『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』ニコラス・ケイジvsカルト集団の血まみれバトル!
ニコラス・ケイジ (C) Getty Images
鬼才パノス・コスマトス監督が、『ゴーストライダー』、『キック・アス』のニコラス・ケイジを主演に迎え製作した異色のバイオレンス・アクション映画『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』をご存知でしょうか。
愛する妻マンディ(アンドレア・ライズボロー)をカルト集団に殺された男レッド(ニコラス・ケイジ)の復讐を描く物語…なのですが、とにかく映像と音楽がすごい!
血で染め上げたような赤いライトを使った画面、ヘビーメタル、血に濡れながらカッと目を見開いたニコラス・ケイジ……。ゴア描写は激しめながら芸術的で美しいシーンも多く、劇中ドラッグをキメた登場人物が見ている光景そのもののようです。
イライジャ・ウッド -(C) Getty Images
『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』は、パノス・コスマトス監督とアーロン・スチュワート=アンが共同で脚本を執筆。
プロデューサー陣には、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズや『ラスト・ウィッチ・ハンター』、Netflixドラマ「私立探偵ダーク・ジェントリー」で知られるイライジャ・ウッドも名を連ねています。
今回はカルトな魅力を放つ『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』の知られざるトリビアや、製作者が映画に仕込んだ小ネタをご紹介します。
『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』トリビア&小ネタ&撮影秘話17選
■ニコラス・ケイジは当初悪役を打診されていた
ニコラス・ケイジ-(C)Getty Images
ニコラス・ケイジ演じる主人公レッドは、愛する妻マンディ(アンドレア・ライズブロー)を殺したカルト集団とそのリーダー、ジェレマイア(ライナス・ローチ)に戦いを挑みます。
ニコラス・ケイジは当初このジェレマイア役としてパノス・コスマトス監督からアプローチを受けたそう。
『オレの獲物はビンラディン』-(C) 2016 AOO Distribution, LLC. All rights Reserved
ですがニコラス・ケイジは、レッドを演じたいと監督に申し出ました。
その理由は、ニコラス・ケイジが『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』を、若い世代と中年世代の戦いの物語だと捉えたため。
当時パノス・コスマトス監督はレッド役にニコラスは適任でないのではないかと考え、出演交渉はそこでストップしたそうです。
■ニコラス・ケイジ主演はイライジャ・ウッドの橋渡しで実現していた!
『ホビット 思いがけない冒険』プレミア
パノス・コスマトス監督とニコラス・ケイジの交渉決裂から、約一年後。
俳優/クリエイターのイライジャ・ウッドを通じて、両者は再び『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』に関する面談に入りました。話し合いでは愛そのもの、そして愛の喪失といった映画のテーマを深く掘り下げたそうです。
そしてようやくコスマトス監督はニコラス・ケイジがレッド役にふさわしいと判断。ニコラス・ケイジの名が、主演として堂々とクレジットされる運びとなったのです。
■チェダー・ゴブリンのCMを作ったのは誰?
『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』劇中でマンディを失い、自身も拘束されたレッドはなんとかカルト集団のアジトを抜け出します。
家に帰ると、テレビに映っていたのは「チェダー・ゴブリン」のCM。ゴブリンが口からとんでもない量のチェダーチーズを吐くのです。
この劇中コマーシャル映像を製作したのは、アメリカで短編映画を多く製作するクリス・キャスパー・ケリー。バカバカしくもどこか毒のある映像を創り上げました。
■チェダー・ゴブリンのフォロワー数は映画公式Twitterのフォロワー数より多い!
そのチェダー・ゴブリンは、Twitterにアカウントを開設。
『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』公式アカウントのフォロワー数が約2000人であるのに対し、チェダーゴブリンのフォロワー数は約5800人と、なんと本家を抜く(?)人気を誇っています(2018年11月22日記事執筆時点)。
■レッド自作の武器は有名ヘビメタバンドにインスパイアされたもの!
『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』で、復讐を決意したレッドは、お手製の武器でカルト集団のメンバーを次々と血祭りにあげていきます。
ポスターにも描かれたこの武器は、スイスの有名ヘビーメタル・バンド「セルティック・フロスト」のロゴにインスパイアされたもの。
今作でヘビーメタル・ミュージックは物語の随所に用いられており、アクションや会話シーンを盛り上げています。
■カンヌ国際映画祭では拍手喝采!批評家から絶大な支持
第71回カンヌ国際映画祭(C)Getty Images
サンダンス映画祭やファンタジア国際映画祭、ヘルシンキ国際映画祭など数々の映画祭に出品され、映画評論家やメディアに絶賛された『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』。
世界最大の映画レビューサイトRotten Tomatoesでは、なんと批評家スコア98%(2018年9月14日北米公開日時点)というとんでもないスコアを記録しています。
またカンヌ国際映画祭で『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』が上映された際には、約5分のスタンディング・オベーションを受けたそうです。
■ヨハン・ヨハンソンの最後のスコア
エミリー・ブラント主演『ボーダーライン』ポスター (C)Photo Credit: Richard Foreman Jr. SMPSP
『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』で音楽を担当したのは、『メッセージ』、『ボーダーライン』などで知られ、『博士と彼女のセオリー』ではゴールデン・グローブ賞作曲賞を受賞したヨハン・ヨハンソン。
今作では重低音や電子音、ヘビーメタルを用いて独特の世界観をさらに盛り上げました。
ヨハン・ヨハンソンは2018年2月に自宅で死去。『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』が最後のスコアとなっています。