『恋は雨上がりのように』のあらすじ・キャスト・音楽・ネタバレ・文学的表現

眉目じゅんさん原作で“月刊!スピリッツ”で連載され、2016年8月からは“ビッグコミックスピリッツ”で連載されたマンガを、永井聡監督によって実写化された映画。2014年連載スタートから瞬く間にヒットし、最速で実写化までされた作品です。人生の岐路に立つ少女とおじさんの恋はたくさんの人々をドキドキとさせます。

雨降りが続く夏、高校2年生の橘あきら（小松菜奈）はアキレス腱を痛め走れなくなり、青春をかけた陸上を辞める事を余儀なくされていました。雲がかかってどしゃ降り雨な心の橘は、お客さんにペコペコして部下に怒ることができない、情けない45歳バツイチ男に恋をしてしまうのです。

その45歳バツイチ男である店長の近藤（大泉洋）は橘から好意を持たれているなんて夢にも思っていません。それに昨今の現実において、45歳のおじさんが女子高生と付き合うなんて、援助交際・淫行・痴漢でしかない新現実主義なのです。したがって近藤は橘に告白されても、「嫌われなくてよかった」としか思えないのです。

『恋は雨上がりのように』には、実力人気とともに雨を上がらせて日差しを浴びせるようなキャスト陣が揃っています。まさに私たちを元気づける、雲の隙間から見える光を見上げてみましょう。

主演は小松菜奈さん。“ニコ☆プチ”で専属モデルとして活躍し、『渇き』で中島哲也監督に発掘され、『近キョリ恋愛』、『溺れるナイフ』、『来る』、『さよならくちびる』と、次々と人気作に出演されております。透明感があり、独特な神秘的な雰囲気から放たれる感情的なセリフには、一瞬で雨をやませるぐらいのパワーを感じられてなりません。

『恋は雨上がりのように』では、アキレス腱を痛めて青春を失って、どしゃ降り雨のような橘あきらを演じます。青春のすべてをかけた陸上を失い、どうしようもなくなった彼女が雨宿りしたファミレスで近藤に会います。近藤は手品を見せてあきらを元気づけようとするのです。こんな郊外のファミレスで、まさかのおじさんに恋するなんてあり得ない。しかし手品のようなあり得ないものが現れたのです。

おじさんらしいおじさんを演じるのは大泉洋さん。北国から俺って”どうでしょう”と言わんばかりに登場し、一躍のスターダムを駆け上がり、今や人気映画の主演を連続で務めております。連続テレビ小説「まれ」や、大河ドラマ「真田丸」、映画には『探偵はBARにいる』に『青天の霹靂』、『駆け込み女と駆け出し男』や『こんな夜更けバナナかよ 愛しき実話』、そして『そらのレストラン』と、“どうでしょう”と言われても、凄すぎですとしか言えない活躍です。

『恋は雨上がりのように』では、ペコペコと客に頭を下げ部下を叱れない、座る時は「どっこいしょ」と言うザ・おじさんである近藤を演じています。何もなく、大好きな小説にしがみついている彼が、ある日女子高生に告白されます。昨今の世間の道徳である新現実主義に乗っ取る彼にとってはあり得ないのです。しかしそんな女子高生を見つめることで、自分も自分の道を見出していくのです。

橘の親友はるかを演じるのは清野菜名さん。”ピチレモン”の専属モデルとなり、『バイオハザード』のミラ・ジョヴォヴィッチに憧れアクションを本格的に勉強します。「今日から俺は‼」、『TOKYO TRIBE』や『少女は異世界で戦った』でアクションをこなします。また『金メダル男』や『ユリゴコロ』など、アクションではない演技もこなすなど、人気・実力をともに持つ女優。

『恋は雨上がりのように』では橘の幼馴染で、一緒に陸上をしてきた分かり合った親友でした。しかし橘がアキレス腱を痛めて陸上から離れたことですれ違います。橘は遠い郊外のファミレスでアルバイトして、そこで会った年の離れた人と恋をします。もう遠くに行ってしまった橘とはるかはケンカしてしまい絶縁してしまうのです。2人を結ぶのは陸上しかないのでしょうか。

橘にちょっかいを出すイケメンの加瀬を演じるのは磯村勇斗さん。役者になりたくて劇団を渡り歩き、演出家の目に止まり芸能界入りします。「仮面ライダーゴースト」や、連続テレビ小説「ひよっこ」、『覆面系ノイズ』、『ういらぶ。』、『春待つ僕ら』とヒット作に次々と出演する、今人気急上昇中の俳優です。