オードリー・ヘプバーン主演の不屈の名作『ティファニーで朝食を』
オードリー・ヘップバーン -(C) Getty Images
今も昔も女性の憧れであり続けるオードリー・ヘプバーン。主に50〜60年代に活躍した伝説の女優です。1993年に63歳でがんで亡くなっていますが、直前まで国際連合児童基金(ユニセフ)での援助活動を続けていました。女優としてだけでなく、その他の活動でも彼女の言葉や行動が人々に大きな影響を与え続けています。
(C) Mark Shaw
幼い頃からバレリーナを目指していたオードリーでしたが、「身長が高すぎる」という理由でバレリーナの夢を諦めています。それから女優を目指し始めた彼女ですが、当時の主流はマリリン・モンローに代表されるようなセクシーでグラマラスな女優。オードリーのような華奢な女優はあまりいませんでした。しかし、彼女のチャーミングで凛とした表情や、バレエで培った美しい佇まいは、映画監督のビリー・ワイルダーに「この女性が大きな胸を過去の遺物としてしまうだろう」と言わせたほどなんだとか。
『ティファニーで朝食を』あらすじ
1961年『ティファニーで朝食を』では、天真爛漫で自由を愛する女性ホリーを演じたオードリー・ヘプバーン。同じアパートに住むことになった駆け出しの作家ポール(ジョージ・ペパード)が彼女に出会い、不思議な魅力に惹かれていく恋愛映画です。
ホリーが早朝にティファニーのお店の前でパンをかじるシーンが有名ですね!『ティファニーで朝食を』というタイトルではありますが、実際には宝石店であるティファニーで食事をすることはできません。「ティファニーで食事するくらい優雅な気分に浸りたい」という意味が込められています。この映画の影響を受けてティファニーは2017年にダイニングスペースを始めました。
『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』(C)2016 DOCFILM4TIFFCO LLC a subsidiary of QUIXOTIC ENDEAVORS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
駆け出しの作家ポールが越してきた同じアパートに住むホリー。着飾って華やかな生活を送っているホリーは掴みどころがない不思議な女性で、彼女はポールを長年会っていない弟と重ねて次第に仲良くなっていきます。ポールはパトロンだった女性との縁を切り、ホリーのために作家として真面目に働き始めますが、ホリーの元夫が現れたり、他のお金持ちの男性と結婚しようとしたり紆余曲折…。自由奔放なホリーも最後は真実の愛に気づき、2人は結ばれてハッピーエンドを迎えます。
『ティファニーで朝食を』プチトリビア!名曲「Moon River」はオードリーのために作られた!?
『ティファニーで朝食を』作中でオードリー演じるホリーが歌う名曲「Moon River」。思わずうっとりとしてしまうシーンですが、実はこの曲には秘密が…。なんと、オードリーは音痴であると知られていて、そんなオードリーでも歌えるように限られた音域で曲を作ったんだとか!また、ホリーが歌うシーンがカットされそうになった際、オードリーが大反対して結局今の形のまま完成したそうです。ロマンチックなメロディと歌詞、そして夢を見るようなオードリーの表情が美しいシーンですが、こんな裏話があったとは…。
■当初はオードリーではなくマリリン・モンローをキャスティングする予定だった!?
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脚本が描かれた段階では、ホリー役として想定されていたのはオードリーではなく、同時代を生きた大女優の1人であるあのマリリン・モンローでした!ホリーはマリリンの当て書きだったため、主演がオードリーに決定してから脚本など様々な点で修正が入った部分があるそうです。今では『ティファニーで朝食を』といえばオードリーですし、イメージ的に正反対のように思える彼女たち。しかし本作を見たことがある方ならば、マリリンが想定されていたと聞くと納得する部分があるのではないでしょうか?
マリリン・モンロー-(C)Getty Images
オードリー・ヘップバーン -(C) Getty Images
理由は、その"イメージ"にこそありました。ホリーという役は夢見がちで自由気まま、いつも着飾って華やかな暮らしをして…時に騙されて。彼女は娼婦としてお金を得ていて、チャーミングだけど少し頭の弱い可愛い女性という立ち位置です。当時セックスシンボルとして持て囃されていたマリリンですが、どれだけ素晴らしい演技をしても「頭が弱くて演技はできないセクシーな金髪の女性」というイメージを押し付けられることに悩んでいました。娼婦役を演じることでさらにそのイメージが強まってしまうのを嫌い、役を断ったと言います。オードリーに変更されたことで違った魅力が生まれたホリーですが、マリリンのホリーもきっと素晴らしかったであろうことは想像に易いですよね。事情はあれど、「見てみたかった!」というファンも多いのではないでしょうか?
オードリー・ヘプバーンの出演作『ローマの休日』
『ローマの休日』-(C) 1953 Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.
オードリーが出演している作品の中でも最も人気が高いのが『ローマの休日』!無垢で凛とした可愛さのアン王女は彼女以外に考えられませんね!共演したグレゴリー・ペックとは美男美女で、ローマの街も美しくうっとりしてしまう映画です。作中で長かった髪を短くするシーンがありますが、どちらも最高に可愛い!
オードリー・ヘプバーンの出演作『麗しのサブリナ』
『ローマの休日』に続くヒット作である『麗しのサブリナ』。初恋を諦めさせられそうになり命を絶とうとしていたサブリナをライナス(ハンフリー・ボガート)が助けます。それから2年後、美しく成長したサブリナに、かつての初恋の相手であるデイヴィッドも夢中に。ライナスもサブリナに惹かれて行きます。しかし彼女はデイヴィッドを愛しているのだと思い込み、彼女を遠ざけようとするのですが…。
実は「サブリナパンツ」とは、この作品でオードリー演じるサブリナが着用したことで人気が出て付いた名前!
オードリー・ヘプバーンの出演作『パリの恋人』
オードリー初のミュージカル映画である『パリの恋人』。共感主義にかぶれたオードリー演じるジョーは、ある時ファッションモデルの仕事を依頼されます。モデルの仕事には乗り気ではないものの、撮影地であるパリに行って尊敬するフロストル先生に会いたいジョーは、仕事を引き受けます。パリを舞台に、華やかな恋の様子が描かれるミュージカルで、監督はあの『雨に唄えば』などのスタンリー・ドーネン!