『名探偵コナン』阿笠博士の発明品は実用性高し!
© 2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
『名探偵コナン』は「身体は子供、頭脳は大人」の名探偵が難事件を解決する物語。でも子供は大人が入れる場所に入れなかったり、体力で叶わなかったりすることもあります。そこで子供の身体や立場では不足してしまう部分を補うために、阿笠博士は自らの発明品をコナンに与えます。
声を変えたり、発信機をつけた相手を追跡したり、『名探偵コナン』を詳しく知らない人でも「コナンの便利グッズ」と聞けば思い浮かぶものも少なくないでしょう。その一方、ファンでもないと存在すら知らない道具もあるでしょう。そのような道具たちを、有名品も知る人ぞ知る品もまとめて、次の項から紹介していきます。
『名探偵コナン』阿笠博士の発明品①腕時計型麻酔銃
© 2007 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・小学館プロダクション・東宝・TMS
これがなくては『名探偵コナン』のストーリーが進まない!という道具が腕時計型麻酔銃。コナンは小学1年生。鋭い推理をしても大人に聞いて貰えないか、あるいは子供なのにどうしてそんな推理ができるのかと怪しまれるか、そんなことが起きてしまいます。そのため、推理を披露して事件を解決に導くには、誰かを影武者に仕立てなくてはなりません。
腕時計型麻酔銃はそんなときに使用します。ボタンひとつで照準が起き上がり、照準を覗きながらターゲットとなる人を狙います。狙いがついたらリューズをポチッと。極細の麻酔針が発射されます。これがプスッと刺されば大の大人もたちまち眠ってしまいます。
眠った人を腰掛けさせて、適当なポーズをつけたら、身を隠します。あとは別の道具を使って、眠った人の声で謎解きすれば事件解決です。コナンの推理と機転と演技力が試される場面です。
© 2013青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
私立探偵・毛利小五郎は影武者にされる機会が多く、事件は小五郎自身が推理し、解決したことになっているので、小五郎はもはや名探偵です。推理を話す姿がいつも眠っている風に見える(ほんとうに眠っているのですが)というので「眠りの小五郎」という通り名までついているほど。
蘭の同級生・鈴木園子も影武者になることが多く、「推理女王(クイーン)」の名を戴くこともあります。そのほか、コナンに近しい人は影武者にされやすいのですが、蘭は麻酔銃で撃たれたことがありません。蘭が謎解きに参加しなければならない場面では、コナンは大抵、新一として蘭と携帯電話で会話していて、直接推理を伝えることができるので眠らせる必要がないのです。
『名探偵コナン』阿笠博士の発明品②蝶ネクタイ型変声機
© 2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
これも『名探偵コナン』のストーリーに不可欠な道具。蝶ネクタイのかたちをしていて、実際に蝶ネクタイとして使用できますが、その裏側にはメカが搭載されています。マイクとスピーカー、声質を変えるダイヤルなどがついていて、この機械を通して話せばどんな人の声を真似ることもできるのです。
腕時計型麻酔銃で眠らせて誰かを影武者に仕立てても、その人の声でしゃべらなければバレてしまいます。そんなときに蝶ネクタイ型変声機は活躍するのです。また、遠くにいることになっている新一として蘭と携帯電話で会話するときにも使用されます。
© 2013青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
変声機はコナンが使用している蝶ネクタイ型のものだけではありません。『名探偵コナン』作中では灰原哀がコナンの変装をしたときに風邪をひいたふりをしてつけていたマスク型変声機や、別人として行方を眩ませていた赤井秀一が別人になりすますためにつけていたチョーカー型変声機などもあります。チョーカー型変声機を隠すために、別人の姿のときの赤井は、いつもタートルネックの服を着たりマフラーをつけたりしていました。
『名探偵コナン』阿笠博士の発明品③犯人追跡メガネ
© 2007 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・小学館プロダクション・東宝・TMS
江戸川コナンのトレードマークと言えばメガネですが、これも阿笠博士の発明品。このメガネはボタン型発信機や探偵団バッジが発する信号を受信して、追跡することができます。
メガネはもともと、コナンの素顔が新一の幼少時と同じであるために「コナン=新一」と悟られるのを防ぐための変装でした。メガネひとつで変装も何も、と思うかもしれませんが、『スーパーマン』のクラーク・ケントもメガネひとつで正体を隠し通しています。メガネは万能のようです。
© 2011 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
変装用なのでレンズに度は入っていません。しかし左のレンズは発信機の現在地が映るディスプレイになっています。暗視モードもあり、夜間でも視界を確保できます。テンプル(つる)にも仕掛けがあり、右テンプルは盗聴器、左テンプルには集音器の機能があります。折ったテンプルだけを部屋に残して盗聴するというエピソードも原作にはあります。
この高機能なメガネはひとつだけではなく、スペアの犯人追跡メガネもあります。スペアは灰原が持っていて、コナンのピンチにはスペアでコナンの居場所を突き止めて現れることがあります。
『名探偵コナン』阿笠博士の発明品④探偵団バッジ
© 2013青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
「DB」という文字とシャーロック・ホームズのシルエットを意匠化したかたちの小さなバッジです。「DB」とは「Detective Boys」=少年探偵団のこと。元太、光彦、歩美の3人とコナン、灰原ら少年探偵団のメンバーが一人ひとつずつ所持しています。
帽子にもつけられる程度の小さなバッジですが、なんとトランシーバーの機能を持っていて、所持者同士で通信することができます。また、発信機もついていて、犯人追跡メガネで所持者の居場所を知ることも可能。とても小さな機械なのに高機能です。
『名探偵コナン』阿笠博士の発明品⑤腕時計型ライト
© 2009 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
腕時計型ライトも少年探偵団の面々が一人ひとつずつ所持しています(コナンの腕時計は麻酔銃の機能の上にライトがついています)。地下室や洞窟の中など、暗い場所に閉じ込められることも割りと頻繁にある少年探偵団ですが、そんなときでも腕時計型ライトでことなきを得ています。ときには怖ろしいものを見つけてしまうことも……?!
『名探偵コナン』阿笠博士の発明品⑥ターボエンジン付スケートボード
© 2011 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
長距離を急いで移動しなければならないときに大活躍のターボエンジン付スケートボード。映画『名探偵コナン』に必ずと言っていいほど登場し、大活躍する道具です。
太陽電池を搭載していて、陽が落ちてしまうと使用できませんでしたが、映画第3作『世紀末の魔術師』でソーラーバッテリーが組み込まれて、これ以降は日没後も30分間は走行可能に。
ビルからビルへと飛び移ったり、ジェットコースターのレール上を走ったり、バイクとカーチェイスを繰り広げたり、映画作品ではアクションシーンを展開する重要なアイテムのひとつです。ときには車輪を収納してサーフボードになったり、スノーボード版が登場したこともありました。
『名探偵コナン』阿笠博士の発明品⑦キック力増強シューズ
『劇場版 名探偵コナン 11人目のストライカー』 © 2012 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
攻撃してくる者を撃退したり、逃走しようとする犯人を確保したり、小さな身体ではできないことを大人顔負けにできるようにしてくれたアイテムがキック力増強シューズ。
コナンがいつもはいている赤いスニーカーが、実はキック力増強シューズです。見た目には普通のスニーカーと変わりはないのですが、くるぶしの辺りについているスイッチを入れると電気と磁力で足のツボを刺激して、キック力を向上させるというスグレモノです。
缶などの硬いものを蹴って悪人にぶつけるという使い方が最も多いようですが、手近なものを蹴って構造物にぶつけて倒す、地面を蹴って高く跳躍するなどの使い方をしたこともあります。基本的には何かを「蹴り飛ばす」用途で使用され、蹴ることでその物体自体を破壊するという使い方はされないようです。