『ペンギン・ハイウェイ』はどんな作品?
『ペンギン・ハイウェイ』(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会
「ペンギンハイウェイとは海から陸にあがったペンギンたちが決まって通る道――」
小学4年生の少年アオヤマ君は勉強熱心で、様々なことに興味を示します。毎日努力を怠らず勉強するので、大人になるころには偉くなりすぎていろんな女性から結婚を申し込まれるはず。でも、アオヤマ君はすでに結婚相手を決めています。それは通っている歯科医院の“お姉さん”。おっぱいについても興味津々なアオヤマ君を、ちょっと生意気なところも含めお姉さんは可愛がっていました。そんなある日、アオヤマ君は空き地にたたずむペンギンを見つけます。ペンギンを生み出すお姉さんの秘密。森の奥で発見された「海」。様々な謎に直面した時、アオヤマ君の導き出す“答え”は――。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」
それは少し不思議で、一生忘れない、あの夏の物語。
『ペンギン・ハイウェイ』の原作を手掛けるのは森見登美彦!
『ペンギン・ハイウェイ』(c) 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会
2007年 に「夜は短し歩けよ乙女」で第20回山本周五郎賞受賞やテレビアニメ化された「有頂天家族」など、数々の作品を生み出してきた森見登美彦(もりみ とみひこ)さん。本作の原作は2010年日本SF大賞を受賞しています。
「子どもの頃を舞台にした作品で、一番根っこにある世界を描いているので、小説家としても特別な作品です。映像化は大変光栄ですが、(小説は)かわいい子どもであるので、最初は若干の抵抗と心配もありました。でも、絵コンテなどを拝見し、これなら大丈夫。すてきな作品になるだろうと思っています」と語りました。
制作は現在、若いクリエイターを中心とし注目を浴びている「スタジオコロリド」が担当ています。『ペンギン・ハイウェイ』で長編初挑戦とのことですが、繊細で、温かみのある表現が、原作の独特な世界観とうまくマッチし、より魅力的なものへとスケールアップしているにがみどころ!
『宇多田ヒカル』書き下ろし曲を主題歌に!
『ペンギン・ハイウェイ』宇多田ヒカル
デビュー20周年という記念すべき年を迎えました宇多田ヒカルさんが、『ペンギン・ハイウェイ』の主題歌を担当されます! アニメ映画の主題歌は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に提供した「桜流し」以来、およそ6年ぶりとのことです。
石田監督は「この曲には空間があります。それも、実家の陽に照らされて埃舞う小さな部屋の片隅から、宇宙的な遠い彼方にまで至るとても広いレンジを持って。それは『ペンギン・ハイウェイ』が持つ日常とSF、親近感とロマンが同居する姿と重なって聴こえるんです」と感激の様子。
今回書き下ろした「Good Night」は予告映像が公開された当初から高い評価を得ていました。その美しいメロディと透明感のある雰囲気はこの映画と見事にマッチしており、宇多田さんの本気が伺えます。
『ペンギン・ハイウェイ』を支える豪華な声優陣
■“アオヤマ君”演じる北香那は声優初挑戦にして初主演!
北香那/『ペンギン・ハイウェイ』製作発表会見
主人公である小学4年生の“アオヤマ君”を演じるのは、声優初挑戦にして初主演を務める女優の北香那さん。最後までブレることなく役を演じ切る姿に、作品の視聴者だけでなくプロデューサーなど制作サイドからも評価されています。
制作発表会見では「声のお仕事は憧れであり、夢だったので、(合格を知り)感極まって、泣いてしまいました。脚本を読み、柔らかくてかわいらしい作品だと感じましたし、それだけじゃなくて、生きるとは何かを考えさせる物語だと思いました。キャラクターの表情や口の形で(声を)合わせるのは、本当に難しかったです。私にはアオヤマ君と同世代の妹がいるので、授業参加に行って、小学4年生の男子の動きみたいなものを参考にしました」と語りました。
■”お姉さん”を演じる蒼井優「新しいチャレンジをさせていただきました」
蒼井優/『ペンギン・ハイウェイ』製作発表会見
『 彼女がその名を知らない鳥たち』や『龍馬伝』など、数々の映画やドラマに出演している蒼井優さん。そんな彼女が今回演じるのは、主人公が通う歯科医院で働く謎多き”お姉さん”。アニメーションの声優は『花とアリス殺人事件』(岩井俊二監督)以来3年ぶりとなります。
会見では「かわいらしいペンギンも出てきますし、お子さんに見てもらいたいのはもちろん、お父さん、お母さん世代にも見てほしいですね。今回“お姉さん”を演じて、自分にはあまり“お姉さん”要素がないことに気づいて、(演じるのが)難しいなと…。その分、新しいチャレンジをさせていただきました。アフレコは残り半分残っていて、やっと(役を)つかめてきました」と、アフレコ時の苦労など語りました。
■アオヤマ君のお父さん役には西島秀俊
西島秀俊『ペンギン・ハイウェイ』(c) 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会
息子の研究を程よい距離感で見守り、いつも的確なアドバイスを与えるお父さん役を務めるのは、『風立ちぬ』以来5年ぶりに声優に挑戦する西島秀俊さん。落ち着いた演技でアオヤマ君にアドバイスするシーンなど、その存在感を放っています。
■同級生のお父さん役に竹中直人!
竹中直人『ペンギン・ハイウェイ』(c) 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会
映画の中盤から登場し、研究所の調査員として活躍した「ハマモトさんのお父さん」。熱中すると甘いものばかり食べてしまうというチャーミングな一面を持つ彼を演じるのは竹中直人さんです。ドラマや映画だけでなく、「ONE PIECE」や「ポケットモンスター」など様々なアニメ作品で声を演じております。
■釘宮理恵などアニメファンも必見の声優陣
『ペンギン・ハイウェイ』(c) 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会
アオヤマ君の友人で序盤から彼の研究を共にする「ウチダ君」を演じるのは、アイドルマスターや銀魂など様々なアニメに出演している釘宮理恵さん。アオヤマ君の妹とペンギンの2役を演じ分けた久野美咲さん。その他にも能登麻美子さんや潘めぐみさんなど、アニメファンなら誰でも耳にしたことのある声優陣のそろい踏みです。
『ペンギン・ハイウェイ』が初の長編アニメとなる石田祐康監督
石田祐康/『ペンギン・ハイウェイ』製作発表会見
第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞など数々の賞を受賞した自主制作作品「フミコの告白」や第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で審査委員会推薦作品に選ばれた『陽なたのアオシグレ』などを代表作にもつ弱冠29歳の新鋭・石田監督。『ペンギン・ハイウェイ』でファン待望の長編デビューを飾りました。
会見では「これまで小さなスタジオで、短編やCMなど小規模の作品を自分なりに作ってきましたが、今回、このような大きな舞台を用意していただき、大変うれしいです。と同時に、ちょっとおっかない気持ちも…。緊張してばかりもいられないので、吹っ切れて、やるだけやろうと思います。完成したら、早くご覧になる皆さんの反応を見てみたいです。(劇中の)アオヤマ君が楽しそうに探検しているので、作り手としても少年の気持ちになって、(気分が)乗っています」と語りました。
彼のブログでは『ペンギン・ハイウェイ』に関する話も掲載されており、その内容はファンは必見のものとなっております。
『ペンギン・ハイウェイ』の魅力とは!
『ペンギン・ハイウェイ』(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会