バットマン映画の最高傑作『ダークナイト』とは?
『ダークナイト』(C) Warner Bros. Entertainment Inc.
『ダークナイト』は、DCコミックスの人気ヒーロー漫画、バットマンシリーズの実写映画化作品です。2008年に公開された本作は、バットマンシリーズの6作目でありながら、シリーズ最高の1億ドルという驚異的な興行収入を達成し話題となりました。
ヒーロー映画の概念を覆すような重厚なストーリーと人物描写、そして本作でバットマンの宿敵・ジョーカーを演じたヒース・レジャーの怪演ぶりが大きな反響を呼び、「アメコミ映画の最高傑作」として現在もアメコミファンの間で語り継がれる名作となっています。
『ダークナイト』は3部作『ダークナイト・トリロジー』のひとつ
『バットマン』 (c) Warner Bros. Entertainment Inc. BATMAN and all related characters and elements are trademarks of and (c) DC Comics.
バットマンシリーズは累計8作品が公開されました。そのなかで、映画監督のクリストファー・ノーランが監督と脚本を務めた作品は「ダークナイト・トリロジー」と呼ばれています。「ダークナイト・トリロジー」は全部で3作品あり、作品名と公開順は以下の通りです。
①『バットマン・ビギンズ』(2005年)
②『ダークナイト』(2008年)
③『ダークナイト・ライジング』(2012年)
ノーランは、2000年公開のサスペンスの名作『メメント』を手掛けた鬼才であり、2010年にはレオナルド・ディカプリオ主演の『インセプション』の監督と脚本を務めた、アカデミー賞の常連。ヒーロー映画ながらも、まるでサスペンス映画のような手に汗握る展開と、ご都合主義なしのリアリティあふれる描写が大きな反響を呼びました。

クリスチャン・ベイル インタビュー 『ダークナイト』シリーズ7年間に万感の思い | cinemacafe.net
https://www.cinemacafe.net/article/2012/12/04/14543.htmlクリストファー・ノーランが「バットマン」に新たなる解釈描き上げた最高傑作『ダークナイト』シリーズ。ノーラン監督が描く革新的な映像美と壮大な世界観で、公開を迎えるたびに話題をさらってきた本作で、2005年から7年間、バットマンこと主人公・ブルース・ウェインを演じたことは、俳優クリスチャン・ベイルにどんな意味をもたらしたのか? まもなく『ダークナイト ライジング』のDVD&ブルーレイがリリースとなる今、改めてクリスチャンにその胸の内を語ってもらった。
『ダークナイト』は批評家からの評価も高い!受賞数は30超え⁉
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『ダークナイト』は、バットマンファンだけでなく、映画評論家からも絶賛される異色のヒーロー映画です。第81回アカデミー賞で助演男優賞(ジョーカー役:ヒース・レジャー)と音響編集賞を受賞するほか、英国アカデミー賞やゴールデングローブ賞でも助演男優賞を受賞しました。
賞の総数は何と30以上!助演男優賞のほか、アクション賞や撮影賞、監督賞や脚本賞など、あらゆる賞も獲得しています。アメリカの有名な映画批評家であるロジャー・イ―バートを「原作漫画を超える壮絶で目が離せない内容」といわしめた秀作として、映画界に深く名を刻みました。
『ダークナイト』のあらすじ※ネタバレなし
トロフィーを手に感謝の言葉を口にしたクリスチャン・ベイル -(C) Reuters/AFLO
舞台は架空の町、ゴッサムシティ。普段は大手企業「ウェイン・コーポレーション」の経営をしているブルース・ウェインは、陰でバットマンとして町の平和を守っていました。ある日、ゴッサムシティの銀行で強盗事件が勃発し、顔をピエロのように白く塗ったジョーカーという凶悪犯が主犯格であることが判明。
『ダークナイト』 -TM & (C) DC Comics (C) 2008 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
ジョーカーの目的は、世界に恐怖と絶望を与えること。平和を守る存在であるバットマンを疎ましく思ったジョーカーは、マフィアと手を組んで、バットマンを殺そうと企みます。ゴッサム市警のジム・ゴードンと敏腕検事のハービー・デントは、バットマンとともにジョーカーの逮捕に踏み出しますが、ジョーカーの卑劣な罠によって追い詰められてしまいます。はたして、ジョーカーは愛すべき人を守り切ることができるのでしょうか…?
『ダークナイト』の人気の理由を考察!
バットマンに扮したクリスチャンベール
バットマンシリーズ最大興行収入を記録した『ダークナイト』。ヒーローファンや映画批評家をとりこにしたその理由とは一体何なのでしょうか?ここでは、『ダークナイト』が人気な理由3つを考察し、解説します!
■①まさにサイコパス!ジョーカー役のヒース・レジャーの怪演ぶり
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『ダークナイト』がここまでヒットしたのは、ジョーカー役を演じたヒース・レジャーの狂気的な演技があってこそ!ヒースは役作りのために、ロンドンのホテルに引きこもって、ジョーカー特有の高笑いを完成させたようです。
バットマンに殴られてもケタケタと笑ったり、煽るような言葉を浴びせたり、建物を爆破しても何食わぬ顔で歩いたり…。予測不能なサイコパスっぷりが評価され、アカデミー賞やゴールデングローブ賞をはじめとする20以上の名誉ある賞を総なめしました。

ビル・スカルスガルド、『IT』のピエロと『ダークナイト』のジョーカーを比較 | cinemacafe.net
https://www.cinemacafe.net/article/2017/09/14/52530.html大ヒット上映中の映画『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』でピエロのペニーワイズを演じているビル・スカルスガルド。ペニーワイズは、故ヒース・レジャーが演じた『ダークナイト』のジョーカーと風貌が似ており、人々に恐怖を与えるという共通点も持つ…
■②ちょっとやりずぎ?ド迫力のアクションシーン!
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『ダークナイト』では、迫力のアクションシーンも魅力のひとつです。本作のアクションシーンのほとんどはCGではなく、実際に撮影されたもの。トラックが横転するシーンや、病院が爆破されるシーンも、CGではありません。また、本作でバットマンが乗っていた車やバイクも、実際に運転可能なもの。
嘘臭さのない、「リアル」を重視したド迫力のアクションシーンは、ヒーロー映画ファンのみならず、批評家たちの心を射止め、本作の大きな見どころとして知られています。

N.Y.ウォール街を完全封鎖…『ダークナイト』驚愕の舞台裏映像をチェック! | cinemacafe.net
https://www.cinemacafe.net/article/2012/08/01/13429.htmlちょうどオリンピック開幕式でジェームズ・ボンドが空を舞い、世界中を歓喜に満たしていた頃、日本では今夏の一大イベント映画『ダークナイト ライジング』が公開を迎え、大いに賑わいを見せた。公開前日の先行上映を合わせたオープニング3日間の成績では動員33万1,668人、興収4億5,000万円超と大ヒットスタートとなった本作。あなたはもうチェックした? クリストファー・ノーラン監督を始めクリスチャン・ベイルやアン・ハサウェイなど豪華キャスト・スタッフ陣が撮影秘話を明かす見ごたえたっぷりの特別映像が到着した。
■③「正義とは?悪とは?」ヒーロー映画の根幹を揺るがすテーマ性
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本作では、バットマンの宿敵・ジョーカー出現によって、バットマンが内面的な揺らぎを見せます。ジョーカーの手によって、次々と犠牲者が増えていくことに、怒りを覚えるバットマン。ジョーカーを尋問するときも、へらへらと笑う彼を殴ったり、叩きつけたりと暴力的な一面を見せるようになります。
さらに恐怖の連鎖が重なり、親しい人々が犠牲になっていく中で、「俺がバットマンであるせいで…」とバットマンが「狂気」や「悪」に屈しそうになる場面も。「正義」を貫くことの難しさ、そして「正義」のせいで「悪」が生まれてしまうという矛盾…。ヒーロー映画の根幹を揺るがす深いテーマに、「これはただのヒーロー映画じゃない!」と感じることでしょう。