧補給のために攻撃を停止します。結果イギリス、フランス軍はダンケルク周辺の守りを固め、準備をし撤退に成功したと言います。歴史家からは攻撃停止はドイツ軍の失敗と評価されています。
■みどころ② ダンケルクの浜辺で救援を待つ兵士たち
『ダンケルク』(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
トミーとギブソンはイギリス軍兵士、ダンケルクで負傷者を船に運びます。しかし、負傷者を乗せた船もドイツ軍は攻撃します。うまく救援船に乗れたトミーとギブソン、しかし、ドイツ軍の潜水艦攻撃を受け海に逃れます。ドイツ軍の攻撃を避けながら、イギリスへ帰還しようとする二人の運命を映画は劇的に描いています。
『ダンケルク』(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
ダンケルクに集まった40万人の近い兵士たち、港はドイツ軍の爆撃で破壊されます。イギリスのチャーチル首相は、軍艦だけでなく武器のないフェリーや商戦などの船をダンケルクの防波堤と浜辺に集め兵士をイギリスに送還させる作戦を実行します。
■みどころ③ 無名の船乗りたちの勇気 ダンケルクの小さな船
『ダンケルク』(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
ドーソンは一般市民、自分のボートで息子ピーター、そしてジョージとダンケルクの兵士救出に向かいます。途中、遭難したイギリス兵を救出、しかし、イギリス兵はダンケルクでなくイギリスへ船を向けろと怒鳴ります。ドーソンは冷静に兵をなだめます。上空はドイツ軍の飛行機、海中にはドイツ軍潜水艦が船を狙います。危険なドーバー海峡、ドーソンは無事にダンケルクで兵士を救援できるのでしょうか?
『ダンケルク』(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
ダンケルクとイギリスとの距離は最短でも約70キロ、ダンケルクは6月でも平均気温は15度くらいです。ダンケルクでは小さなヨットから軍艦まで861船が作戦参加、243隻が沈没しました。映画では「Littel ships of Dunkirk」(ダンケルクの小さな船)と呼ばれた武器のない民間船の一つ、ドーソンと乗組員の勇気と活躍をみどころとしています。
■みどころ④ 空の英雄 スピットファイヤーの活躍
『ダンケルク』(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
イギリス空軍のパイロットはダンケルクの救出作戦サポートのため、ドーバー海峡を飛行しドイツ軍の戦闘機と戦います。一人のパイロットは海上に墜落します。残されたパイロットも燃料が切れて、墜落寸前!パイロットの運命は?

『ダンケルク』(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
映画に登場するスピットファイヤーは第2次世界大戦中のイギリスの主力戦闘機です。敵国ドイツ軍からも恐れられ、ダンケルクの撤退後のイギリス本土へのドイツ空軍の爆撃ではイギリス本土を守りました。ダンケルク撤退中、イギリス軍の損失飛行機は145、そのうちスピットファイアは45機、ドイツ軍は156の航空機を失っています。映画では燃料が切れても海と陸で救援を待つ兵士を守るため、ドイツ軍と戦うパイロットの運命をみどころとしています。
■みどころ⑤ 臨場感触れる映像と飽きさせないストリー
『ダンケルク』(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
映画の撮影は2016年の5月から開始、当時と同じ場所、同じ季節に行われました。ダンケルクの旧市街は戦争で破壊されたため、当時の面影が残る他の町で市街戦のシーンは撮影されました。6千人のエクストラは映画の現実感を高めます。船は退役したフランスの軍艦、そして、実際ダンケルクの撤退に参加した、小さな船も20隻参加しています。現存する2機のスピットファイアが撮影で使われました。まるで当時にタイムスリップしたかのような映画です。
ノ=ラン監督は陸、海、空と3つの視点からストーリーを描いています。時間も2時間とうまくまとめています。無名俳優が多い中、スリルあるストリーで最後まで飽きさせません。ノーラン監督は、「映画『ダンケルク』は、史実を知らない人にとっては、強烈な体験になるはずです。この並外れた物語を、究極のタイムサスペンスとして描きました。観客たちを戦場に引きずり込み、息もつけない緊迫の状況に追い込む、最高の映像体験になると思います」とコメントしています。
■みどころ⑥ 「ダンケルク精神」イギリス人の愛国心
『ダンケルク』本ポスター(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved
映画にはイギリス人の愛国心が溢れます。負傷者を救う兵士、燃料が切れても飛ぶパイロット、武器なきダンケルクの小さな船の船員たち、「ダンケルク精神」と呼ばれる愛国心が生まれました。チャーチル首相は、撤退後の演説でイギリス国民にドイツと戦う決意を表明します。