『オン・ザ・ミルキー・ロード』エミール・クストリッツァ監督の魅力

『オン・ザ・ミルキー・ロード』エミール・クストリッツァ監督の魅力

『パパは、出張中!』『アンダーグラウンド』で2度のカンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝き、ベルリン国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭でも受賞歴を持つ、エミール・クストリッツァ監督。最新作の『オン・ザ・ミルキー・ロード』が公開が公開を控えている同監督の魅力をご紹介します。


1度目のパルム・ドールに輝いた『パパは、出張中!』

1985年制作映画『パパは、出張中!』。スターリン主義の影響下にあった50年代初頭のユーゴスラビアを舞台に、ユーモアの中に痛烈な体制批判を織り交ぜた作品です。

カンヌ国際映画祭で1度目のパルム・ドールに輝いたクストリッツァ監督の同作品。重苦しいテーマですが、味わい深く、また時代背景を理解するとより楽しめる作品です。

2度目のパルム・ドールに輝いた『アンダーグラウンド』

2度目のパルム・ドールに輝いた作品は、1995年制作の『アンダーグラウンド』。ベオグラードを舞台に、第二次世界大戦からユーゴ内戦まで、ユーゴスラビアの激動の歴史を描いています。

同作品でクストリッツァ監督の地位をより一層確固たるものにしましたが、政治的描写に満ちた同作は、賞賛と同時に批判も巻き起こすことになり、以後の彼の作風に大きな影響をあたえました。

ドタバタコメディ『黒猫・白猫』

1998年制作、ドナウ川のほとりにジプシー一族に起こる若者の恋愛や石油列車強奪計画といったエピソードを、陽気に描いたドタバタコメディ『黒猫・白猫』。

本作で描かれているのは「生の躍動」。人間も動物たちも狂騒的にドタバタと踊り回っています。隠されたテーマに「お金と愛」「生の世界と死の世界」などありますが、全く重苦しくなく楽しく観られる作品です。

最新作『オン・ザ・ミルキー・ロード』

『オン・ザ・ミルキー・ロード』 (C)2016 LOVE AND WAR LLC

監督、脚本、主演をクストリッツァ監督自ら務め、9月15日(金)より公開となる最新作『オン・ザ・ミルキー・ロード』。戦争が終わらない国を舞台に、運命の出会いを果たしたミルク運びの男と美しい花嫁の壮大な愛の逃避行の物語を描いています。

『オン・ザ・ミルキー・ロード』 (C)2016 LOVE AND WAR LLC

戦争の悲惨さ、愚かさを描きながらも、その中に情熱的な恋、狂騒のダンス、温かいユーモアが詰め込まれた『アンダーグラウンド』『黒猫・白猫』などで世界を熱狂させた彼のエッセンスが詰め込まれた到達点ともいえる作品となっています。

まとめ

『オン・ザ・ミルキー・ロード』 (C)2016 LOVE AND WAR LLC

クストリッツァ監督作品の大きな魅力といえば、動物たちが披露する人間顔負けの演技ですよね!演出法を問われた際「人間と同じ。しっかり食事を与えれば、いい演技をしてくれる」と語り、『オン・ザ・ミルキー・ロード』にも主人公がまたがるロバや、相棒ともいえるハヤブサなどが登場。また、熊に口移しでオレンジを食べさせるシーンは、CGなしで撮影されています。

『オン・ザ・ミルキー・ロード』 (C)2016 LOVE AND WAR LLC

カンヌ国際映画祭だけでなく、ベルリン国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭と三大映画祭を制したクストリッツァ監督。これからもさまざまな作品を作り続けていってほしいですね!

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