映画『アメリ』の魅力を再発見する20のトリビア

映画『アメリ』の魅力を再発見する20のトリビア

ジャン=ピエール・ジュネ監督が2001年に公開した映画『アメリ』。鮮やかで独特の色使いと、主演のオドレイ・トトゥをはじめとする個性的な出演者の可愛いドラマは観客の心をつかみ、フランスのみならず日本でも大ヒットしました。 この記事では、今も日本で変わらぬ人気を持つ『アメリ』のトリビアをご紹介します。ぜひこの映画の魅力を再発見して下さい!


目次

『アメリ』のトリビア1:ジュネ監督はオドレイ・トトゥに出会って泣き出した?

(C)2001 UGC IMAGES-TAPIOCA FILMS-FRANCE 3 CINEMA-MMC INDEPENDENT-Tous droits reserves

今でこそ2000年代のフランス映画代表作として名高い『アメリ』。詳細は後述しますが、当初は別の女優がイメージされて脚本が執筆されていたものの、その女優が降板することになってしまったようです。
ジャン=ピエール・ジュネ監督は、代わりのアメリ役を探しますがキャスティングが難航。すでに出演が決まっていたニノ役のマチュー・カソヴィッツを主役に、アメリを男性に変更して話を組み立て直すことも検討されていました。

アメリ役のオーディションを行ったとき、ジュネ監督は当時まだ新人だったオドレイ・トトゥと出会います。彼はオドレイをカメラテストした段階で、自分のイメージするアメリ像にあまりにもぴったりだったので嬉しくて涙で目の前がかすむほどだったとか。
オドレイはオーディション前にジュネ監督の作品を観て、彼の映画のイメージに近そうなクラシカルなワンピースを着てオーディションに臨んだそうです。ジュネ監督の作品世界を研究した姿勢が彼に伝わったかもしれませんね。
『アメリ』で意気投合した二人は、その後2004年の映画『ロング・エンゲージメント』でもタッグを組みました。

『アメリ』のトリビア2:アメリの名前はチョコレートが由来

アメリのフルネームはアメリ・プーラン。フランス語の原題は「Le Fabuleux destin d'Amélie Poulain(アメリ・プーランの素晴らしい運命)」で、彼女の名前がフルネームで分かるタイトルになっています。
プーランはフランス語で「仔馬」という意味ですが、実はフランスでは日本の明治や森永のように、誰もが知っている国民的チョコレートメーカーの名前でもあります。

プーランのチョコレートは、名前の通り仔馬の絵がパッケージのロゴに使われているので分かりやすいです。日本でも海外のお菓子を扱っているお店や通販で購入することができます。
実はジュネ監督はプーランのチョコレートが大好物。そのためアメリの名字も大好きなメーカーの名前から取ってつけました。作中でアメリがプーランのチョコレートを食べる場面はありませんが、フランスでは彼女の名字に誰もがチョコレートを連想するでしょう。チョコレートの国フランスらしい名前ですね。

『アメリ』のトリビア3:アメリ役はエミリー・ワトソンが演じる予定だった

© Sixteen Midlands (Oranges) Limited/See-Saw (Oranges) Pty Ltd/Screen Australia/Screen NSW/South Australian Film Corporation 2010

先にも少し触れましたが、実は当初アメリ役はオドレイ・トトゥではなく別の女優が演じる予定でした。それはイギリス人女優のエミリー・ワトソン。『奇跡の海』(1996)や『博士と彼女のセオリー』(2014)などに出演し、演技派としてアカデミー賞候補にもなった実力派です。脚本も当初彼女のイメージを想定して書かれていました。

降板の理由は、エミリー・ワトソンが妊娠したから、フランス語で演技するため言葉の壁がある上に撮影中に家族と離れることが嫌だったから、など諸説ありますがはっきりとした理由は不明。
エミリー・ワトソン主演でも素敵な映画になっていたかもしれませんが、オドレイ・トトゥのアメリはハマり役なので他の人でイメージすることはできない、という人も多いでしょう。映画の成功は何が作用するのかわからないものです。

『アメリ』のトリビア4:撮影のために舞台となるパリの街をカスタマイズ!

『アメリ』の住む街はパリのモンマルトル。かつてはピカソやモディリアーニなどの芸術家が住んでいた街としても有名です。映画の中にも登場した観光名所として名高いサクレ・クール寺院があり、今でもパリに来たら『アメリ』の世界を求めて訪れる観光客が多いそうです。
世界でも有数の観光都市として有名なパリですが、ジュネ監督は『アメリ』の世界観を作り上げるためにかなりの努力をしました。

まずは撮影場所は徹底した掃除を行い、落書きもすべて消すようにしました。作中でアメリが地下鉄アベス駅を訪れ、初めてニノに出会うシーンがあります。実はそこに出てくる壁一面の大きなポスターも、すべて映画用に貼り替えたものです。
『アメリ』に登場するファンタジックな世界観には、監督やスタッフのたゆまぬ努力が反映されています。実はジュネ監督はスタジオ撮影が好きなタイプ。そのため、パリの街中での撮影はスタジオが借りれなかったことによる事情も関係していたようです。しかし映画の世界観のために、街を素敵にカスタマイズするのはなんともすごいですね!

『アメリ』のトリビア5:アメリの働くカフェはジュネ監督の行きつけだった

アメリがウェイトレスとして働くカフェ「カフェ・デ・ドゥ・ムーラン」。「二つの風車」という意味です。実はこのカフェは実在し、ジュネ監督自身も行きつけのカフェなのだそうです。ジュネ監督は『アメリ』撮影前からモンマルトルに住んでいて、いつかこのカフェを舞台に映画を取りたいと構想を練っていたのが『アメリ』製作へとつながりました。

しかし当初はカフェの店主から断られてしまい、撮影が実現するまでには長い時間がかかりました。ジュネ監督はあきらめずに店主に粘り強く交渉し、最終的には撮影許可をもらいます。しかし、もらった撮影期間はたったの3週間。店を貸し切って撮影を始めたものの、周辺の人たちに迷惑をかけないようにして控えめに行われました。
カフェ・デ・ドゥ・ムーランが実在するのは映画公開時から有名な話で、公開当時はもちろんのこと、今でも『アメリ』ファンが訪れるお店のひとつになっています。

『アメリ』のトリビア6:コリニョン氏の八百屋さんも実在していた

アメリの働くカフェが実在しているのは有名ですが、実はコリニョン氏が経営する八百屋さんも実在しているのです。コリニョン氏と言えば、店員のリュシアンをお客さんの前で平気で馬鹿にする意地悪な男。アメリは彼の傍若無人なふるまいに腹を立て、何度かお仕置き(?)を企てて実行します。作中でアメリに幸せにされた登場人物が多い中、コリニョン氏は不幸にされた人ナンバーワンと言えるでしょう。

コリニョン氏のお店として映画に出ていたのは「オ・マルシェ・ドゥ・ラ・ビュット」。40年近くモンマルトルにある雑貨屋さんで、映画そのままの外観が特徴です。ジュネ監督はこちらのお店もよく利用していて、大好物であるプーランのチョコレートをよく買っていたとのこと。
『アメリ』好きなら、パリに行った時にちょっと立ち寄ってみたいですね。

『アメリ』のトリビア7:アメリの部屋の絵はドイツ人画家の作品

赤と緑の独特の色使いですがセンスがよくて憧れてしまうアメリの部屋。部屋の壁に飾られている犬やアヒルなどの動物の絵は、一度見るとそのユーモラスさが印象に残ります。
実はこれはドイツ人の画家ミヒャエル・ゾーヴァが『アメリ』のために制作した作品。ゾーヴァは風景画や動物の絵を得意とする画家で、作中の絵はすべてジュネ監督の依頼を受けて制作したもの。その他にもアメリの部屋のランプも手がけました。

元々オペラの舞台美術を手がけたことで知られていたゾーヴァでしたが、『アメリ』の世界的大ヒットによってさらに知名度がアップ。2005年には映画『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ !』のイメージボード制作も行っています。日本でも個展や講演会を何度か行っており、日本とも関わりの深い画家です。

『アメリ』のトリビア8:ニノ役は本当は映画監督?

© 2017 UNITÉ DE PRODUCTION - EUROPACORP

アメリが出会った瞬間に一目ぼれしたニノ・カンカンポワ。スピード写真のコレクターで、モンマルトルにあるポルノショップの店員とサクレ・クールの遊園地で骸骨男に扮するアルバイトをしています。アメリと同じく空想癖があり、子どもの頃は孤独な時間を過ごしていました。
人とかかわるのが苦手なアメリと、彼女に翻弄されるニノの恋模様の行く末も本作の醍醐味のひとつです。

ニノを演じたマチュー・カソヴィッツはフランス出身の俳優であり、映画監督もしています。彼が1995年に発表した『憎しみ』は、フランスのスラム街に住む若者や移民問題を描いて大ヒット。その他にもジャン・レノ主演の『クリムゾン・リバー』の監督も務め日本でもヒットしました。2019年現在も監督と俳優の二足のわらじをはいて活躍しています。

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