実話を基にした衝撃の事件が堂々の映画化!
『全員死刑』(C)2017「全員死刑」製作委員会
福岡で発生した強盗殺人死体遺棄事件・・・。その犯人はある家族4人。
全員に死刑判決がくだり、一家の次男による獄中手記が原作となる今作。
© 2017「全員死刑」製作委員会
そのショッキングなタイトルだけならず、初主演の間宮祥太朗さんのこれまでにない強烈なビジュアル(金髪に多数の刺青)も相まって、事件を知らない人の関心も多くひきつけた問題作となっています。
実行犯の次男目線で描かれる衝撃的な展開
間宮祥太朗/『トリガール!』完成披露イベント
借金を抱えた一家のために、近所の資産家の金を強奪するという無謀な計画を実施するのは、間宮さん演じる次男・首塚タカノリ。
一家がグルになって犯行を行っているかと思えば、家族想いな次男をいいことに、父も兄も実行は人任せ。
そんな実行犯である次男の目線で描かれるだけあって、ショッキングな展開・描写が多数!
プロデューサーに『冷たい熱帯魚』(11)『凶悪』(13)など、同じく実際の事件を元にした作品で手腕を見せる千葉善紀さんや、過激かつ残酷な描写で定評のある西村喜廣さんが名を連ねます。
2作品とも目を覆いたくなるような演出が特徴的なだけあって、今作ではいったいどんな残酷描写を見せてくれるのか・・・。
凶行の狂い咲きをとくと見よ!
© 2017「全員死刑」製作委員会
借金を抱える情緒不安定な組長の父と、ヒステリックな母、長男と暮らす家族思いのタカノリは、そんな一家を救うために、兄と近所の資産家に強盗することを決意します。
© 2017「全員死刑」製作委員会
ところが、あんまりにもお粗末にである犯行ゆえに、後に引けなくなったタカノリたち。
最初は強盗だけだった計画も、勢いに任せてその資産家の息子を殺害。
エスカレートする事態に「家族のため」「愛」などと理由を言いながら、タカノリたちの殺人や凶行は暴走していきます。
元になった事件『大牟田4人殺害事件』とは?
『ライチ☆光クラブ』古川雄輝、間宮祥太朗/photo:Nahoko Suzuki
2004年9月に福岡で起きた強盗殺人・死体遺棄事件で、被害者も加害者家族単位で4人ずつ、そして裁判では被告である家族4人全員に死刑判決が下りた、特異な事例として注目されました。
/『劇場版 お前はまだグンマを知らない』初日舞台挨拶
調べによると、金銭トラブルが原因で連鎖的な殺人・死体遺棄に至ったと、ここまで聞くと映画どおりのストーリーとおもえますが、実際はどれも推測の域を出ておらず、未だに真相は解明されていないんだとか・・・。
監督はこれが商業作品デビューとなる小林勇貴
若干27歳である期待の新人監督でありながら、その野蛮かつ大胆な作風が話題となり、現在各メディアで取り上げられるようになりました。
その野蛮さは、彼のTwitterや今作のコメントを見れば、一目瞭然!
『全員死刑』(C)2017「全員死刑」製作委員会
元々は専門学校卒業後、広告会社に就職するも、自主映画を撮るようになり、本物の不良少年を集めて映画を撮った『孤高の遠吠』(15)は、カナザワ映画祭やゆうばり国際ファンタスティック映画祭に出品された経歴も持ちます。
間宮祥太朗さん初主演作品!
監督の熱意に影響を受けて、出演を決めた間宮さんは普段のイメージを覆すようなビジュアルで出演しています。金髪オールバックに、背中から胸までのタトゥーなど、色気と狂気が共存した佇まいを披露しました。
『全員死刑』メイキング(C)2017「全員死刑」製作委員会
本作の狂気を体現しているかのようなビジュアルですが、過去作で不良を取材し、出演までさせた監督独特のこだわりが詰まっており、実話モノでありながら、並々ならぬセンスを感じさせます。