『グリーンブック』が描く、2人の人種を超えた友情!
© 2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
2019年のアカデミー賞作品賞を受賞した『グリーンブック』 裕福だけど孤独な黒人ピアニストと、貧しいけれど家族や仲間と過ごす白人という、人種だけでなく環境までもが真逆の2人が、音楽ツアーで各地を旅するロードムービーです。これまでにも多くの人種問題を取り扱う作品が制作されましたが、『グリーンブック』は決して説教くさい内容ではなく、ユーモア溢れる人情劇になっています。
ヴィゴ・モーテンセン-(C) Getty Images
キャストには『はじまりへの旅』などに出演するヴィゴ・モーテンセンと、『ムーンライト』でアカデミー賞助演男優賞を獲得し、話題作に引っ張りだこのマハーシャラ・アリが共演。豪華実力派キャストで送る『グリーンブック』の魅力に迫ります。
『グリーンブック』あらすじ
© 2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
1962年、差別が残る南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニスト、ドン・シャーリーは、粗野で無教養のイタリア系、トニー・リップを用心棒兼運転手として雇うことに。黒人用旅行ガイド<グリーンブック>を頼りに、正反対のふたりは旅を始めるのだが――。
『グリーンブック』がアカデミー賞作品賞を受賞!
第91回アカデミー賞作品賞を受賞した『グリーンブック』 (C) Getty Images
第91回アカデミー賞にて、『グリーンブック』が最高賞にあたる「作品賞」をはじめ「脚本賞」「助演男優賞」を受賞しました!アカデミー賞の行方を占うゴールデングローブ賞でも「作品賞(ミュージカル・コメディ部門)「助演男優賞」「脚本賞」の最多3部門を受賞。トロント国際映画祭でも最高賞の「観客賞」を受賞するなど、各映画祭でも大きな注目を集めました。
マハーシャラ・アリ-(C)Getty Images
ちなみに『グリーンブック』で助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリは、第89回アカデミー賞にて作品賞を受賞した『ムーンライト』(2016)に続いて、2度目の快挙を達成。さらに第91回アカデミー賞で長編アニメーション賞に輝いた『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)にも声の出演をしているなど、まさにマハーシャラ・アリが出演する作品にハズレなしといった状態なのです。
『グリーンブック』のキャスト・監督に注目!
© 2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
ここからは、『グリーンブック』に出演する豪華キャストをご紹介。近年日本での知名度がどんどん上昇しているマハーシャラ・アリやヴィゴ・モーテンセンをはじめ、脇を固めるキャストや監督についてもまとめました。実在の人物を描いている作品ですが、皆個性的なキャラクターというのも特徴です。
■ヴィゴ・モーテンセン/トニー・ヴァレロンガ役
『はじまりへの旅』 (C)2016 CAPTAIN FANTASTIC PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
『グリーンブック』で、ヴィゴ・モーテンセンが演じるのは、トニー・リップの通称でも知られる俳優、トニー・ヴァレロンガ。ドン・シャーリーの付き人役として、ツアーに同行することになります。作中ではあまり触れられませんが、フランシス・フォード・コッポラ監督作の『グッドフェローズ』で実在の犯罪者を演じているなど、役者として様々な作品に出演している実在の人物です。
© 2007 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
ヴィゴ・モーテンセンは『グリーンブック』の他に第89回アカデミー賞にて、主演男優賞にノミネートされた『はじまりへの旅』や、デヴィッド・クローネンバーグ監督作の『イースタン・プロミス』に出演しています。特に日本での知名度を上げた役には、『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役が代表作でしょう。
『グリーンブック』撮影裏話で明かした、役作りの辛さ
『グリーンブック』の監督であるピーター・ファレリー曰く、本作でヴィゴ・モーテンセンは実在の人物、トニー・リップのような体型にするため約20キロの増量を行いました。ヴィゴは「撮影が始まる前に、朝晩自分が食べたいと思う以上に食べて、体重を維持するべきレベルまで持っていった」と体重づくりについて明かすも、「もっと増やすこともできた気がしたけど、20キロが限度って感じがしたし、自分の中ではよくやったと思う」と本音をぽろり。
『偽りの人生』 -(C) 2012 Tornasol Films SA/Haddock Films SRL/Castafiore Films SL/Terz Filmproduktion
そんなヴィゴの『グリーンブック』での役作りの大変さがよくわかるシーンをご紹介。ヴィゴ演じるトニーがホットドッグの早食い大会に参加するシーンでは、なんと15個のホットドッグを平らげたそうです。「吐き出すためのバケツも用意したけど、ヴィゴは使わなかった。本物を追求する男だから、全部飲み込んでいた」と、監督からは驚きの発言。それでも週末だけで普通の量で食事をすると、衣装係から「体型が戻り始めているからまた太るように」と言われとか。役者の体型維持がいかに過酷なものかよく分かるエピソードでした。
■『グリーンブック』ドクター・シャーリー役をマハーシャラ・アリが熱演!
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 -(C) 2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros.
『グリーンブック』で、まだ人種差別が残るアメリカ南部にてあえてコンサートツアーを行った黒人ピアニスト、ドクター・シャーリーを演じるのは『ムーンライト』や『ドリーム』(2016)で存在感を知らしめてきたマハーシャラ・アリ。本国ではデヴィット・フィンチャー監督作『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008)に出演すると、以後様々な作品に出演するようになります。
『アリータ:バトル・エンジェル』(C) 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation