俳優一家で育ったホアキン・フェニックス
ホアキン・フェニック
ホアキン・フェニックスの家族は、彼の兄や姉妹も役者であることで知られています。兄であるリバー・フェニックスは、1993年に薬物の大量服用によって亡くなっていますが、姉のレイン・フェニックスや、妹のサマー・フェニックスも女優として活動しています。
母親はアメリカのTV局NBCに務め、そのきっかけでホアキン・フェニックスは8歳から演技の道を歩み始めました。1986年に、12歳のホアキン・フェニックスは“リーフ・フェニックス”の名義で『スペース・キャンプ』で映画デビュー。1989年に、映画『バックマン家の人々』の出演で注目を浴びたが、その後活動を休止することに。
ホアキン・フェニックス
妹のサマー・フェニックスは、俳優のケイシー・アフレックと結婚しています。ちなみにケイシー・アフレックの兄、ベン・アフレックも俳優であり、もはや身内だけで結構なスケールの映画が作れそうです。
ホアキン・フェニックス、死去の兄リヴァー・フェニックスへの思い
クラウドファンディングで「リヴァー・フェニックスフェス!」『ダーク・ブラッド』
ホアキン・フェニックスの兄、リヴァー・フェニックスは『スタンド・バイ・ミー』を始め、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』でハリソン・フォードを扮するインディの青年時代を演じて、俳優の魅力を放っていました。映画『ダーク・ブラッド』の撮影を終了せずに、23歳の若さで急逝。
1993年のハロウィーンの日に、リヴァー・フェニックスは当時ジョニー・デップが共同所有していたナイトクラブ「ザ・ヴァイパー・ルーム」で、19歳のホアキン・フェニックスの目の前で倒れました。ホアキン・フェニックスは救急車を呼んだが、すでに時遅し。死因は薬物の過剰摂取による心不全で急死。
先日、トロントでの「トリビュート・アクター・アワード」授賞式では、ウィレム・デフォーがまだ紹介している最中に登場して笑いを誘っていたが、スピーチでは母親や家族らに対して、とりわけ兄リヴァーについて語った言葉が多くの映画ファンを涙させることになった。
それはホアキンが15、16歳ごろのこと。『ジョーカー』でも共演するロバート・デ・ニーロ主演、マーティン・スコセッシ監督の『レイジング・ブル』('80)のVHSテープを持って帰宅したリヴァーは、ホアキンに映画を見せ、翌朝起きてからもまた見せたのだという。「お前はもう一度演技をやるんだ。これがお前のやるべきことなんだよ」、そうホアキンに話したことを明かし、リヴァーのおかげで「演技が素晴らしい人生を与えてくれた」ことに涙を浮かべながら感謝を述べていた。
ホアキン・フェニックス、俳優引退するってよ
『Two Lovers』(原題)ニューヨーク・プレミアに出席したグウィネス・パルトロー、ホアキン・フェニックス、ヴィネッサ・ショウ -(C) AFLO
リドリー・スコット監督の『グラディエーター』では、主演のラッセル・クロウを食う勢いの演技を見せたり『ウォーク・ザ・ライン/君に続く道』ではカントリー歌手の役だけでなく、劇中歌も担当したことでゴールデングローブ賞主演男優とグラミー賞を同時受賞。
そんな飛ぶ鳥を落とす勢いホアキン・フェニックスが、突如俳優を引退するといい、世間をざわつかせました。当初は『ウォーク・ザ・ライン/君に続く道』で演じたようなカントリー歌手にでも転向するのかと言われましたが、彼が選択したのは君に続く道ではなくラッパーの道でした。
ルーニー・マーラ&ホアキン・フェニックス(C)Getty Images
もともと少し変わった言動で知られていたホアキン・フェニックスなだけに、瞬く間に映画界をざわつかせたこの宣言。実際にホアキンのコンサートも開催されましたが、その時の風貌はこれ以上にないほど髭がもじゃもじゃ。さらにはヤジを飛ばす客と乱闘までするという体たらくでした。
ホアキン・フェニックス 、ラッパー引退するってよ
朗読会に出席したホアキン・フェニックス(左)とケイシー・アフレック
ベジタリアンなのにアルコール中毒になったり、車で事故を起こしたのに、ガソリンが漏れる車中でタバコを吸おうとしたりと、ちょっと不思議ちゃんなホアキン・フェニックス。そんな日頃の行いもあって、このラッパーへの転向を「本気」なのか、それとも何かのドッキリか?と、メディアでは情報が錯綜。しかし、最初のコンサートからおよそ1年半、一連の行動は全てのフェイクドキャメンタリーのためであったと告白しました。
ホアキン・フェニックス/『her/世界でひとつの彼女』 Photo courtesy of Warner Bros. Pictures
その後、ラッパーの転向も演出と語ると、ホアキン・フェニックスは無事俳優へ復帰。復帰作には、クリント・イーストウッド監督の名前が上がるなど、大きな注目を集めました。ちなみに肝心のフェイクドキュメンタリーの内容は『容疑者 ホアキン・フェニックス』で確認できます。監督はあのケイシー・アフレックです。
最近のホアキン・フェニックスの不思議ちゃん事情
ホアキン・フェニックス、S・ジョーンズ監督最新作でコンピューターと恋に落ちる?
『少年は残酷な弓を射る』のリン・ラムジー監督最新作『ビューティフル・デイ』で主演を務めたホアキン・フェニックスは、この演技を評価されカンヌ国際映画祭にて主演男優賞を受賞。ところが、当人はどうせ受賞しないだろうと思っていたらしく、タキシードなのに革靴をスニーカーに履き替えてしまったのです。
ホアキン・フェニックス -(C) Getty Images
そのため、受賞当時の写真を見ると顔色一つ変えずに、コンバースを履いているホアキン・フェニックスの姿を見ることができます。ただし本人は本当に受賞していないと思っていたため、名前を呼ばれても固まっていたのです。ちなみにホアキン・フェニックスは賞レースに無頓着なことでも有名だとか。
ホアキン・フェニックスの恋人とは?
ルーニー・マーラ&ホアキン・フェニックス-(C)Getty Images
ホアキン・フェニックスのガールフレンドは、『ドラゴン・タトゥーの女』でリスベット役を演じたルーニー・マーラです。2016年からスパイク・ジョーンズ監督作『her/世界でひとつの彼女』で共演したことをきっかけに、交際をスタートさせました。
ルーニー・マーラ&ホアキン・フェニックス(C)Getty Images
カンヌ国際映画祭での、スニーカー事件の際にホアキン・フェニックスの隣に座っていたのもルーニー・マーラ。余談ですが『セインツ -約束の果て-』『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』に出演したルーニー・マーラの夫役を演じたのは、何を隠そうホアキン・フェニックスの義弟、ケイシー・アフレックです。果てしない…。