『冷たい熱帯魚』(2011)ボディーを透明にする
© NIKKATSU
小さな熱帯魚店を営む社本の家庭は不協和音を奏でていた。年頃の娘は若い後妻に反発し、そのために社本と妻の間も上手くゆかなくなっていた。娘が起こした万引き事件をきっかけに、社本はより大きな熱帯魚店を経営する村田と知り合う。村田は社本の娘の万引きを見逃すどころか、親切にも娘を自分の店で雇う。やがて、村田は社本に高価な熱帯魚を輸入する事業を手伝ってほしい、と持ちかける。その申し出を引き受けた社本は、想像を絶する異常な事態に巻き込まれていく…。
本作は1993年に起こった埼玉愛犬家連続殺人事件をベースとした物語で、同じ監督による実際の事件をベースとしたシリーズ「家賃3部作」の第1作目になります。どこからどこまでが事実なのかを想像するとよりぞっとします。
作品ドッキリ度 ★★★★★
実際に起きた事件をベースにしているのがより怖さを煽ります。自暴自棄なのか、覚醒した狂気なのか…。ドラマ性も高い作品だと思いました。

大ヒットシリーズ『新宿スワン』の産みの親、園子温監督の歴代作品の中でもひときわ心に来る、あるいは話題になった映画を5つご紹介します。
『真木栗ノ穴』(2008)その穴覗きますか?
© 2007 株式会社ネオ/株式会社ライツマネジメント
鎌倉にある築40年の安アパートで暮らす、しがない作家・真木栗勉(西島秀俊)。官能小説を依頼されるも、案が浮かばずに悩む彼だったが、ある日、部屋の壁に隣室を覗き見ることができる、2つの小さな穴を発見する。西の部屋には若い男が住み、東の部屋は空き部屋だったが、若い女が引越して来るのを期待した。その妄想を小説に書き始める真木栗。そして期待通りに女が越して来た時、真木栗は毎日のように穴を覗き、その女の虜になっていくのであった…。山本亜紀子原作のホラー小説「穴」を映画化。
小説を原作としたホラー映画です。江戸川乱歩の屋根裏の散歩者を彷彿とさせます。主人公の書く小説と穴を覗くと見える現実がリンクしていき、何が現実なのかわからなくなっていきます。
作品ドッキリ度 ★★★★★
ゆっくりと物語は進みます。落語の怪談牡丹灯籠がモチーフでしょうか。空き巣に入られたことがきっかけで見つけた穴。穴に取りつかれたのか、女に取りつかれたのか、徐々にやつれていき…。

イケメン俳優西島秀俊。『Dolls』『劇場版 MOZU』『サヨナライツカ』など、落ち着いた雰囲気としなやかなたたずまいが魅力の西島秀俊が出演している作品10選をご紹介します。
『アイアムアヒーロー』(2016)日常が崩壊していく
© 2016映画「アイアムアヒーロー」製作委員会 © 2009花沢健吾/小学館
鈴木英雄(大泉洋)35歳。職業:漫画家アシスタント。彼女とは破局寸前。 そんな平凡な毎日が、ある日突然、終わりを告げる。徹夜仕事を終えアパートに戻った英雄の目に映ったのは、彼女の異形の姿だった。一瞬にして現実の世界は崩壊し、姿を変えて行く。謎の感染によって人々が変貌を遂げた生命体ZQN(ゾキュン)で街は溢れ、日本中は感染パニックに陥る。標高の高い場所では感染しないという情報を頼りに富士山に向かう英雄。その道中で出会った女子高生・比呂美(有村架純)と元看護師・ヤブ(長澤まさみ)と共に生き残りをかえた極限のサバイバルが始まる。果たして彼らは、この変わり果てた日本で生き延びることが出来るのか。そして、英雄は、ただの英雄(ひでお)から本当の英雄(ヒーロー)になれるのか!?
謎の感染症による平凡な日常の崩壊を描いたSFホラー漫画が実写映画化しました。いつものコミカルなキャラを封印した大泉洋さんが主人公を演じます。
作品ドッキリ度 ★★★★★
日本では珍しい本格ゾンビ映画で過激な描写シーンがあります。冴えない中年男性が、目の前の守るべき存在のために立ち上がります。

『アイアムアヒーロー』は、現代の日本でゾンビによるパニックが起きたらどうなるのかを描いた同名漫画作品を原作とした実写映画作品です。主演は、俳優の大泉洋、監督は『GANTZ』で知られる佐藤信介です。そんな本作のあらすじやキャストについて紹介します。 675
『おろち』(2008)美しい姉妹の恐ろしい運命
© 2008「おろち」製作委員会
100年に一度、永い眠りに就くことによって不老不死の体を保ち、人の世を彷徨い続ける謎の美少女“おろち”(谷村美月)。行く先々で起こる悲劇や惨劇を、時に自らの不思議な力を介入させつつ、彼女は見つめ続ける――。おろちが家政婦として潜り込んだ門前家には、2人の美しい姉妹、長女の一草(木村佳乃)と次女の理沙(中越典子)がいた。誰よりも美しく生まれるが、29歳を過ぎる頃には突然美貌が崩れ、果ては化け物のように醜く死んでいくという彼女たち。ある日、理紗は死にゆく母親の口から、もう一つの門前家の秘密を打ち明けられる…。楳図かずお原作の同名漫画より「姉妹」、「血」というエピソードを基に描かれる怪奇ミステリー。女性の美醜への執着が、美しい姉妹を恐怖と悲劇へと導いていく…。
不老不死の不思議な存在・おろちの目を通した人間の醜さ、弱さが描かれています。
作品ドッキリ度 ★★★★★
おろちの存在より人間の方が怖いと感じさせる、楳図かずお作品ならではの恐怖感が味わえます。
『コープスパーティー Book of Shadows』(2016)残酷な運命を止めることはできるか
© 2016 Team GrisGris / MAGES. / 5pb. /映画「コープスパーティー Book of Shadows」製作委員会
呪いのおまじない「しあわせのサチコさん」を行い、怨霊の棲む異空間へと飛ばされた女子高校生の直美(生駒里奈)は、幼なじみの哲志(池岡亮介)や親友の世以子(喜多陽子)など、多くの仲間を失った。あれから半年。生き延びたあゆみ(前田希美)と直美は、死んだ友達を取り戻すべく、悲劇の舞台となった天神小学校へと戻ってくる。同じおまじないで別の学校から囚われて来た刻命(青木玄徳)たちとも合流し、切なる想いで生還の道を模索する。だが、待っていたのは繰り返す「死の運命」に囚われた、仲間たちとの再会だった。命と心を弄ぶ、残酷な運命の歯車は、ゆっくりと廻り始める……。
本作は、根強い人気を誇るホラーアドベンチャーのPCゲームを原作とした実写映画の二作目になります。誰が敵で誰が味方か、怒涛の展開と衝撃のラストに言葉を失います。
作品ドッキリ度 ★★★★☆
ファンの多いコープスパーティーですが、前作、ゲームを知らなくてもストーリーを楽しめました。しかし、ラストは…。続編があるなら観たいです!