『たかが世界の終わり』にみる、グザヴィエ・ドランの魅力

『たかが世界の終わり』にみる、グザヴィエ・ドランの魅力

第69回カンヌ国際映画祭でグランプリとエキュメニカル審査員賞を獲得した『たかが世界の終わり』。人の魅力を最大限表現することに長けているグザヴィエ・ドランは、俳優でありながら監督として活躍中。今回は彼の魅力と才能、制作作品をご紹介します。


有名歌手のビデオ監督も努めた”若き天才”グザヴィエ・ドラン

『たかが世界の終わり』メイキング(C)Shayne Laverdiere, Sons of Manual

グザヴィエ・ドランは1989年生まれ。カナダ出身の俳優兼映画監督です。彼の父も俳優で、幼少期より映画やテレビ番組に出演しています。

また、英国のシンガーソングライターであるアデルの楽曲、『Hello』のミュージックビデオ監督を務めたことでも知られています。アデルから直接オファーされたんだとか!

ドラン最新作”家族の愛と葛藤”『たかが世界の終わり』

『たかが世界の終わり』(C)Shayne Laverdiere, Sons of Manual

愛と葛藤の人間ドラマで定評があるドランの最新作は『たかが世界の終わり』。”家族”に注目して描かれたこの作品は、多くの賛辞を集めた注目作。

『たかが世界の終わり』(C)Shayne Laverdiere, Sons of Manual

マリオン・コティヤール、レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセル、ギャスパー・ウリエルなど豪華キャストを迎え、若き才能が収められた一本です。

”不完全さ”=人の魅力をどう表現するか

『たかが世界の終わり』(C)Shayne Laverdiere, Sons of Manual

「人物を魅力的にするのは不完全さだと思う。だから僕は意地の悪い人にも、魅力を感じることがある。本作の登場人物たちには、わかりやすい人は1人もいない。弱いし傷つきやすい。大きな苦悩を抱えて生きている。」とコメントするように人間の愛や憎しみなど、誰もが感じたことのある心情を丁寧に描くことが上手いドラン。

『たかが世界の終わり』(C)Shayne Laverdiere, Sons of Manual

本作では主人公を演じたギャスパー・ウリエルは「“沈黙を通して最大限のことを伝える“ということが、俳優としてとてもチャレンジでした」と話し、ドランとの共同作業において、”沈黙”がどれほどの可能性を持っている表現方法なのか”と二人で探っていったという。

こういうことからもドランと共演者との濃密な映画作りがわかります。

ドランが手掛けた印象深い作品たち

『わたしはロランス』

他にもドランの手掛ける作品を見ていきましょう。日本公開時も鮮烈な印象であった『わたしはロランス』。社会や周囲の偏見に果敢に挑む二人の美して切ない愛を描いた作品。

『Mommy/マミー』 - (C) 2014 une filiale de Metafilms inc.

また、『Mommy/マミー』は、第67回カンヌ国際映画祭にて、巨匠ジャン=リュック・ゴダール審査員特別賞を受賞。

ダイアンには施設に入居させたADHDをもつ息子スティーヴがいる。施設で放火騒ぎを起こし、強制退所することに。彼女はスティーヴを引き取り、生活を始めるが・・・というストーリー。

『Mommy/マミー』(C)2014 une filiale de Metafilms inc.

この作品の特徴は映像が正方形(画面アスペクト比1:1)であること。昨今の一般的な映画と違って正方形の様式を選んだことは、よりプライベートな表現を追及するためだとドランは語りました。

『胸騒ぎの恋人』 (C)2010 MIFILIFILMS INC

ドランは19歳の時、『マイ・マザー』で鮮烈な映画監督・脚本家デビューを果たしました。長編映画2作目の『胸騒ぎの恋人』でも、彼は存在を放ちます。

俳優業も邁進!

『エレファント・ソング』- (C) Sebastien Raymond

カリスマ性のあるドランは、監督だけではなく俳優としても評価の高いです。彼が今後どんな映画を制作していくのかとても気になりますよね。ドラン作品に興味のある方はぜひご覧ください!

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