究極の進化形・シリーズ最新作『ザ・プレデター』(2018)
『ザ・プレデター』(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
1987年にシリーズ第1作『プレデター』が公開されて以来、続く『プレデター2』、「エイリアン」とのクロスオーバー作品『エイリアンVS.プレデター』、その続編『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』、さらには第1作のリブート作品『プレデターズ』と作品を重ね、常にそれら作品の中で最強の戦闘異星人プレデターは進化してきました。
2018年、プレデターは新たな動きを見せます。これまで以上の迫力で地球に飛来、人類にまたもや迫ってきます。
最新作は、ある少年が自宅に届けられたおもちゃのような何かで遊びはじめたことが、何らかの信号を発してしまうところからはじまります。
より強く、より知的に進化したプレデターを前に、人類になす術はあるのでしょうか。
シリーズ最新作『ザ・プレデター』はどんな作品?
『ザ・プレデター 』(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation.
日本では、2018年9月14日に公開された『ザ・プレデター』。シリーズ最新作の監督を務めたのはシェーン・ブラック。シリーズ第1作でアーノルド・シュワルツェネッガー演じるダッチをリーダーとする特殊コマンドー部隊の一人を演じた人です。
1作目をご覧になった方は覚えているかもしれません。眼鏡をかけていてジョークを飛ばしまくっていた通信兵ホーキンズの役で登場しました。悲惨な最期を遂げていましたが……。
そのブラックが今度は監督として「プレデター」に関わります。監督としては「アイアンマン」シリーズ完結編『アイアンマン3』で好成績を残しているだけに、期待が高まります。
ブラック監督によると最新作『ザ・プレデター』はリブート版である前作『プレデターズ』よりも第1作の「続編」により近い作品であることが明かされています。第1作の30年後の世界を描いた作品であるとのこと。シリーズを通して最も原点に近い作品と言えるかもしれません。
1作目:ジャングルの見えない敵『プレデター』(1987)
AVP2 エイリアンズVS. プレデター 2枚目の写真・画像
南米のとある国でゲリラに捕らえられた要人救出のため、アラン・ダッチ・シェイファー少佐率いる特殊コマンドー部隊はジャングルに潜入。部隊はゲリラを掃討しますが、その様子をプレデターが密かに監視していました。
ジャングルを脱出すべく行軍していたコマンドー部隊は光学迷彩で透明化したプレデターに襲われ、ダッチ以外のコマンドーたちは次々と倒れていきます。その過程で、ダッチはプレデターが武装していない者や弱い者を襲わないことに気づき、ゲリラを掃討した村で捕虜としたアンナを単独で脱出ポイントまで行かせます。
プレデターから逃れるうちにダッチは滝壺に落ちてしまいますが、そのことでプレデターの弱点に気付きました。ジャングルの木を削って武器や罠をつくり、ダッチはプレデターとの対決に臨みます。生き残るのはダッチか、プレデターか。

架空の生物を描いた映画って独特の世界観があって面白いですよね。想像上のものなので映画によって考えた人の色が出るものです。そんか架空の生物を描いた映画を紹介します。
■『プレデター』主演はアーノルド・シュワルツェネッガー
アーノルド・シュワルツェネッガー - (C) Getty Images
いまや押しも押されもせぬ筋肉俳優アーノルド・シュワルツェネッガー。『コナン・ザ・グレート』や『ターミネーター』、『コマンドー』などで肉体の頑強さ、戦闘力の高さを持ち合わせる役を演じ、観客を魅了してきました。
『プレデター』では特殊コマンドー部隊のリーダー役。少し前に主演した『コマンドー』と重なる部分があって「また?」と思いきや、戦闘を得意とする「異星人」と直接戦う姿で新たな「戦う男」の姿を見せてくれました。
シュワルツェネッガーのほかに、『ロッキー』でアポロ役を演じたカール・ウェザース、元プロレスラーのジェシー・ベンチュラなど、シュワルツェネッガーに劣らぬマッチョ俳優たちがコマンドー部隊の面々として出演しています。
いかにも強そうな軍人たちが圧倒されていくプレデターとはいったいどんな異星人なのか、「姿が見えない」存在だけに物語の緊張も高まります。
■「プレデター」とはいったい?
『ザ・プレデター』(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
タイトルにもなっている「プレデター」とはいったい何のことなのでしょう。シリーズ第1作『プレデター』には、異星人を「プレデター」と呼ぶ場面はありません。
プレデターは「predetaor」と綴りますが、もともとは「predator」と綴って「捕食者」、つまりほかの生物を狩って食べる者という意味の言葉です。それが転じて「predetaor」、宇宙を渡り歩いて惑星にすむ生物を狩って捕食する宇宙の知的生命体を表すことになったのです。
プレデターとは、劇中世界の住人たちではなく、映画を観る現実世界の私たちが、かの異星人を表すために使う言葉なのですね。
強い生物を狩ることを生き甲斐としていて、光学迷彩とプラズマ兵器という高い科学力を駆使して、人類を狩る宇宙からの使者……人類はプレデターを怖れずにはいられません。もちろん、劇中の人物だけでなく、映画を観る私たちも。
■『プレデター』で「あの役」を演じたのはあの人!
Facebookで『アベンジャーズ2』出演願望をアピールしたジャン=クロード・ヴァン・ダム -(C) Getty Images
『プレデター』にはたくさんの人物が登場します。いろいろな立場のいろいろな人種の人がいますが、忘れてならない存在があります。「プレデター」その人です。
プレデターは二足歩行の人型の宇宙生命体です。当然、これを演じている人物がいます。当初は『サイボーグ』や『ユニバーサル・ソルジャー』で屈強さを見せるジャン=クロード・ヴァン・ダムが予定されていました。
もともと空手家だったヴァン・ダム。それを活かした鋭い動きのプレデターが期待できましたが、先に述べましたように、主演のシュワルツェネッガーのほかに、カール・ウェザースやジェシー・ベンチュラなどマッチョ俳優が居並ぶため、それを圧倒する驚異的な存在としてのプレデターが必要となりました。
それに加えてヴァン・ダムはプレデターのスーツに不満を持っていたため、降板。218cmの身長を持つケヴィン・ピーター・ホールが演じることになりました。上背のあるプレデターは屈強なコマンドーに見劣りがしない異星人戦士となったのでした。
また、ケヴィン・ピーター・ホールはプレデターとしてだけでなく、軍人としても出演しています。映画終盤に登場する、ダッチを救出したヘリコプターを操縦していたパイロットを覚えているでしょうか。彼がケヴィン・ピーター・ホールです。
2作目:近未来都市で潜む殺戮者『プレデター2』(1990)
『エイリアン VS プレデター』
1997年のロサンゼルス。麻薬組織同士の抗争がはげしい町です。そこで惨劇が発生。マイク・ハリガン警部補は、新米刑事のジェリー・ランバートとともに事件を追います。
麻薬組織の抗争現場で起きた惨劇。その生き残りが「悪魔がやって来た」という言葉を遺します。その後に会った組織のボスは「殺戮者は殺すことができない相手だ」とハリガンに告げました。
やがてハリガン自身も狙われはじめます。黒い影を追うハリガン。10年前に南米で起きた事件を知ったハリガンは、プレデターと対決することになります。「殺すことができない悪魔」とハリガンの対決はどのような結末を迎えるのでしょうか。
■『プレデター2』はダニー・グローヴァーが主演
ビル・パクストン-(C)Getty Images
前作とは打って変わって都会が舞台の『プレデター2』。続編の主役を演じるのは『リーサル・ウェポン』のロジャー・マータフ役などで活躍のダニー・グローヴァー。ロサンゼルス市警の熱血刑事を好演します。
先年、惜しまれつつ亡くなったビル・パクストンも刑事のジェリー・ランバート役で出演しています。ランバートはストーリー半ばでプレデターの餌食となってしまう役ですが、実はタイトルになっている未知のものに殺害される役をパクストンが演じるのは、これがはじめてではありません。
ビル・パクストンは『エイリアン2』、『ターミネーター』にも出演しており、『プレデター2』ではプレデターに、『エイリアン2』ではエイリアンに、『ターミネーター』ではターミネーターに殺害される役を演じています。大変稀有な俳優だったのですね。
■『プレデター2』に登場するのは最多殺戮プレデター!
AVP2 エイリアンズVS. プレデター 1枚目の写真・画像