「アグリー・ベティ」とは?
「アグリー・ベティ」シーズン3 -© ABC Studios.
アメリカのABCネットワークで2006年9月から2010年4月まで放送されていた大ヒットドラマ。
もともとはコロンビア制作のドラマ「ベティ~愛と裏切りの秘書室」のリメイク作品なのですが、そちらは最高視聴率80%という歴史的ヒット作。世界19カ国でリメイクされたうちのひとつが「アグリー・ベティ」です。
元々のタイトルを考えると、人間関係のドロドロした内容なのかと思ってしまいがちですが、ややこしい恋模様が少しあるだけ。シリアスあり、サスペンスありのサクセスコメディドラマです。
第59回のエミー賞ではなんと11部門にノミネートされ、うち3部門を受賞するという華々しい記録をもっています。
全4シーズンなので、ほどよい長さで楽しめるのもいいですね。
スタッフが続編に前向きらしく、キャストの仲も良好で映画化でシリーズ復活の噂もあります。
「アグリー・ベティ」のあらすじ
「アグリー・ベティ」 -© Touchstone Television
雑誌編集者を夢見るベティ・スアレスは、頭が良くて真面目。一生懸命でやる気もあるのだが、冴えない見た目が邪魔をして、なかなか就職が決まらない。恋人にも別れを告げられ、どん底に陥るベティだったが、一度不採用になったミード出版社から連絡がくる。
会長の息子であるダニエルは、女性に手が早い女たらし。アシスタントと次々に関係をもつため、絶対に手を出さないであろうベティが採用となった。そうして彼女が飛び込んだのは、一流ファッション誌MODEの編集部。見た目ですべてが決まる世界で、ベティは悪戦苦闘しながら困難を乗り越えいく。
「アグリー・ベティ」の登場人物
「アグリー・ベティ」 -© Touchstone Television
「アグリー・ベティ」の主要キャラクターであるMODE編集部の面々と、ベティが大切にする家族を紹介したいと思います。ネタバレはないので、これから観る方はご安心ください。
■ベティ・スアレス
「アグリー・ベティ」 -© Touchstone Television
頭がよく優秀なうえに勤勉なのだが、ルックスとセンスはイマイチ。
外見至上主義の周囲から冷ややかな態度をとられても、めげずに物怖じしないところがある。
MODE編集部では浮いた存在だが、持ち前の根性で、あらゆるトラブルに立ち向かう。仕事をこなすうちに能力を認められ、味方が増えていく。
父と姉、甥の4人暮らし。メガネと矯正器具はチャームポイント。いつでも自分らしさを貫く、頑固な一面も。
■ダニエル・ミード
「アグリー・ベティ」 -© Touchstone Television
MODEの新編集長。急死した前編集長の後釜におさまったが、ファッション業界での経験は浅い。女癖が悪く、アシスタントには必ず手を出すと評判。
はじめはベティを容姿から過小評価し、周囲に流されるままやめさせようとまでしていた。しかし、彼女の実直な人柄や有能さに触れて、考えを改める。事故で亡くなった兄、アレックスにコンプレックスを持っており、父親とは微妙な距離を保っている。
根は素直な性格で、善人。ベティの家族を大切にする気持ちに理解があり、ピンチのときに手を差しのべるところも。
■ブラッドフォード・ミード
「アグリー・ベティ」-© ABC Studios.
ミード出版社会長。息子の火遊びをやめさせるため、ベティをアシスタントに採用した。長らくにわたる不倫で妻・クレアを苦しめ、アルコール依存症へ追い込む。
本当はダニエルの兄、アレックスを次期編集長に据えたかったらしい。
■ウィルミナ・スレイター
「アグリー・ベティ」 -© Touchstone Television
MODE誌のクリエイティヴ・ディレクター。元モデルという経歴をもつ。20年MODE誌に尽くしてきたベテラン。NYファッション界を牛耳るひとり。前編集長とは懇意にしていたこともあり、次期編集長のポストを約束されていたはずだった。実力がないダニエルにその座を奪われ、目の敵にしている。目的の為なら手段を選ばない野心家。その野望は、妥当ダニエルから会社乗っ取りにまで発展していく。ティーンエイジャーの娘がひとりいるが、折り合いが悪くうまくいっていない。
ベティとダニエルとは敵対する立場なのですが、仕事ができてカリスマ性もあるためついつい肩入れしてしまう、そんな魅力あるキャラクターです。
いつも最高の服に身を包む、そのファッションにも注目。
■マーク・セントジェームス
「アグリー・ベティ」 -© Touchstone Television
オネエ口調で喋る同性愛者。ウィルミナのアシスタントだが、上司にも臆さず皮肉やブラックユーモアを応酬する関係。ウィルミナが会社の乗っ取りを考えていることはつゆ知らず、ダニエルやベティを敵視している。スパイのような行動もしているが、成功した試しがないのでどこか憎めない。アマンダと仲が良く、ふたり一緒に行動することも多い。
当初ウィルミナの部下はコロコロ替わるという設定で、マークも一度かぎりのゲストキャラクターになる予定でした。しかしウィルミナ、アマンダとの息ぴったりのかけあいや、印象に残るキャラクター性が話題となり、レギュラーに昇格。以降は最終シーズンまで登場する人気ぶりです。
■アマンダ・タネン
「アグリー・ベティ」シーズン3 -© ABC Studios.
ミード社の美人受付嬢。頭の中はファッションと男性のことでいっぱいだが、男運が悪い。
ダニエルと肉体関係があり、いわゆる遊びの仲なのだが、あくまでも割り切った関係で歯牙にもかけられておらず、本当の想いを告げられずにいる。そのこともあって、冴えない容姿でありながらダニエルに信頼されているベティを気に入らず、マークといっしょに足を引っ張るようなこともしばしば。ダニエルのアシスタントの座を狙っている。
最初は嫌なキャラクターだと思うかもしれませんが、とても人間らしさがあらわれている良いキャラクターで、小悪魔的な魅力があります。
彼女の人気ぶりから「アフター アワーズ」というスピンオフドラマも作られました。
■イグナシオ・スアレス
撮影:長瀬学斗
※写真はイメージです。
ベティの父。もともとはメキシコの料理人だったが、ベティの母と出会い駆け落ちしてニューヨークへきた。心臓病をかかえており、薬代も家計への負担になっていることを気にしている。
どっしり構える大黒柱とはいえないが、家族の幸せをなによりも願っており、どんな時でも娘や孫をあたたかく見守る。メロドラマを観ることと、コーヒーが大好き。