現代ホラーの最高傑作と言わしめた『ヘレディタリー/継承』とは?
『ヘレディタリー/継承』メイン (c)2018 Hereditary Film Productions, LLC
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今年のサンダンス映画祭で批評家から多数の高評価を獲得したの『ヘレディタリー/継承』 亡くなった主人公の祖母・エレンから忌まわしい“何か”を受け継いでしまった家族を、死ぬよりも過酷な出来事と、身の毛がよだつ最大の恐怖が襲い掛かります。彼女たちが祖母から受け継いだものは一体なんなのか?ホラー映画であると同時に、綿密に練られた伏線回収も大きな話題とない、その脚本にも期待が集まっています。
『ヘレディタリー/継承』ポスタービジュアル (c)2018 Hereditary Film Productions, LLC
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そんな『ヘレディタリー/継承』の監督と脚本を務めたのは、本作が初めての長編映画となるアリ・アスター。その独特な演出方法は、画面を駆け抜ける光や、深夜に現れる夢、家の壁に描かれる字まで、すべての場面がラストへの恐怖の伏線となっています。まさに計算された脚本と異常なまでの完成度は、ホラー映画では類を見ないほどのクオリティと言えること必須です。
『ヘレディタリー/継承』あらすじ
『へレディタリー/継承』(C)2018 Hereditary Film Productions, LLC
前の画像
『ヘレディタリー/継承』の主人公はアニー。グラハム家の祖母・エレンが亡くなると、娘のアニーは、家族とともに粛々と葬儀を行う。アニーは過去の出来事がきっかけで母に愛憎入り交じる感情を抱いていた。そんな時、エレンの遺品が入った箱には、「私を憎まないで」というメモが挟んであった。
アニーと夫・スティーヴン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーは家族を亡くした喪失感を乗り越えようとするが、奇妙な出来事がグラハム家に頻発。やがて最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。そして想像を絶する恐怖が彼女たちを襲う。果たして『ヘレディタリー/継承』の「継承」が意味するものは…
『ヘレディタリー/継承』を制作したのはアカデミー賞作品賞も獲得した「A24」
© 2016 A24 Distribution, LLC
一見、B級映画のような装いをしている『ヘレディタリー/継承』 ですが、本作を制作したのは「A24」という映画会社。この会社はあのアカデミー賞作品賞を獲得した『ムーンライト』をはじめ、グレタ・カーヴィグの監督作『レディ・バード』など、新しくて完成度の高い作品を世に送り出しているのです。
© Universal Pictures
ちなみに2018年に日本で公開された「A24」の作品には、エル・ファニング主演の『パーティで女の子に話しけるには』や『バグダッド・スキャンダル』、アンドリュー・ガーフィールド主演の『アンダー・ザ・シルバーレイク』などヘレディタリー/継承』をはじめ、新進気鋭な作品が勢ぞろいしています。

新進気鋭の制作スタジオ「A24」のおすすめ映画作品15選!日本公開待機作も!
https://pickup.cinemacafe.net/articles/2567皆さんは「A24」という製作会社をご存知でしょうか?観る映画を決める時に、製作会社に注目する人はあまりいないかもしれません。しかし「A24」は大手スタジオとは一線を画す、独特な作品を作り続けることで、今最も注目されている製作会社なのです。そこで今回は、「A24」が手がけてきた作品をランキング形式でご紹介していきます。
『ヘレディタリー/継承』の主演を務めるのは名女優トニ・コレット
『イン・ハー・シューズ』キャメロン・ディアス、トニ・コレット来日記者会見 メイン
『ヘレディタリー/継承』での鬼気迫る怪演で次回のアカデミー賞主演女優賞のノミネートが期待されるトニ・コレット。演技に対する姿勢は並々ならぬもので、1994年に公開された『ミュリエルの結婚』では、太目の女性を演じるために、体重を18キロも増やしたとか。さらにM・ナイト・シャマラン代表作『シックス・センス』ではアカデミー賞助演女優賞にもノミネートされるほどです。
『マダムのおかしな晩餐会』 (C)2016 / LGM CINEMA - STUDIOCANAL - PM
俳優以外の活動でも注目を集めており、2006年にはミュージシャンとしても活動を開始。アルバムをリリースするとツアーも行うほど精力的な活動を行います。私生活でもオーストラリアのミュージシャンと結婚しており、2008年1月9日に第一子となる女児、2011年には息子も生まれています。
■トニ・コレット出演作①『マイ・ベスト・フレンド』
『マイ・ベスト・フレンド』(C)2015 S FILMS(MYA) LIMITED
ジェス(ドリュー・バリモア)とミリー(トニ・コレット)は、数十年来の大親友。幼いころから洋服や友人関係、初めてのキスや初体験の秘密まで、人生の全てを共有してきた。大人になり、ミリーはキット(ドミニク・クーパー)というバンドマンの彼氏と結婚・出産、PR会社のキャリアウーマンとしても充実した生活を過ごし、ジェスは都市設計家の仕事を得て、ボーイフレンドのジェイゴ(パディ・コンシダイン)とテムズ運河に浮かぶボートハウスに居を構える。
『マイ・ベスト・フレンド』ポスタービジュアル (C)2015 S FILMS(MYA) LIMITED
結婚しても、子どもができても、2人の関係は変わらず、友情も当たり前に続いていくものだと思っていた。しかしあるとき、ミリーに乳がんが見つかる。また同じころ、不妊治療を続けてきたジェスに待望の妊娠が判明。しかし、ジェスはミリーのことを思うと、一番に伝えたいはずの彼女に伝えられない。相手を想うがゆえに言葉にできないことが増えていく、2人の友情のゆくえは…。トニ・コレットが乳がんを患ってしまう役を演じ、本作は日本でも多くの女性の涙を誘いました。
■トニ・コレット出演作②『マダムのおかしな晩餐会』
『マダムのおかしな晩餐会』ポスター (C)2016 / LGM CINEMA - STUDIOCANAL - PM - Tous Droits
エレガントなパリの都に越してきた裕福なアメリカ人夫婦のアンとボブ。セレブな友人たちを招いてとびきり豪華なディナーを開こうとするが、手違いで出席者が不吉な13人に。大慌てでスペイン人メイドのマリアを“ミステリアスなレディ”に仕立て上げ、晩餐会の席に座らせる。ところが、緊張のあまりワインを飲みすぎたマリアはお下品な“ジョーク”を連発。逆にこれが大ウケしてダンディーな英国紳士から求愛されてしまう…。
『マダムのおかしな晩餐会』 (C)2016 / LGM CINEMA - STUDIOCANAL - PM - Tous Droits Reserves
『SMOKE』のハーヴェイ・カイテルとの共演も話題になる本作。『ヘレディタリー
/継承』のトニ・コレットと共に脚本の素晴らしさに惹かれて出演したそうです。そんな本作は、上流階級たちの豪華な暮らしとスキャンダラスなゴシップを覗きながら、刺激と毒気がたっぷりと仕込まれた、パリを舞台にした大人のロマンティック・コメディです。