『八日目の蝉』について紹介!映画vs原作小説vsテレビドラマ
『八日目の蟬』 -(C) 2011「八日目の蟬」製作委員会
不倫相手の子どもを誘拐した女と誘拐された少女の葛藤が描かれた小説『八日目の蝉』。作者は『紙の月』などで知られる直木賞作家の角田光代さんです。2010年にテレビドラマ化、2011年には映画化もされ、注目を集めた本作。今回は映画『八日目の蝉』と、原作小説とテレビドラマとの違いなど紹介していきたいと思います。
原作は、角田光代さんのベストセラー小説
© 2011「八日目の蟬」製作委員会
映画『八日目の蝉』の原作となったのは、2005年から2006年にかけて読売新聞にて連載されていた角田光代さんによる同名小説作品。中央公論文芸賞を受賞した本作は、さまざまなメディアで注目を集め、ベストセラー作品となりました。
監督を務めたのは、『ソロモンの偽証』の成島出さん
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そんな人気小説作品の実写映画化にあたり、メガホンを取ったのは『ソロモンの偽証』などで知られる成島出監督です。2003年に『油断大敵』で監督デビューを果たした成島監督。本作『八日目の蝉』では日本アカデミー賞の最優秀監督賞を獲得し、さらに2015年には吉永小百合さんが主演を務めた映画『ふしぎな岬の物語』ではモントリオール世界映画祭審査員特別賞のグランプリなどを受賞しています。
主題歌は中島美嘉が担当!
『八日目の蟬』の主題歌を担当したのは、中島美嘉さんです。両側耳管開放症により一時的に音楽活動を休止していた中島さんですが、本作の主題歌となった33枚目のシングル『Dear』から活動を再開。そんな記念すべき主題歌となった『Dear』は中島さんらしさの詰まったバラード曲となっています。
日本アカデミー賞では、12部門で優秀賞を受賞!
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2012年行われた第35回日本アカデミー賞にて『八日目の蝉』は最優秀作品賞や最優秀監督賞、最優秀主演女優賞など12部門で優秀賞を受賞。各賞を総なめし、最多受賞作品となりました。
『八日目の蝉』のあらすじを紹介!
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映画『八日目の蝉』から、あらすじを紹介します。1985年、妻のいる男性の子どもを身ごもった野々宮希和子は出産を諦めることしかできず、その絶望から不倫相手の子どもを誘拐することに。
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警察から逃亡する日々を送りながらも、誘拐した子どもを実子のように思いながら愛情を注ぐ希和子。しかしそんな日常は続くことはなく、希和子が逮捕されたことにより、逃亡劇は4年で幕を閉じることになるのでした。
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数年後。希和子に誘拐された少女・秋山恵理菜は本当の両親の元へ戻るも、両親との間にわだかまりを感じずにはいられませんでした。そんな恵理菜もついには大学生になり、子どもを身ごもるのですが、皮肉にもその子どもは不倫相手の子どもだったのでした―。
原作と映画とドラマ、それぞれの違いは?
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さまざまなメディアで注目を集めた『八日目の蝉』。原作小説と映画とテレビドラマではどのような違いがあるのでしょうか?ここから詳しく紹介していきたいと思います。
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原作小説と映画とテレビドラマでは構成が異なる『八日目の蝉』。原作では不倫相手を誘拐する女性・野々宮希和子と誘拐される少女・秋山恵理菜の2人が主人公であり、それぞれについて描かれた章が存在します。対して映画版では主に恵理菜を中心として物語が進み、テレビドラマ版では希和子について多く描かれています。
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中心となる人物がそれぞれ異なる『八日目の蟬』ですが、原作小説では最初に希和子が恵理菜を誘拐してからの日常が、次に大人になった恵理菜の過去を知るための旅が描かれており、時系列順となっています。対して映画とテレビドラマでは、その2つの出来事が同時進行で描かれています。