「ボディガードー守るべきものー」英国放送BBC、10年ぶりのヒット作の裏側
『フレンチ・ラン』 -(C) StudiocanalS.A. TF1 Films Production S.A.S. All Rights Reserved
新シリーズのSFドラマシリーズ「ドクター・フー」以来のヒットになった、「ボディガードー守るべきものー」。夏休み中の第一話の放送と共に、イギリス中で話題になりました。BBCオン・デマンドのネット配信でも驚くほどの再生回数を記録。世界配信以前に、様々なメディアで取り上げられ、人気に拍車をかけました。
「ボディガードー守るべきものー」制作者は、元医者のジェド・マーキュリオ
リチャード・マッデン - (C) Getty Images
ジェド・マーキュリオ氏は、イタリア人移民系のイギリス人。医学生の時に、英国空軍に入り、パイロットとしてトレーニングを受けながら、医学の勉強をし、航空学専門医を目指していました。しかし、病院医になります。医学誌に載っていたテレビドラマの医学ライター広告に、自ら応募。合格と同時に、本業を病院医から、脚本家へと変更しています。
その後、小説を執筆したり、独自のテレビドラマのシリーズを制作。同じく、英国放送でNetflixでも配信中「ライン・オブ・デューティ」という、警察の内部汚職を描いたシリーズで数々の賞を受賞しています。
「ボディガードー守るべきものー」第1話 あらすじ
リチャード・マッデン主演『はみ出し者』
アフガ二スタン参戦の元軍人で、現在ロンドン警察の巡査のデヴィッドは、別居中の妻との子供2人
を連れて、たまたま乗り合わせた列車内でのイスラム系の自爆テロを未然に防ぐ。この功績を認められた結果の昇進で、反テロ法案を進める強硬派の内務大臣、ジュリアの警護担当に任命される。中東の戦争に賛成のジュリアと、中東戦争でのPTSDに苦しんでいるデヴィッドは、正反対。ジュリアは、同じ政治家である元旦那との間にも問題があり、政権をひっくり返そうと企んでいるという疑いを掛けられる。デヴィッドは、元軍人の旧友アンディーに会い、国民の権利を迫害してまで、戦争を支援するジュリエットの護衛の仕事に反感を示される。
「ボディガードー守るべきものー」第2話 あらすじ
『フレンチ・ラン』 -(C) StudiocanalS.A. TF1 Films Production S.A.S. All Rights Reserved
ジュリアは、軍情報部第5課(MI5)から、列車テロの失敗の報復としてデヴィットの子供たちが通う学校に迫るテロの危険性を知る。警察の信用性を疑う軍情報部第5課は、他言するなと彼女に警告。ジュリアは、列車テロの捜査までも、5課に移してしまう。
学校を狙ったテロは、失敗に終わるも、警察官が犠牲に。デヴィットの家族は保護され、ジュリアは、障害のあるデヴィットの息子のために、手回しをして特別学校の入学を補助する。ジュリアの警護を一次外れるが、彼女の要望で、復職。
緊急会議の後、ジュリアは、銃撃される。犯人を追い詰めた、デヴィットは、旧友のアンディーであることに、唖然。”彼女を止めなくては。”っと言い残し、アンディーは自殺。
衝撃と混乱の中、男女の関係になるデヴィットとジュリア。
翌日、デヴィットは上司から、ジュリアが子供の学校のテロの事を前もって知っていたと伝えられる。軍情報部第5課、内部大臣、警察の確執の中、彼は、ジュリエットのスパイするよう命じられる。
「ボディガードー守るべきものー」第3話 あらすじ
『フレンチ・ラン』 -(C) StudiocanalS.A. TF1 Films Production S.A.S. All Rights Reserved
ジュリエットは、ロングクロス(実は、5課の捜査員)という男から機密情報の入ったタブレットを受け取る。その情報で首相を脅し、自分が後継者に任命されるよう要求する。
警察の対テロリズム組織のレイバーンとシャルマ捜査官は、デヴィットのジュリア狙撃事件の証言に納得がいかない。彼は、自殺した犯人のアンディーを知っていた事を隠しているからだ。
ジュリアの国民の権利を迫害する法案が、議会を通過する。
ジュリアの元旦那と、テロリズム担当の大臣補佐トラビスは、ジュリアを止めようと話し合う。
ジュリアは大学で講演する前、PTSDで彼女を襲ったデヴィットに、学校のテロ事件を未然に知っていた事を隠していた事を告白し、男女の関係を続けようと言う。講義中、ジュリアの広報担当マハムードが歩み寄った時、爆発が起きる。
「ボディガードー守るべきものー」第4話 あらすじ
『フレンチ・ラン』 -(C) StudiocanalS.A. TF1 Films Production S.A.S. All Rights Reserved
爆弾事件の後ジュリアは、重体で集中治療室に入院。彼女の役割は、トラビスに託される。彼は、列車テロの捜査権をMI5から警察に戻す。デヴィットは、犯人と疑われているマフムードと会話していた事から、共犯の疑いが掛けられる。デヴィットの家の家宅捜索。ジュリアの死の衝撃も加わり、隠していた拳銃で、頭を撃ち抜くデヴィット。
マフムードは、爆弾が入ったカバンをトラビスの部下マクドナルドから受け取っていた。トラビスは彼に、辻褄を合わせるように支持する。
拳銃の弾が、空砲にすり替えられていて自殺に失敗したデヴィットは、ジュリアのホテルで、機密情報を持って来たロングクロスの映像が、ホテルのセキュリティテープから消えている事に気がつく。
デヴィットは、レイバーンと自爆犯のナディアに会ってマハムードの写真を見せるが、彼女は、知らないと言う。
「ボディガードー守るべきものー」第5話 あらすじ
『フレンチ・ラン』 -(C) StudiocanalS.A. TF1 Films Production S.A.S. All Rights Reserved
爆弾は、ジュリアのステージに仕掛けられていたことがわかるが、周辺の監視カメラの記録が削除されている。デヴィットが作ったロングクロスのモンタージュ写真を見て、ナディアは自分に自爆を強要した夫が会っていた男だと証言する。警察は、狙撃犯のアンディーの爆弾処理の経験を知る。デヴィットは、ジュリアが得た首相のスキャンダルを知る。彼は、トラビス、ジュリアの元旦那、首相に対する疑いを警察の上司2人に伝える。5課の長官のハンターは、トラビスに、ロングクロスとの関係を否定。カバンを渡したマクドナルドは、元旦那とトラビスと組んで、ジュリアに恥をかかせるために大学の演説に虚偽の内容を入れたとに告白、しかし、爆弾との関係は否定。
ジュリアに解雇され、悪態ついていた広報担当のダイソンの知人が、犯罪組織の指導者のエイキンズであることがわかる。デヴィットの上司は、ジュリアとの男女の関係と自殺未遂を知って、彼を無期限休職を言い渡す。デヴィットは、はジュリアの家で、ロングクロスが渡したタブレットを見つける。
「ボディガードー守るべきものー」第6話 あらすじ
『フレンチ・ラン』 -(C) StudiocanalS.A. TF1 Films Production S.A.S. All Rights Reserved
デヴィットと狙撃犯のアンディーの友人関係から、警察は、デヴィットを指名手配。エイキンズは、デヴィットにナディアと同じ爆弾ベストを着せる。爆弾を付けた彼は、逃亡し、自ら通報。警察隊に囲まれ、無実を実証するため、自分の家にあるジュリアのタブレットの偽の隠し場所を教える。5課のロングクロスはタブレットを取りに向かい、デヴィットの仕掛けた罠にかかって逮捕。無実を信じられないデヴィットの上司のサンプソンは、射殺の命令を出す。彼を守るため、彼に駆け寄る妻のヴィッキー。彼は自分の家に警官隊を連れて行き、タブレットを警察に渡す。爆弾処理班の助けで、ベストを外したデヴィットは、自分を信じてくれない警察の目を暗し、自分で真実を暴くため逃亡する。彼の空砲弾の指紋と、爆弾の指紋が一致して、デヴィットの無実が証明される。彼は、ダイソンにジュリアを殺したエイキンズと、警察内の協力者と会わせるよう仕掛ける様に脅す。共犯者は、デヴィットの上司の1人である、クラドック。
デヴィットは、なぜ彼らが、自分の子供の情報を知っていたのかが、気になっていた。そして、列車の中で、ナディアに子供の話をしたのを思い出す。自分が全ての爆弾を製造し、マスターマインドだった事を告白するナディア。
サンプソンが流したタブレットの情報で、首相と5課長官ハンターは、供に辞任を迫られる。
デヴィットは、避けていた心理療法を受け、涙を流す。
エンディングは、デヴィットが家族を取り戻していく所で終わる。
「ボディガードー守るべきものー」見どころ
リチャード・マッデン
ジェッド・マーキュリオファンにとっては、「ライン・オブ・デューティー」以来の待望の新作となった海外ドラマ「ボディガードー守るべきものー」。期待を裏切らないヒット作となりました。ジュリアのインタビューに、英国放送の本物の政治担当のジャーナリストが登場したり、テロや、元兵士の問題を取り上げる事で、イギリス国民の間での現実問題に近ずけた構成で、国内で高視聴率を獲得しました。もちろん、演劇国イギリスが育てた演者の技量も素晴らしいですが、誰でもが犯人であり得る構成もイッキ見を誘います。アメリカのシリーズの様な、スピード感はありませんが、スリルある展開に引きつけられます。
「ボディガードー守るべきものー」キャラクター:デヴィッド・バッド
リチャード・マッデン - (C) Getty Images
「ボディガード -守るべきもの-」のメインキャラクターのデイビッド・バッド。兵役があり、アフガニスタンでの経験から心的外傷後ストレス障害に悩み、妻と別居中の巡査。面倒見のよい父親でもある。正義感が強い。自爆者を自分の身を投じても射殺から救ったり、人間思いのジェントルマン。傷ついた自分を受け入れてくれた、ジュリアと再出発をしようとした矢先に、彼女を失い、またボロボロに傷ついて、自殺を強行。死に損ねたが、気を取り直して、真実を追求するため奮闘。彼の葛藤を理解し始めた、妻と再出発をする。