『古都』とは
『古都』本ポスター -(C)川端康成記念會/古都プロジェクト
古都・京都を舞台とした川端康成原作の長編小説。名所や史跡、伝統や文化、四季折々の京都が表現された小説は日本人として初のノーベル文学賞対象作となっております。同作は1963年に岩下志麻さん主演で実写化され、1980年には山口百恵さんの引退作としても封切されました。
上戸彩(オーロラ姫役)/『マレフィセント』日本語吹き替え版・完成披露試写会
また、テレビドラマでは1964年のNHKを皮切りに6度行われ、1番の近々では、2005年に上戸彩さん主演にて放映されております。本作『古都』は世界中誰とでも瞬時に繋がれるネット時代である現在に置き換えた映画で、主人公である千重子と苗子が母になった様が描かれています。
映画『古都』のあらすじ
松雪泰子(千重子)/『古都』-(C)川端康成記念會/古都プロジェクト
京都室町で先祖代々の呉服屋を引き継いで20数年。今も変わらず守り続けている千重子(松雪泰子)は西陣の機織りの音が聞こえなくなる街並みや廃業する職人に寂しい重いを抱いていました。娘の舞は就活の真っ最中で、同じく就活に上手くいっていない友人からは、どうせ最後は家を継ぐのでしょうと言われても、舞はまだ悩み続けています。千重子としては、舞には社会勉強させた後、後を継がせようと考えていました。
松雪泰子(笛子)/『古都』-(C)川端康成記念會/古都プロジェクト
千重子には20数年前の祇園祭りの夜に出会った、生き別れた妹である苗子(松雪泰子)がいます。苗子は北山杉で林業を営み、娘である結衣(成海璃子)は絵画の勉強をする為にパリに留学しますが、本当に描きたいものが見つからず瞑想していました。竜助(伊原剛志)と千重子は外国人ツアーや竜助の実家の手伝いをしながら、なんとか呉服屋を守っていたのです。
『古都』-(C)川端康成記念會/古都プロジェクト
舞は内定をもらうことに成功するが、それは千重子が根回しして合格したものであると気付き、勝手に辞退してしまい、親子喧嘩になり家を飛び出します。舞は自分が何をしたいのか、家を継ぐのか悩みます。舞と結衣のアイデンティティーに刻まれた古都・京都の伝統が、どう人生の岐路に生きていくのでしょうか。
映画『古都』を彩る日本映画を継承するキャスト
成海璃子&松雪泰子&橋本愛/『古都』完成披露試写会
『古都』を彩るキャスト陣には日本映画の伝統を継承する俳優陣が“おいでやす”しております。そんなキャストを“見とくれやす”。
■『古都』で老舗な美を彩る松雪泰子
松雪泰子 photo:Yoko Saito
名前から美しいのは松雪泰子さん。「白鳥麗子でございます」の強烈な印象で一気に知名度を上げた松雪泰子さんは、「毎度おジャマしまぁす」でザテレビジョンドラマアカデミー賞ベストドレッサー賞を獲得し、まずビジュアルでの人気をとると、「ベストフレンド」、「救命病棟24時」、「Mother」、『MONDAY』、『子ぎつねヘレン』、『フラガール』、『余命』と活躍され、『フラガール』では日本アカデミー賞優秀主演女優賞など賞も獲得し、人気・実力と共に持つ女優です。
松雪泰子/『古都』完成披露試写会
『古都』では道に悩む娘を支える母、千重子と苗子の2役を演じます。捨て子で老舗の呉服屋に拾われて育てられ、自分の素性に気が付きながら育ち、20歳の時に実の妹である苗子に出逢い、育ての両親と向き合い、呉服屋を継ぐことを決意。そして娘が20歳になり、自分がそうだったように娘に継がせるのか、やりたいようにさせるのかを苦悩します。成海璃子さんと歩くシーンで、お母さんと言われると違和感がありました。お姉さんに見えて仕方ありません。
■『古都』で新風な美を彩る橋本愛
橋本愛/映画『うつくしいひと』東京国際映画祭での上映にて
日本映画会のニュージェネレーション世代で、一際目立つアジアンビューティーな橋本愛さん。ミスセブンティーンに選ばれモデルとして活躍しながらも、『告白』に出演し一気に知名度を上げます。その後は、連続テレビ小説「あまちゃん」、『管制塔』、『Another』、『桐島、部活やめるってよ』では、日本アカデミー賞優秀新人俳優賞など数々の新人賞を獲得し、その後も『バースデーカード』、『ここは退屈迎えに来て』、『21世紀女子』と、火の国の女の勢いは止まることを知りません。
橋本愛『バースデーカード』/photo:Nahoko Suzuki
『古都』では千重子の1人娘である舞を演じます。面接で、この会社で成し遂げたい事はありますかと聞かれ、何も答えられない舞は、自分がどうしたいかも分かりません。そんな舞の為に千重子は口利きをして内定をもらいますが、舞は勝手に辞退。そんな折、書道の先生からフランス行きを持ちかけられ迷っていると、父である竜助は自らの経験と照らし合わせてフランスへと見送ります。同じ古都であるパリで何かが見えるのでしょうか。
■『古都』で和洋な美を彩る成海璃子
『罪とか罰とか』 成海璃子 photo:Yoshio Kumagai
キリッとした太い眉毛が印象的な成海璃子さん。『TRICK』で仲間由紀恵さんの少女役でデビューし、「瑠璃の島」でドラマ初主演をします。あの前田敦子さんと共演した『あしたの私のつくり方』で主演を務め、山路ふみ子映画賞新人女優賞を受賞し、演技力の高さを評価され、演技派女優と呼称されるようになります。「咲くやこの花」、大河ドラマ「平清盛」、『山形スクリーム』、『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』、『ナミヤ雑貨店の奇跡』と次々とキャリアを重ねる女優です。
成海璃子/『古都』完成披露試写会
『古都』ではパリに絵画を勉強する為に留学する苗子の娘、結衣を演じます。縁もゆかりもない地で1人強く生きていく結衣は、その絵画の実力を先生に認められる程。しかしどう表現したいのか、目に見えるものしか描けていないと先生に指摘され結衣は悩みます。そんな時、母の苗子がフランスに来て、その対話の中から、何かを見出して行くのです。