『蜜のあわれ』とは、どんな映画?
『蜜のあわれ』(C)2015『蜜のあわれ』製作委員会
大正時代に活躍した作家・室生犀星さんが晩年に発表した作品『蜜のあわれ』が、石井岳龍監督によって映像化されました。主人公である金魚の姿を持つ小悪魔的少女・赤子役には二階堂ふみさん、赤子と共に暮らす老作家役は大杉漣さんが演じました。今回は映画『蜜のあわれ』のあらすじやキャスト、衣装やロケ地など紹介していきたいと思います!
■原作は、大正時代に活躍した作家・室生犀星の晩年の作品
『蜜のあわれ』(C)2015『蜜のあわれ』製作委員会
原作は詩や小説などさまざまなジャンルで名作を残した室生犀星さんが、晩年に残した同名小説作品となっています。1959年に刊行された同作は会話のみで構成される幻想小説。金魚の姿を持つ赤井赤子と、赤子から“おじさま”と呼ばれている老作家の物語が綴られています。
■映像化に挑んだのは、『狂い咲サンダーロード』の石井岳龍監督
石井岳龍監督/『蜜のあわれ』プレミア試写イベント
室生犀星さんによる幻想小説『蜜のあわれ』を映画化するにあたり、監督を務めたのは石井岳龍監督。1979年に8mm映画『高校大パニック』にてデビューを果たし、翌年には『狂い咲きサンダーロード』にて数々の映画賞で注目を集めました。その後『五条霊戦記 GOJOE』や『シャニダールの花』などを発表。
■撮影は、石井監督と20年振りのタッグとなる笠松則通さんが担当
『蜜のあわれ』(C)2015『蜜のあわれ』製作委員会
映画『蜜のあわれ』の撮影を担当したのは、本作と同じく石井岳龍監督作品『狂い咲きサンダーロード』にてデビューを果たした笠松則通さん。近年では『許されざる者』や『怒り』などの話題作に参加しており、今回本作にて石井監督とは20年振りのタッグとなりました。
■衣装は『るろうに剣心』などの澤田石和寛さんが担当!
『蜜のあわれ』(C)2015『蜜のあわれ』製作委員会
今回『蜜のあわれ』の衣装を担当したのは、TVCM「au三太郎」シリーズや「るろうに剣心」シリーズを手掛ける澤田石和寛さん。今回、二階堂ふみさん演じる赤井赤子のドレスには13種類もの生地を使用したとのこと。ドレスの裾には透ける素材の布を重ねたりと、金魚の尾ひれのような印象を受けるデザインにしたと語っています。
■ロケ地は室生さんの故郷・石川県金沢市など
『蜜のあわれ』(C)2015『蜜のあわれ』製作委員会
映像化は困難だと言われていた『蜜のあわれ』。ロケは原作者・室生犀星さんの地元である石川県金沢市や加賀市などを中心に行われました。さらに県をまたぎ、富山県でもロケが敢行されたとのこと。
『蜜のあわれ』のあらすじを紹介
『蜜のあわれ』(C)2015『蜜のあわれ』製作委員会
あるときは少女、あるときは金魚の姿を持ち、自分のことを“あたい”と呼ぶ赤井赤子(二階堂ふみ)。赤子は“おじさま”と呼んでいる老作家(大杉漣)と共に暮らし、夜になると体を寄せ合って眠りにつくなど、仲睦まじく日々を送っていました。
『蜜のあわれ』(C)2015『蜜のあわれ』製作委員会
何気ない会話から、時には際どいエロティックな会話をしたりと、奇妙な会話を繰り広げる赤子と老作家。そんな日常を送っていたある日、老作家の“過去の女性”・田村ゆり子(真木よう子)が現れます。
『蜜のあわれ』(C)2015『蜜のあわれ』製作委員会
赤子が金魚であるように、ゆり子もただの人間ではないようす。ゆり子は老作家への愛を募らせて蘇った幽霊なのでした。そんなゆり子が現れたことによって、赤子と老作家の関係にも変化が訪れ始めます。
『蜜のあわれ』(C)2015『蜜のあわれ』製作委員会
金魚売りのおじちゃん・辰夫(永瀬正敏)や芥川龍之介(高良健吾)がその奇妙な三角関係を見守る中、とある事件をきっかけに3人の関係はさらに複雑な螺旋を描き始める―。
『蜜のあわれ』のキャストを紹介
『蜜のあわれ』(C)2015『蜜のあわれ』製作委員会
金沢三文豪の1人として知られる室生犀星さんの晩年の作品『蜜のあわれ』。映像化困難と言われた作品の実写映画化にあたり、個性豊かな登場人物を演じたキャスト陣について紹介します。