『天気の子』は2019年国内興行収入ナンバー1作品!
(C)2019「天気の子」製作委員会
『天気の子』は国内興行収入が139億円を超えるメガヒットを記録した、2019年国内興行収入ナンバー1の長編アニメ映画。
『君の名は。』から3年ぶりの新海誠監督が監督、脚本、原作をつとめました。
天候の調和が狂っていきつつある時代に、それぞれの運命に翻弄されながら、少年と少女が自分たちの生き方を“選択”していく物語が描かれています。
第44回トロント国際映画際に正式出品され、アカデミー賞国際長編映画賞部門日本代表作品にも選出、世界中140か国で上映されました。
『天気の子』の監督は新海誠
新海誠監督『天気の子』を語る
『天気の子』は、『君の名は。』を大ヒットさせた新海誠監督の作品で、これまでの新海作品同様、街や自然、空を問わず風景描写が緻密に美しく描かれています。
特に『天気の子』は誰もが関わる「天気」がテーマということで、空や雲、雨の描写がまさに「新海ワールド」で素晴らしいと絶賛の嵐に。
新海誠監督の代表作は、『ほしのこえ』、『雲のむこう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』、『言の葉の庭』などで、少年と少女の恋愛をテーマにした作品が多数あります。
『天気の子』ネタバレ注意!あらすじ
都市伝説「100%の晴れ女」
『天気の子』(C)2019「天気の子」製作委員会
神津島の高校1年生・森嶋帆高(もりしま ほだか)は家出をして東京に行き、フェリーで知り会ったライターの須賀圭介の編集プロダクションで、住み込みで働き始めます。
2021年夏の関東地方では、異常気象で長期間にわたり雨が続いていました。
そこで帆高は、都市伝説になっている、一時的に局地的な晴天を作り出す「100%の晴れ女」天野陽菜(あまの ひな)という少女と出会います。
陽菜は本物の「晴れ女」で、祈ることで雲を割り、晴れ間を作るという能力を持っていました。
夏の雪
『天気の子』(C)2019「天気の子」製作委員会
陽菜が小学生でイケメンの弟・凪(なぎ)と、ふたりで貧乏暮らしをしているのを見た帆高は、晴れ女の能力を生かすことを提案、依頼用ウェブサイトを作成します。
「晴れ女」サービスは着々と人気になっていきますが、テレビに映ってしまったことで依頼が殺到し休業することに。
神津島にいる家族から捜索願が出されていたことなどで、陽菜や圭介のところに刑事が訪れ帆高は逃げることを決めます。
同じ頃、陽菜と凪のところにも児童相談所が…。帆高と引き離されたくないと、陽菜と凪は彼について行くのでした。
「晴れ女」消失
『天気の子』(C)2019「天気の子」製作委員会
逃避行中に異常気象がどんどん進み、夏なのに外気は低下し雪まで降りはじめます。
そして大雨で鉄道が運休、足止めをくらった3人は池袋のラブホテルで一夜を過ごすことにしますが、陽菜は「晴れ女」の能力の代償として、身体が次第に薄く透明になっていくのでした。
そして伝承の通り、人柱として陽菜の身体が消失することで異常気象は収まり、東京に数か月ぶりの太陽の光が。
帆高と凪は、陽菜を取り戻すため、彼女が能力を授かった社が代々木の廃ビルへと向かいます。
帆高が陽菜を救出すると同時に東京には再び雨が降り始め、それは2年半も続いたのでした。
『天気の子』の口コミ評判
『天気の子』インドプレミア (C)2019「天気の子」製作委員会
雨や雲などの天候の様子がリアルかつ繊細に表現されている、圧倒的な映像についての口コミ評判
「どの画も美しく、音楽との絶妙な世界観に感嘆」「相変わらず映像が美しく、音楽がよくて素晴らしい。よく知っている場所の風景が多かったのもうれしい」
「生命感を吹き込んだかのような水滴の表現、スケール感や立体感も存分に感じられる映像世界が素晴らしい」「IMAXの上映に耐えられる映像も相変わらずスゴいんですが、この天候も描写するのか!という驚きも」「映像表現の到達点」
壮大な風景描写とともに展開するボーイミーツガールと、彼らがぶつかる困難や葛藤の細やかな心理描写が魅力の、“セカイ系新海ワールド”が大全開!
「これは賛否が分かれると監督が言っていたのも納得!」との指摘も。
「新海節フルパワー」「尋常じゃない作家性の洪水」「新海誠監督が世に送り出した究極のセカイ系映画!」「セカイ系の到達点と言っても良いのでは」「世界の内側に守りたいセカイがあった。青春映画としての正統さよ」
『天気の子』が賛否両論なのはなぜ? ネタバレ注意!
新海誠監督 最新作『天気の子』会見
『天気の子』は大ヒットしたものの、ストーリーへの賛否が分かれる深い内容の作品となっています。
新海誠監督自身も制作発表会見で「主人公の帆高は決して模範的な少年ではなく、正しくあろうと必死に手を伸ばしている。」「映画は『人間はこうあるべき』とか、そういう価値観とは全然違うことを語っている」とコメント。
「前作が成功したおかげで、スタート地点が高くなり、複雑さを盛り込める立場になった。その分、賛否分かれる要素もある」とも語っていることから、あらかじめ見方が分かれるような展開が用意されていました。
(C)2019「天気の子」製作委員会
それは、クライマックスで帆高が積乱雲の上で囚われていた陽菜を救い出したあとに。
「人柱」であった陽菜が地上に戻ると再び豪雨が東京を覆い、その後2年半も雨が降り続き、荒川、江戸川下流域のゼロメートル地帯の広範囲が徐々に水没してしまうのです。
新海誠監督 最新作『天気の子』会見
大多数のひとのために「人柱」として愛するひとを犠牲にするのか、自分の大切なひとこそを助けるべきなのか…。
主人公の帆高は後者を選択しますが、「自分だったら?」と問いかけてみると賛否両論どちらも正しい苦渋の選択だといえます。
作品全編を通して観てあらためて自分はどちらかを考えてみるのも、『天気の子』の楽しみ方のひとつです。