『スリービルボード』はどんな映画?
『スリー・ビルボード』 (C)2017 Twentieth Century Fox
比較的地味な映画ですが公開から人気急上昇。見逃せない映画になりそうです。
■ゴールデングローブ賞で4部門受賞
『スリー・ビルボード』キャストら-(C)Getty Images
さてさる1月7日、ハリウッドにて”パーティー・オブ・ザ・イヤー”ことゴールデン・グローブ賞の授与式が開催されました。本年度は女優たちが黒い服でセクハラ被害を訴えたことが話題となりましたが、その陰でこちらの『スリー・ビルボード』が作品・主演女優・助演男優・脚本の各賞の主要4部門を制覇しました。
■あらすじはこんな感じ
『スリー・ビルボード』 (C)2017 Twentieth Century Fox
ミズーリ州の田舎町である少女が暴行されて殺されます。警察が捜査に乗り出しますが解決の糸口がつかめないでいると、被害者の母親であるこの映画の主人公ミルドレッド・ヘイズは町の交差点に警察の怠慢をなじるような広告を出して攻め立てます。町の人々から信頼をされている警察へのあまりの態度に町民たちは怒り、母親を責めるようになり事態はエスカレートしていきます。そんな折、警察への信頼の象徴でもあった保安官が倒れてしまい…。
悲劇と喜劇。人間のどうしようもなさを描いた作品のようです。うーんコーエン兄弟の映画みたいな感じでしょうか。
■海外の評価も最高
一般的な評価も非常に高く海外の映画批評サイトIMDBではこの映画に関して43000件の評価が寄せられており平均スコアは8.3点と年間一位、レジェンド映画クラス(現時点で歴代映画で70位、同順位は『時計仕掛けのオレンジ』や『めまい』など36作品)の高評価となっております。また2018年1月15日現在、世界各国の映画賞で149部門にノミネートされて64部門で受賞しています。
『スリービルボード』のキャストと監督は?
■主演はコーエン・の妻フランシス・マクド―マンド
フランシス・マクドーマンド -(C)Getty Images
主演を務めるのはフランシス・マクド―マンド。ジョエル・コーエンの妻でありアカデミー賞・トニー賞・エミー賞を受賞したハリウッド屈指の名女優。日本で例えると大竹しのぶさんのような感じでしょうか。当然のごとく今回のゴールデングローブ賞でも主演女優賞を受賞しています。
トレーラーをみる限りではかなりタフな女性。かなりはまり役ですかね。娘を殺害された悲劇の母親という雰囲気ともまた違いますね。
『プロミスト・ランド』ブルーレイ
最近では2012年のガス・ヴァン・サントの名作『プロミスト・ランド』で主演のマット・デイモンの同僚役で好演されていたのが印象的。代表作は『ファーゴ』(1996年)の女性保安官役や『スタンド・アップ』(2005年)の主人公の親友役。旦那のコーエン兄弟作品に多く出演していますが、特に大役を狙うのではなく低予算の映画でも気にせず出ているというイメージ。
■実力派オモシロおじさんウディ・ハレルソンはイメチェン?
ウディ・ハレルソン-(C)Getty Images
ハリウッドの顔芸俳優!『スリー・ビルボード』では高潔な保安官を演じました。物語の重要人物ですです。パパラッチに腹をたてて殴り、パパラッチをゾンビと間違えたと弁明した彼。今回のような冷静沈着で高潔な役は珍しいかも?
『スウィート17モンスター』 (C) 2016 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.
代表作は『ナチュラル・ボーン・キラーズ』というのが妥当なのでしょうが、最近ではどう考えても『ゾンビ・ランド』のタラハシー。狂った危険な男から狂った陽気な男まで幅広く演じ分け映画にひと花を添える存在です。
■サム・ロックウェルもチャンス十分
サム・ロックウェル-(C)Getty Images
実力派として目されながらアカデミー賞とは縁がなかったサム・ロックウェルも今回はオスカー俳優に仲間入りしそうな様子。ゴールデングローブ賞の助演男優賞も今回初受賞しました。今回は差別主義者で仕事に不熱心な保安官補の役で出演。海外の評判では主演と並んで高く評価されておりオスカーも有力視されています。
彼の代表作はほぼ全編一人芝居の映画『月に囚われた男』(2009年)。この映画は00年代でかなり人気を博しました。『銀河ヒッチハイク・ガイド』のザフォド(ゼイフォード)・ビーブルブロックス役も最高でした。最近はいわゆるB級映画への出演が多い印象。キャリア形成には興味がないのかも。