『世にも奇妙な物語』の人気エピソード1:イマキヨさん
野村周平/映画『ちはやふる-結び-』公開初日舞台挨拶
「15周年の特別編」として2006年3月に放送された作品で、後に2015年の「傑作復活編」でリメイクもされたほど人気の高いエピソード。主演は2006年は嵐の松本潤さん、2015年は野村周平さんが務めました。
座敷わらしのように、自宅にいると幸運を呼ぶイマキヨさん。しかし、付き合い方を間違えるととんでもないことに。コミカルな話かと思いきや…の落差が激しいです。
2年間付き合っていた彼女にフラれた上、就職の面接もダメだった主人公(松本潤・野村周平)。ついていない自分にため息をつくと、自宅にポテトチップスを食べながらくつろぐ見知らぬおじさんがいることに気がつきます。家に勝手に上がりこんだ不審者として警察を呼びますが、警察にはおじさんの姿が見えていないらしく、相手にされないままさっさと帰ってしまいます。
翌日友人におじさんのことを話した主人公は、それが「イマキヨさん」という座敷わらしに似た幸運を呼ぶ存在だと説明されます。幸運を呼ぶ秘訣として、「追い出さない」「傷つけない」「引っ越しの話をしない」「謝らない」の4つを厳守するように、と友人から言われた主人公は、そのルールを守ろうとしますがことごとく破ってしまいます。
3つの決まりまで破ってしまった主人公の家には、なぜかイマキヨさんがどんどん増加していました。最後の決まりだけは破らないようにしていた主人公ですが、謝ってはいけないイマキヨさんに謝ってしまうのです。すべてのルールを破った主人公はイマキヨさんとして取りこまれ、生きていかなければいけなくなってしまうのでした。
『世にも奇妙な物語』の人気エピソード2:懲役30日
実力派俳優三上博史と松重豊の共演作品。演技派として名高い二人の迫真の演技に圧倒され、『世にも奇妙な物語』の中でも恐ろしすぎてトラウマになる、と語り継がれている一作。90年代に放送されたエピソード屈指の名作です。
死刑制度が廃止された世界。多くの人を殺害した凶悪犯の男(三上博史)は、ついに女性とドライブを楽しんでいる時に逮捕されました。彼は裁判を受け、犯した罪に対して判決が出ます。彼に下された判決は、なんと「懲役30日」というとても短い刑期でした。
「これだけ短い懲役なら楽勝だ」とほくそ笑む凶悪犯。しかし、実はこの判決は死刑の方がましだと思うほど過酷で、苦痛を濃縮した恐ろしい判決だったのです。
死を感じてしまうほどの苦痛を与えられながら、実際の世界はまだ5分ほどしか経っていない、という「懲役30日」。凶悪犯は想像以上の苦しみを味わいますが、時間的には数分程度で一向に時間が進まないのに、次から次へと死んでしまいそうな苦痛が与えられます。
そして懲役の最終日である30日後。刑期を終えた凶悪犯は人間の尊厳をすっかり奪い取られた廃人となってしまったのでした。
『世にも奇妙な物語』の人気エピソード3:昨日公園
有村架純『コーヒーが冷めないうちに』/photo:You Ishii
タイムスリップものとして人気が高い「昨日公園」。2006年10月に放送された時はKinki Kidsの堂本光一さんが主演を務めていましたが、2015年に放送された「傑作復活編」のリメイク版では登場人物の性別を変更し、有村架純さんが主演を務めました。原作は直木賞作家朱川湊人の短編集『都市伝説セピア』に収録されている同名小説です。
性別や設定に若干の変更はあるものの、「未来を変える」というテーマに変更はありませんが、今回はオリジナルである2006年版のあらすじをご紹介します。
公園でキャッチボールをしている陽介(堂本光一)と親友の隆男(山崎樹範)。何気ないいつもの日常でしたが、その日隆男は片思いをしている典子(原田夏希)に告白を考えていると陽介に伝えます。自身も典子が好きな陽介は複雑な気持ちになりますが、それを顔に出さず隆男を励まします。
しかしキャッチボールをして別れた後、典子から隆男が死んだという連絡が入り陽介はショックを受けます。翌日、キャッチボールをしていた公園で落ち込む陽介。すると足元にボールが転がってきました。拾い上げると目の前には亡くなったはずの隆男が立っています。
自分が過去に戻ったことに気がついた陽介は、隆男を死なせたくないと思い、未来を変えるために奮闘しますが、どんなに頑張ってもなぜか隆男は死んでしまいます。自分の無力さに憔悴する陽介に、隆男はあることを伝え、陽介は親友の死を受け入れようとしますが…。
『世にも奇妙な物語』の人気エピソード4:シンクロニシティ
黒木メイサ(峰不二子役)『ルパン三世』/Photo:Naoki Kurozu
新津きよみの同名小説を原作に、黒木メイサ主演で作られたエピソード。久しぶりに会った友人と状況が色々重なる主人公。最初はその偶然に対して二人で無邪気にはしゃいでいましたが、実は偶然はひとつの必然に向かっていた…という不気味さが漂うエピソードです。
2016年に放送されましたが、話の面白さから人気を集め、好きなエピソードとしてあげられることが多い作品の一つです。最後の最後まで目が離せない内容となっています。
栄子(黒木メイサ)は彼氏に時計をプレゼントされましたが、サイズが合わないため調節をしようと時計屋さんへやってきました。すると、そこで大学時代の親友・朱美(藤井美菜)と再会します。話をすると、なんと朱美も自分とまったく同じ理由で時計屋さんへ時計のサイズを直しにやってきたとのこと。
不思議な偶然に彼女たちは盛り上がり、時計を直した後は懐かしさも手伝って、積もる話をするためにバーへと行きました。話が進むにつれて、二人のお互いの彼氏が同じ名前であることや、同じ日に付き合ったことなどが次々とわかってきます。バーのマスターはそんな二人の状況を「シンクロニシティ」で偶然ではなく必然のことだと話します。その話にはしゃぐ二人ですが、ふとあることを思い出してお互いに気持が暗くなります。
実は今日8月7日は二人がいじめて自殺に追い込んだクラスメートの命日でもあったのです。これまでのシンクロニシティに、彼女との関わりがあるのではないかと考える二人。そんな彼女たちの犯した罪に対して、かたき討ちをしようと大学時代の恩師が襲いかかります。
実はクラスメートとひそかに付き合っていた恩師は、彼女が二人のせいで追い詰められて自殺したことが許せなかったのです。しかし、クラスメートの自殺は二人のせいではなかったことが判明。二人は自分たちが罪を犯していなかったことを喜びます。
恩師と別れ、帰宅するためにタクシーに乗り込んだ二人。まだ話はつきず、二人はクラスメートを罠にかけるために落とし穴を掘ったが、それが重大なことにならずよかった、と話していました。タクシーの中の二人の会話を聞き、タクシー運転手はある話をします。数年前の今日、一人娘が誰かが掘った落とし穴にはまってけがをしたことが原因で命を落としたこと、妻が娘の死によって深く悲しみ数年後の今日に病気で亡くなったこと、生きる気力を失くした自分もまた今日自殺を考えていること…。
落とし穴を掘ったのは誰かを悟った二人ですが、その瞬間タクシーの運転手はそのまま大型トラックへと突っ込んで行きました。
『世にも奇妙な物語』の人気エピソード5:ズンドコベロンチョ
藤木直人『リメンバー・ミー』/photo:Masakazu Isobe
番組のストーリーテラーを務めているタモリが最も好きなエピソードだと述べている作品。脚本は2018年度上半期に放送されて話題を呼んだ朝ドラ『半分、青い』の北川悦吏子で、彼女にとっては出世作でもあります。1991年4月に草刈正雄主演で製作されましたが、2015年の「傑作復活編」では藤木直人主演でリメイクされました。
オリジナルはバブル全盛期の日本を描き、リメイク版はインターネットが普及した2010年代を描いています。時代に沿った描き方で展開がひと味違いますが、結末はほとんど同じです。
容姿端麗・頭脳明晰な会社員として人々から一目置かれている三上修二(草刈正雄・藤木直人)。自らの知識量に自信を持つ彼は、仕事の場でそれを披露し周囲の人間を圧倒していました。しかし、ある時「ズンドコベロンチョ」という奇妙な言葉を耳にします。たくさんの人の間で話題になっているズンドコベロンチョですが、三上はその意味も、何を指すのかも知りません。一部の人は「ズンベロ」と略していて「これを知らないと業界人じゃない」とまで言われる始末。
今更誰にも聞けない上に負けず嫌いな三上は必死にその意味を突き止めようとしますが、いつも革新に触れられそうな所で触れることができません。そんな中、ズンドコベロンチョの一大プロジェクトが発動し、三上がチーフとして抜擢されてしまいます。
ズンドコベロンチョの正体がまったく分からない三上は、「ズンドコベロンチョって何…?」と人々に問いかけ、彼の無知さに驚愕され、呆れられてしまいました。
『世にも奇妙な物語』の人気エピソード6:雪山
矢田亜希子/『不能犯』完成披露試写会
『世にも奇妙な物語』の中でも屈指の恐怖エピソードとして語られることの多い「雪山」。2000年の映画の特別編で放送され、主演は矢田亜希子が務めました。次々と明るみになっていく展開に恐怖が止まらない、トラウマになったという人が続出している傑作。脚本を担当したのは同じく怖いエピソードと名高い「懲役30日」を担当した鈴木勝秀なので納得ですね。
吹雪の雪山に墜落した旅客機。美佐(矢田亜希子)は親友の麻里(中村麻美)、他3人の男性となんとか命を取り留めますが、麻里は足をケガして歩くことができません。麻里も連れて山小屋を探しますが途中で断念し、雪の中へ埋めて再び山小屋を探しました。
なんとか山小屋を見つけた4人は、麻里を埋めた場所へ戻り、彼女を掘り起こして助けようとします。しかし明りがないため、掘り起こしたスコップで誤って麻里の首を刺し、彼女を殺してしまいました。
恐怖に駆られた4人は山小屋に戻って救助を待ちますが、やがて予想外の出来事が彼女たちの身に起こり…。
『世にも奇妙な物語』の人気エピソード7:美女缶
『来る』製作報告会
筧昌也監督が2003年に公開した自身の映画をドラマ用にセルフリメイクしたエピソードです。ドラマの主演は妻夫木聡で、2005年4月の「春の特別編」で放送されました。突拍子もないユニークな設定から人気が高いエピソードになっています。
雄太(妻夫木聡)の住むアパートの隣におじさんが引っ越してきました。彼の家には美女が国籍問わずに出入りし、雄太と同棲している彼女は不審がるものの雄太は特に気に留めていませんでした。
しかし、彼女が出張に出かけた日の朝、隣人の部屋から大勢の美女が出てくるのを目撃してあっけにとられてしまいます。彼は男が「美女缶」という缶詰を使っていることに気がつき、部屋からそれを盗み出すことに。
美女缶から出てきた美女の存在に戸惑う雄太ですが、次第に打ち解けていきます。しかし、美女缶から出てきた美女には使用期限があり、それを過ぎると消えてしまうことに気がついた雄太は…。
『世にも奇妙な物語』の人気エピソード8:ロッカー
『ボクの妻と結婚してください。』(C)2016映画「ボクの妻と結婚してください。」製作委員会