小説を元に映画化された邦画&洋画おすすめ15選!原作と比較しておもしろさ倍増!

小説を元に映画化された邦画&洋画おすすめ15選!原作と比較しておもしろさ倍増!

昨今、映画作品はオリジナル作品が少なくなってきて久しいですが、そんな賛否両論ある「原作もの」も、監督独自の脚色によって、生まれ変わるケースは多くあります。ラストを変更するだけでなく、作品全体のトーンを変えたり、登場人物を新たに加えたりと、その方法は様々。こちらのまとめでは、原作と映画の比較や、作者の背景にも迫りました。


目次

小説が原作の映画おすすめ1:フィリップ・ディジャン著「Oh...」/『ELLE エル』

© 2015 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS - TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION - FRANCE 2 CINÉMA - ENTRE CHIEN ET LOUP

新鋭ゲーム会社の社長を務めるミシェルは、猫と暮らす瀟洒な自宅で覆面の男に襲われる。その後も、送り主不明の嫌がらせのメールが届き、留守中に誰かが侵入した形跡が残される。自分の生活リズムを把握しているかのような犯行に、周囲にいる男たちを怪しむミシェル。父親にまつわる過去の衝撃的な事件から、警察に関わりたくない彼女は、自ら犯人を探し始める。だが、次第に明かされていくのは、事件の真相よりも恐ろしいミシェルの本性だった――。

60代のイザベル・ユペールが、体当たりで挑んだエロティック・サスペンス。この役が高じてか、後に『エヴァ』という映画で娼婦役として登場し、イケメン俳優ギャスパー・ウリエルを誘惑してます。

『エル ELLE』(C) 2015 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS - TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION - FRANCE 2 CINÉMA - ENTRE CHIEN ET LOUP

『ELLE エル』の原作は、フィリップ・ディジャンが2012年に上梓した小説「Oh…」フィリップ・ディジャンは、他にも「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」という、これまたセンセーショナルな作品も発表しています。「Oh…」はフランス五大文学賞のひとつ、アンテラリエ賞を受賞していますが、これは記者経験のある作家が選考基準であることに対し、フィリップ・ディジャンは記者経験がないにも関わらず受賞した異例の作品でもあります。内容は、主人公ミシェルの性悪さが映画の倍くらいあるので、映画を見た後に原作を読むのがオススメです。タイトルが「Oh…」の理由もわかります。

小説が原作の映画おすすめ2:ジェイムズ・サリス著「ドライブ」/『ドライヴ』

© 2011 Drive Film Holdings, LLC. All rights reserved.

昼はハリウッドのスタントマン、夜は強盗の逃走を手助けする運転手という2つの顔を持つ、主人公のドライバー(ライアン・ゴズリング)。その名も過去も明かさず、孤独に生きてきた彼は、同じアパートに幼い息子と暮らす女性、アイリーン(キャリー・マリガン)に一目で恋に落ちたことをきっかけに、危険な裏社会に身を投じることになる。

ニコラス・ウィンディング・レフン監督を日本にも知らしめた代表作。この作品を皮切りに、レフン監督のキワモノ路線が『オンリー・ゴッド』『ネオン・デーモン』と加速していきます。ライアン・ゴズリングも、『ラースとその彼女』にて、およそ過去にダッチワイフを恋人だと兄弟に紹介するトリッキーな役を演じていたとは微塵思わせない、ハードボイルドな佇まいが最高です。

© 2011 Drive Film Holdings, LLC. All rights reserved.

原作はジェイムズ・サリスの『ドライブ』 2006年に一度ハヤカワ・ミステリ文庫で刊行されるものの、あれよあれよと入手困難になってしまうほど、当時は注目されませんでした。しかし映画化に合わせて再度刊行されると、注目を集めます。若干25歳で詩や散文の著作集を発表し、『黒いスズメバチ』『コオロギの眼』と言った小説を発表。他にもミュージャン、インディペンデント映画に出演など、枠にとらわれない活動も行なっています。ちなみに小説版「ドライブ」は結末どころか展開も映画とかなり異なります。映画よりクライムサスペンス感が強く、ラブロマンス要素は薄めです。

小説が原作の映画おすすめ3:テッド・チャン著「あなたの人生の物語」 /『メッセージ』

突如、地上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)はヘプタポッドと呼ばれる知的生命体が人類にとって平和の使者なのか脅威なのかを判断するため、彼らと接触し言葉を理解してほしいと軍から依頼を受ける。物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)とチームを組み、人間のものとは全く異なる、まるで動く絵画のような異質な言語解読に没頭するうちに ルイーズは時間が逆行するような奇妙な錯覚に陥っていく。そして言語の謎が解けたとき、彼らが地球にやってきた驚くべき真相と、人類に向けた美しくもせつないラストメッセージが明らかになっていく――。

『メッセージ』

『メッセージ』原作、「あなたの人生の物語」の著者は、アメリカ出身のテッド・チャン。「あなたの人生の物語」はネビュラ賞中編小説部門をはじめとする多くの賞を受賞しましたが、テッド・チャンの本業はあくまでテクニカル・ライター。小説はアイデアが浮かばない限り書かないスタンスだそうです。『メッセージ』の原作も中編のひとつであり、ほかにも天使降臨が現実にあったら天災どころではすまないスーパーナチュラルを描いた「地獄とは神の不在なり」や、人間の顔から美醜を認識できなくなる近未来を舞台に描いたドキュメンタリータッチの文章構成で描く「顔の美醜について : ドキュメンタリー」があります。「顔の美醜について」はドラマ化の規格が進行中で、『メッセージ』で脚本を担当しているエリック・ハイセラーが企画・制作総指揮を行うと発表されています。

小説が原作の映画おすすめ4:エマ・ドナヒュー著「部屋」/ 『ルーム』

菅野美穂、ジェイコブ・トレンブレイ、ブリー・ラーソン/『ルーム』ジャパン・プレミア

突然の監禁から7年の時が経ち、母は全てを賭けた脱出を決意する。奪われた人生を取り戻すために、何より<部屋>しか知らない息子に、<本当の世界>をみせるためにーー。衝撃に胸をつかれ、生きる輝きに嗚咽が漏れる、世紀の愛の物語。

ジェイコブ・トレンブレイ&ブリー・ラーソン『ルーム』/photo:Nahoko Suzuki

著者で映画の脚本も担当したのは、1969年にアイルランドで生まれたエマ・ドナヒュー。原作は完全に5歳児ジャックの語りで進むため、あえて誤字や言い間違えがそのままになる文体となっています。作品の着想は、実際にオーストラリアで発覚した父親が実の娘を監禁し、7人の子供をうまされた監禁事件「フリッツル事件」をはじめ、ベルギー、ロシア、アメリカ、そして日本での事件から得たことをエマ・ドナヒューは明かしています。しかし映画同様、原作も監禁された過酷さを描くだけではなく、監禁から脱出したその後の展開こそが、本作が一番読者に伝えたい内容であることに変わりありません。何より、目を背けたくなるストーリーをあえて描くのは、正しいものや普遍的なものをより強調させるためだそうです。

小説が原作の映画おすすめ5:ジョナサン・エイムズ著「ビューティフル・デイ」

© Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. ©Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

個性派カメレオン俳優ホアキン・フェニックス×『少年は残酷な弓を射る』でセンセーションを巻き起こしてきたリン・ラムジー監督初タッグ作。第70回カンヌ国際映画祭男優賞・脚本賞W受賞作品。元軍人のジョーは行方不明の捜索を請け負うスペシャリスト。あるとき、彼の元に舞い込んできた依頼はいつもと何かが違っていた。依頼主は州上院議員。愛用のハンマーを使い、ある組織に囚われた議員の娘・ニーナを救い出すが、彼女はあらゆる感情が欠落しているかのように無反応なままだ。そして2人はニュースで、依頼主である父親が飛び降り自殺したことを知る――。

© Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. ©Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

映画化に合わせて原作本が発刊された「ビューティフル・デイ」もとは2013年に電子書籍として発表され、その後ペーパーブックで販売。その際に評判を集めたことで、フランスの映画プロデューサーから、映画化の監督を務めたリン・ラムジーの監督にわたった経緯があります。そのため、映画がカンヌ国際映画祭にて脚本賞と男優賞を得たことも合わせて、20ページほど新たに書き足されているそうです(書き足して110ページほど) ちなみに映画と原作ではあらすじもラストも、キャラクターの造形もかなり異なっていますが、そのことに関して原作者のジョナサン・エイムズは映像も音楽も主人公を演じたホアキン・フェニックスの髭面もとても良いと評価したそうです。本作ではスリラーを手掛けたジョナサンですが、普段はコミカルなものや、テレビの脚本ではシチュエーションコメディを手掛けることがほとんど。スリラーは「ビューティフル・デイ」は初。なお映画・原作の原題”You Were Never Really Here”は、主人公の頭の中で聞こえる「お前は元からいなかったんだよ」から来ています。

小説が原作の映画おすすめ6:アンドレ・アシマン著「君の名前で僕を呼んで」

『君の名前で僕を呼んで』 (C)Frenesy, La Cinefacture

1983年夏、北イタリアの避暑地で家族と夏を過ごす17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会う。一緒に自転車で街を散策したり、泳いだり、午後を読書や音楽を聴いたりして過ごすうちに、エリオのオリヴァーへの気持ちは、やがて初めて知る恋へと変わっていく。眩しすぎる太陽の中で、激しく恋に落ちるふたり、しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づいてくる――。

『君の名前で僕を呼んで』 (C)Frenesy, La Cinefacture

『君の名前で僕を読んで』の著者はエジプト生まれのユダヤ人小説家、アンドレ・アシマン。本作を含めて数本の小説を発表しています。エリオの語り口で進む本作ですが、実は映画はこの小説の全てを描いたわけではなく、あの映画のその後も、原作には書かれています。実際に、すでに続編の構想も進んでいるとのこと。(続編は少し時代設定が変わるので、必ずしも原作通りとなるかは分かりませんが…) 因みに本作の脚色をしたジェームズ・アイヴォリーは、「濡れ場」のシーンがないことに対して、だいぶご立腹だったのは有名な話です。

この記事のライター

某レンタルショップ店員⇒ミニシアター勤務を経て、現在は企業でライターをしつつ、映画のブログや記事を書いています!
時々ニッチなジャンルで映画○○選と題した記事も書いているので、何を見ようか迷っている人は参考にしていただけると嬉しいです。

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