『かぐや姫の物語』まとめ!高畑監督の遺作となった、制作8年の超大作の魅力とは?

『かぐや姫の物語』まとめ!高畑監督の遺作となった、制作8年の超大作の魅力とは?

2018年4月5日に亡くなった巨匠・高畑勲監督の遺作となった『かぐや姫の物語』。「竹取物語」を、監督が抱いた3つの疑問をテーマに、壮大なスケールと、情緒豊かなキャラクターによって現代の観客の前に蘇りました。ここではそんな本作の制作秘話や、出演者についてもまとめました。


「竹取物語」を高畑監督独自の目線で描き出す

© 2013 畑事務所・GNDHDDTK

誰もが知る昔話「竹取物語」を、スタジオジブリが壮大なスケールによってアニメ化!
日本アニメーション界の巨匠・高畑勲監督によって8年の歳月をかけて描かれただけに、発表当初から大きな期待が寄せられていました。

『かぐや姫の物語』(C)2013 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK

「かぐや姫はなぜ、数ある星の中から地球を選んだのか。この地で何を思い、どう生きたのか。かぐや姫は、なぜ地球を去らねばならなかったのか」この3つの疑問を抱いた高畑監督によって企画され本作に、果たしてどんな答えがあるのでしょうか。

『かぐや姫の物語』ストーリー

© 2013 畑事務所・GNDHDDTK

かぐや姫は数ある星の中から、なぜ地球を選んだのか。この地で何を思い、なぜ月へ去らねばならなかったのか。彼女が犯した罪とは、そして、罰とはいったい何だったのか――。

『かぐや姫の物語』 -(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK

『風立ちぬ』と近い時期に上映された本作。
「かぐや姫」という一人の女性が誕生し、少女時代を経て美しい姫に成長していく物語を日本の原風景ともいえる美しい景色とともに描き切った超大作。
命の輝きと“生きる喜び”というテーマを表現し、感動のラストへとつながっていく本作は、涙なしには見れません。

高畑監督の遺作となった『かぐや姫の物語』

『かぐや姫の物語』高畑勲監督-(C) Getty Images

2018年4月5日、肺がんのため亡くなった高畑監督。
制作8年、制作費50億円が投じられた『かぐや姫の物語』は監督の遺作となりました。
82歳でこの世を去った高畑監督は、スタジオ・ジブリ設立に携わった人物であり、『柳川堀割物語』、『火垂るの墓』、『おもひでぽろぽろ』、『平成狸合戦ぽんぽこ』、『ホーホケキョ となりの山田くん』などの代表作を手がけました。

高畑勲/『レッドタートル ある島の物語』完成披露試写会

監督自身でも、「『かぐや姫の物語』は、ずいぶんお金も時間もかかってしまった」と語る一方で、「日本のアニメーションにとって、新しい一歩を進める作品になったような気がします。大変満足を覚えていますし、苦楽を共にしたスタッフにこれほどありがたい気持ちで満たされたことはない」と語っていました。

『かぐや姫の物語』の原作は諸説あり?

高良健吾&田畑智子&上川隆也/『かぐや姫の物語』完成報告会見

そもそも「竹取物語」は、平安初期に誕生したという説が有力ですが、現在もその作者や、成立年などの詳細は謎多き物語です。
かぐや姫は地球に現れたのは、月世界で犯した罪を償うためとされていますが、「竹取物語」内ではその罪がどのようなものかは明らかになっていません。

高畑勲監督&朝倉あき&高良健吾/『かぐや姫の物語』完成報告会見

高畑監督が疑問を持った、いわば「竹取物語」最大の謎とも言える部分に、『かぐや姫の物語』は触れています。腑に落ちる物語として提示した、高畑監督ならではの作品となっています。

『かぐや姫の物語』“翁”役には代役が存在した?

故・地井武男(翁役)/『かぐや姫の物語』 -(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK

かぐや姫を育てることとなる“翁”役で出演していた地井武男。
2011年夏から、声優として参加を始めた地井さんですが、2012年6月にこの世を去ってしまいます。そのため、2013年夏、セリフの変更や息づかいを調整するために再度キャストを集めて、アフレコ収録をする必要が出てきました。

高畑勲監督&朝倉あき&高良健吾&宮本信子&田畑智子&宇崎竜童&上川隆也&朝丘雪路&二階堂和美(主題歌「いのちの記憶」)&坂口理子(脚本)/『かぐや姫の物語』完成報告会見

当初、制作陣は過去に地井さんが出演した作品や番組から音声を抽出し、組み合わせる手法を行うもうまくいかず。そんな時、優しさを含んだ独特のかすれと高い声をもつ、三宅裕司の名前が高畑監督から挙がりました。

当初は声優参加を公表したがらなかった三宅さん

© 2013 畑事務所・GNDHDDTK

三宅さんは「地井さんが真剣に強い思いで取り組まれ、さらに映画として遺作となった作品に自分の声を重ねるなんて…」と戸惑いがあったそうですが、完成を見届けられなかった地井さんの無念さ思うと共に当時、自身も大病での入院から復帰できたことや生前に優しく声をかけてくれた地井さんへの感謝の気持ちが重なり、計6シーンでの代役を引き受けました。
その熱演は、高畑監督からも「誰が聞いても違和感がない。地井さんそのものだ」と太鼓判を押されているほど。

『かぐや姫の物語』 -(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK

三宅さんは、“一部代役”ということに観客が戸惑い、地井さんの熱演に集中できなくなることを恐れ、自分の名前を一切公表しないことを望みました。
しかし、ジブリから「エンドロールは観終わった人がみるもの。映画の記録として三宅さんの名は残したい」という希望により、エンドロールにだけ「三宅裕司(特別出演)」と名前を載せることになりました。

この記事のライター

某レンタルショップ店員⇒ミニシアター勤務を経て、現在は企業でライターをしつつ、映画のブログや記事を書いています!
時々ニッチなジャンルで映画○○選と題した記事も書いているので、何を見ようか迷っている人は参考にしていただけると嬉しいです。

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