女同士のパワーゲーム!映画『女王陛下のお気に入り』が日本公開!
『女王陛下のお気に入り』(C)2018 Twentieth Century Fox
彼女たちの三つ巴の争いを、世代を代表するエマ・ストーンをはじめとする3大女優がこれまで見せたことのない挑発的な演技を披露します。さらに、美しくも斬新なビジュアルと音楽とともに描き出された『女王陛下のお気に入り』は、アカデミー賞にて最多の10部門ノミネートを果たしました。そんな本作の魅力や、注目すべき点をまとめました。
『女王陛下のお気に入り』あらすじ
『女王陛下のお気に入り』(C)2018 Twentieth Century Fox
18世紀初頭、フランスとの戦争状態にあるイングランド。虚弱な女王、アンが王位にあり、彼女の幼なじみ、レディ・サラが病身で気まぐれな女王を動かし、絶大な権力を振るっていた。そんな中、没落したサラの従妹アビゲイルが召使いとして参内し、その魅力がレディ・サラとアン女王を引きつける。
エマ・ストー-(C)Getty Images
レディ・サラはアビゲイルを支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を伺っていた。戦争の継続をめぐる政治的駆け引きが続く中、急速に育まれるサラとの友情がアビゲイルにチャンスをもたらすが、その行く手には数々の試練が――。
『女王陛下のお気に入り』に原作はあるの?
レイチェル・ワイズ-(C)Getty Images
『女王陛下のお気に入り』には、原作のなる小説などはないものの、登場人物の多くは、実在したとされる歴史上の人物。例えば、オリヴィア・コールマン演じるアン王女は、最後のイングランド王国・スコットランド王国君主で、最初のグレートブリテン王国君主、及びアイルランド女王として知られてる人物です。
エマ・ストーン (C) Getty Images
また、エマ・ストーンが『女王陛下のお気に入り』で演じるアビゲイルメイシャムは、旧姓はアビゲイル・ヒルで、父はロンドン商人フランシス・ヒル、母エリザベスは、レイチェル・ワイズ演じるサラ・チャーチルの叔母に当たります。さらに、サラ・チャーチルは、アン女王の女官としてだけでなく、夫である初代マールバラ公ジョン・チャーチルの出世に貢献した女性としても、歴史的に知られてるのです。
『女王陛下のお気に入り』のメガホンを取るのは、ヨルゴス・ランティモス
(C)2018 Twentieth Century Fox
『女王陛下のお気に入り』の監督、ヨルゴス・ランティモスはギリシャの代表的な監督の1人。2012年、『ザ・ガーディアン』紙では、「この世代のギリシャの映画監督のなかで最も才能のある人物」と評されるほどの実力の持ち主です。
(C)2018 Twentieth Century Fox
『女王陛下のお気に入り』以前の作品も、数多くの賞を受賞しており、特にカンヌ国際映画祭では、作品を発表するたびに注目を集めています。過去作である『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は、脚本賞を受賞。
■『女王陛下のお気に入り』監督、あまりの演出にあの大女優を困惑させる?
『ドリームハウス』レイチェル・ワイズ -(C) 2011 MORGAN CREEK ALL RIGHTS RESERVED
ヨルゴス・ランティモス監督が『女王陛下のお気に入り』以前に手がけた『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』には、コリン・ファレルやニコール・キッドマンが出演したことで話題に。ところが、その作品の内容があまりにも何難解かつ、ホラー的な要素もあるゆえに、ジャンルが何なのか戸惑う人も…ニコール・キッドマンは監督から「これはコメディなんだ」と言われて、さらに戸惑ってしまったとインタビューで語る一面もありました。
アカデミー賞にて、ノミネート数最多となる『女王陛下のお気に入り』
オリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』) (C) Getty Images
これまで、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートするほどの実力を持つヨルゴス・ランティモスですが、『女王陛下のお気に入り』では、何と第91回アカデミー賞にてノミネート数最多の10部門ノミネートを記録。対抗馬は、『ゼログラビティ』でアカデミー賞監督賞を受賞したこともあるアルフォンソ・キュアロンのNetflixオリジナル映画『ROMA/ローマ』という展開が、すでに多くの映画ファンの注目を集めています。
レイチェル・ワイズ -(C) Splash/AFLO
他にも、英国アカデミー賞にて、『女王陛下のお気に入り』は作品賞、女優賞、脚本賞をはじめ、当時の衣装の再現率が高いこともあって、衣装デザイン賞やメイキャップ&ヘアスタイリング賞など現場の技術面でも高い評価を得ています。果たして本作は『ROMA/ローマ』を差し置いて作品賞や監督賞を受賞できるのか!乞うご期待です。
東京国際映画祭にて、一足先に上映されていた『女王陛下のお気に入り』
エマ・ストーン-(C)Getty Images
2018年10月25日から行なわれた「第31回東京国際映画祭」にて、『女王陛下のお気に入り』は、特別招待作品として先行上映していたのです。「東京国際映画祭」とは、毎年10月に日本の東京で開催され、長編作品のみを対象とする国際映画製作者連盟 (FIAPF) 公認の国際映画祭です。
招待枠のため、映画祭での受賞はありませんでしたが、『女王陛下のお気に入り』の他に、特別招待作にはブラッドリー・クーパー監督作の『アリー/ スター誕生』や、あの『ROMA/ローマ』も上映されていました。