『ハウス・ジャック・ビルト』が日本でノーカット版として公開!
『ハウス・ジャック・ビルト』(C)2018 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31,ZENTROPA SWEDEN,SLOT MACHINE,ZENTROPA FRANCE,ZENTROPA KOLN
『ハウス・ジャック・ビルト』とは、殺人鬼ジャックを主人公に、彼の残酷な殺しのエピソードを12年に渡って紐解いていくという、これまでに無いシリアルキラーを描いた問題作です。その過激な描写、神経を疑うジャックの行動に観客は騒然。映画祭では物議を醸し、アメリカでは過激すぎるあまり修正したものを公開するまでになりました。
マット・ディロン、豊田エリー/『ウェイワード・パインズ 出口のない街』来日記者会見
そんな2019年最大にして最高の問題作『ハウス・ジャック・ビルト』が日本にて上映決定!なんと日本では一切修正を加えていない、ノーカット完全版がR-18指定(18歳未満の入場・鑑賞を禁止する映画のレイティング)で公開されます。果たして『ハウス・ジャック・ビルト』はどこまで過激で、監督は何を考えてこの作品を取ったのでしょうか?
『ハウス・ジャック・ビルト』あらすじ
『ハウス・ジャック・ビルト』 (C) 2018 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31,ZENTROPA SWEDEN,SLOT MACHINE,ZENTROPA FRANCE,ZENTROPA KOELN
1970年代の米ワシントン州。建築家になる夢を持つハンサムな独身の技師ジャックは、あるきっかけからアートを創作するかのように殺人に没頭。彼の5つのエピソードを通じて明かされる、“ジャックの家”を建てるまでのシリアルキラー12年間の軌跡を描く。
『ハウス・ジャック・ビルト』は6部構成で、殺人鬼の軌跡をたどる作品
ユマ・サーマン&タランティーノ -(C) Getty Images
過激な問題作『ハウス・ジャック・ビルト』は、ジャックが殺人鬼になるきっかけとなった出来事を始め、「5つの出来事」とエピローグの6部構成で進んでいきます。それぞれの出来事に特定の被害者がおり、彼ら彼女らがどのような最後を迎えるのか。その時、彼は何を考えていたのかを、ジャックとある老人との対話で語られます。
『ハウス・ジャック・ビルト』 (C) 2018 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31,ZENTROPA SWEDEN,SLOT MACHINE,ZENTROPA FRANCE,ZENTROPA KOELN
そもそも『ハウス・ジャック・ビルト』の主人公、ジャックはハンサムな技師で、自分の家を建てるために建築家を夢見ている人物。そんな彼が、ある日車が故障して立ち往生している女性に手を貸すも、酷い態度で接せられたことで彼女を撲殺してしまいます。これをきっかけに、ジャックはまるでアートを創り上げるかのように、殺人を犯していくのです。
その行為は次第に大胆になっていき、そんなことを12年もの間繰り返していきます。
『ハウス・ジャック・ビルト』の評価は真っ二つ!スタンディングオベーションも退場者も続出
M・ナイト・シャマラン、マット・ディロン/『ウェイワード・パインズ 出口のない街』来日記者会見
『ハウス・ジャック・ビルト』の批評家や映画祭での評価は大きく分かれており、まさに賛否両論の状態です。その証拠に、カンヌ国際映画祭で上映されると、あまりにグロい演出や道徳心を疑うような過激な展開に、退席者が続出。しかし、その一方で上映が終わると、残った観客からスタンディングオベーションが巻き起こるほどのリアクションも。本作の評価はまさに真っ二つなのです。
「ウェイワード・パインズ 出口のない街」主演を務めるマット・ディロン
ただ、『ハウス・ジャック・ビルト』の監督であるラース・フォン・トリアーは、過去作品でも観客を挑発する過激な演出を多用することで知られています。「退席者続出」は、むしろファンにとって、スタンディングオベーションより良い意味で捉えられるかもしれません。「退席者続出」は、監督のステータスのようなもの。だからこそ、予告編などでもこのことを大きく取り上げているのです。
『ハウス・ジャック・ビルト』のキャストは?
ライリー・キーオ -(C) Getty Images
『ハウス・ジャック・ビルト』のラース・フォン・トリアー監督はデンマーク出身ですが、本作の舞台はアメリカなので、有名なハリウッド俳優が多く出演しています。(ただし設定がアメリカなだけで、撮影自体はスウェーデンで行われています)ここでは、『ハウス・ジャック・ビルト』に出演するキャストをピックアップ!
■殺人鬼ジャック/マット・ディロン
「ウェイワード・パインズ 出口のない街」主演を務めるマット・ディロン
『ハウス・ジャック・ビルト』にて、主人公ジャックを演じるのはアメリカの俳優マット・ディロンです。ラース・フォン・トリアーとは初めてのタッグを組み、自分にオファーが来た時は驚いたと同時に、これまで監督の作品に出演した俳優が皆監督を尊敬していることを知り、出演を決めたそうです。
マット・ディロン/『ウェイワード・パインズ 出口のない街』来日記者会見
『ハウス・ジャック・ビルト』で主役に抜擢されたマット・ディロンは、代表作にガス・ヴァン・サント監督の『ドラッグストア・カウボーイ』(89)や、第78回アカデミー賞作品賞を受賞した『クラッシュ』(04)などがあります。マット・ディロンは『ハウス・ジャック・ビルト』の脚本を読んだ時、「これまで全く読んだことのない類のものだった」と語り、「やがてこれはホラーとコメディが合わさった作品なんだと分かった」と、本作の魅力を明かしました。
マット・ディロンが明かす『ハウス・ジャック・ビルト』で過酷だったシーン
『ANTICHRIST』記者会見にて(左から)シャルロット・ゲンズブール、ラース・フォン・トリアー監督、ウィレム・デフォー
『ハウス・ジャック・ビルト』で最も過酷だったシーンを、マット・ディロンはライリー・キーオと共演した「第4の出来事」 ライリー・キーオ演じるシンプルの恋人であるジャックが、彼女にひどい仕打ちをする章です。ライリー・キーオ自身も役とはいえ、屈辱的なシーンであったため、マット・ディロンもかなり苦戦したと語っています。当時とてもこのシーンは演じられないと監督に打ち明けると、「ただ僕を信じて」と返し、マット・ディロンにとってこれまでにない、タフな経験となったと明かしました。