北野武監督とは?
■北野武監督の経歴①お笑い芸人としての成功と映画監督デビュー
(C)2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会
北野武監督は、1972年にお笑いコンビツービートを結成し、1980年代のお笑いブームに乗ってお茶の間の人気者になります。その後数々のバラエティ番組に出演し、1989年に『その男、凶暴につき』で映画監督としてデビューします。
■北野武監督の経歴②『HANA-BI』で世界的な名声を得る
そして、北野武監督は1997年には『HANA-BI』で第54回ヴェネツィア国際映画祭のグランプリを獲得し、世界的な映画監督としてその名を知られることとなります。フランスやイタリアなどヨーロッパの国でその人気は非常に高く、現在に至るまで数多くの名作を世に送り出しています。
北野武監督の作風は?
■北野武監督の作風①バイオレンス
北野武(C)Getty Images
北野武監督の作風はバイオレンスです。デビュー作の『その男、凶暴につき』や代表作『HANA-BI』でも、警察官とヤクザの争いを描いており、緊張感のある映像とスリリングなストーリーが見どころとなっています。これまで多くの作品を制作していますが、その多くでヤクザ組織を描いており、そのリアルな描写は多くの人から称賛を受けています。初期の作品はVシネマなどからの影響も伺えます。
『アウトレイジ 最終章』(C)2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会
2010年から発表された『アウトレイジ』の3部作は、近年の北野武監督を代表するバイオレンス三部作となっています。関東と関西の巨大暴力団組織の抗争を壮大なスケールで描いた大作となっており、近年の北野映画の中でも人気と評価の両面で高い支持を受けている作品です。
■北野武監督の作風②感動モノ
北野武監督の作品には、バイオレンスだけでなく感動モノやコメディ作品もあります。1999年に発表された『菊次郎の夏』では、幼い少年と中年のおじさんによる感動のロードムービーを描き、カンヌ国際映画祭で称賛されました。2008年公開の『アキレスと亀』では、芸術家志望の男の一生を描く感動巨編を制作。
■北野武監督の作風③コメディ
2007年発表の『監督・ばんざい!』では、北野武監督自らの映画監督としての苦悩をコメディタッチで描いています。日本の映画作品のパロディや皮肉なども行っており、コメディ色の強い特異な作品に仕上がっています。
また、2015年発表の『龍三と七人の子分たち』では、ヤクザを引退した老人たちが、オレオレ詐欺などをする若いヤクザと戦うというコメディタッチの作品となりました。北野武監督は他の作品でも随所にコメディタッチのシーンがあり、お笑い出身という自身の背景を活かした作品作りが特徴になっています。
北野武監督のおすすめ作品①『アウトレイジビヨンド』
■巨大ヤクザ組織の抗争を描いた北野武監督の大作!
北野武監督のおすすめ作品その①は『アウトレイジビヨンド』。2012年10月6日公開、『アウトレイジ』の続編となる作品です。主演のビートたけしを初め、前作でも出演した三浦友和、加瀬亮、小日向文世といったキャストに加え、西田敏行、松重豊、高橋克典、桐谷健太など豪華俳優陣の起用が話題となりました。
前作では弱小暴力団が親組織に良いように扱われて、最後は抗争に巻き込まれて組が壊滅してしまうというストーリーでした。弱小暴力団の組長役のビートたけしは、前作のラストで刺されてしまい「死んだ」ということになっていたのが、今作では「実は生きていた」という展開に。恨みを晴らすべく、巨大暴力団組織にリベンジするという内容になっています。北野武監督作品の中でも初めての続編ということも話題になりました。
■『アウトレイジビヨンド』(北野武)のストーリー
舞台は関東最大の暴力団組織“山王会”の壮絶な下克上を描いた前作から5年後。今度はヤクザ壊滅を図る警察が動き出し、前作で獄中死したはずのヤクザ・大友(ビートたけし)を東西抗争の“導火線”として差し向ける……といった内容になっています。東西の巨大暴力団組織の抗争に警察が介入し、三つ巴の巨大抗争を描いた、北野武監督作品の中でもスケールが非常に大きい作品です。