あらすじ① 革新的なサービス、スピードシステム
『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』 (C)2016 Speedee Distribution,LLC. ALL RIGHTS RESERVED
舞台は1954年のアメリカ。レイ・クロックはイリノイ州で妻と平凡に暮らす52歳の営業マン。シェイクミキサーの営業で中西部を回る日々を送っていたある日、カルフォルニアのレストランから大量のオーダーが入ります。携帯もインターネットもない時代、電話番号と住所をメモしてカルフォルニアへ向かうと、そこにはディック&マック兄弟が経営するハンバーガーショップのマクドナルドがありました。注文されたハンバーガーがすぐに提供されることに驚くレイ。さらにテニスコート半分ほどの広さに合理的な流れ作業のスピード・サービス・システムという革新的なコンセプトがあることを知り、商機を見出します。レイは壮大なフランチャイズビジネスを思いつき、マクドナルド兄弟を説得し、契約を交わします。
あらすじ② 黄金のアーチを全米に広げよう!フランチャイズの展開
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故郷のイリノイ州でマクドナルドのフランチャイズを始めたレイ。苦労しながらもフランチャイズを広げていきます。資金繰りに苦労し悩んでいたレイは、レストラン経営において必須の冷蔵庫に着目。ある日出会ったジョアンから、ミルクシェーキにはアイスクリームではなく、インスタントの粉ミルクシェーキを使うことを勧められます。これにより冷蔵庫の費用を減らせると考えたレイですが、オリジナルのメニューにこだわるマクドナルド兄弟は反対します。
あらすじ③ 誰がマクドナルドの創業者?深まるマクドナルド兄弟との対立
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次にレイが出会ったコンサルタントのハリーからは、フランチャイズ開設は不動産ビジネス(土地を買って貸す)であることも教わり、新たに不動産会社を設立。レストランを不動産ビジネスとして成功させたレイですが、独自の路線でビジネスを拡大しようとしたためにマクドナルド兄弟との対立は深まります。マクドナルドを作ったのは俺たちだ!と主張する兄弟と、フランチャイズを発展させているのは俺だと!主張するレイとで喧嘩になります。マクドナルド兄弟の兄はレイとの対立のストレスから入院してしまいます。
あらすじ④ マクドナルド兄弟との最終契約と決別
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マクドナルド兄弟を見舞いに訪れたレイは、兄弟との和解、最終契約を成立させようとします。最終契約について、兄弟は2億7千万ドルの支払いとマクドナルドの名前を使用する際に年間1%の使用料を要求。契約をまとめて兄弟と決別を図るレイは、マクドナルドの名前の使用に関して本音を漏らします。そこにマクドナルドの成功の秘密がありました。
映画のみどころは
この映画は、52歳の冴えない営業マンが全財産をかけてアメリカン・ドリームを実現するストーリーです。劇中で成功の秘密は根気と語ったレイ。学歴も才能もないレイが失敗を繰り返しながら、根気強く粘り運を手にした印象を受けます。新しいビジネスを始めることの難しさと素晴らしさ、創業には年齢、学歴は関係ないというとことを学べる作品です。
成功のヒミツ① 名前 "McDonald's"
マクドナルド -(C) Getty Images
この映画でも語られていますが、マクドナルドという店名はマクドナルを成功させたレイ・クロックではなく、マクドナルド兄弟が由来。レイが最後までこの名にこだわったのは、非常にアメリカ的な名前だからと説明しています。レイの名字クロックはスラブ系(レイはチェコ系)と言います。マクドナルド兄弟の両親はアイルランドからの移民でした。英国文化の影響の強いアメリカではマクドナルドのほうがアメリカ的。そういった点でもアメリカ人にアピールしたのかもしれません。
成功のヒミツ② スピードシステム
マクドナルドの成功を学べるこの映画ですが、マクドナルド兄弟のスピードシステムはレイを驚愕させました。従来のレストランのように待たず、30秒で注文品が出来上がるスピードシステムは革命的。ヘンリー・フォードの流れ作業が自動車生産システムを変えたように、スピードシステムはレストランビジネスを変え、ファーストフードビジネスの誕生となりました。
成功のヒミツ③ フランチャイズは不動産ビジネス
全国どこでも同じサービス、同じメニューを楽しめるフランチャイズ。素晴らしい食事と素早いサービスを提供しても、それだけではフランチャイズは成功しません。レイはフランチャイズビジネスが同時に不動産業でもあるとアドバイスされ、それを実践し、成功しました。今日ではマクドナルドは収入の多くを不動産ビジネスで得ていると言われています。
マイケル・キートン、創業者の怪演
マイケル・キートン-(C)Getty Images
マイケル・キートン -(C) Getty Images
主人公のレイを演じたマイケル・キートンはバットマンで一躍有名になりました。今回は成功を収めたビジネスマンを演じています。ほかにも1980年代にアメリカに進出した日本の自動車メーカーの悪戦苦闘を描く『ガン・ホー』にも出演しており、日本人とアメリカ人労働者の間に立つビジネスマンを演じました。今回の演技は高い評価を得ています。まだ、アカデミー賞受賞歴はありませんが、ぜひとも将来受賞してほしいものです。
まとめ
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