「トリック」シリーズの魅力は全てお見通しだ！時系列とネタバレ解説

2000年にドラマの第1シリーズを放送開始した名作「トリック」。第2、第3シリーズに加え、スペシャルドラマや劇場版も製作された、日本屈指の人気シリーズです。最高視聴率24.8％（ビデオリサーチ調べ）という驚異的な数字を記録し、シリーズ完結編となる映画『トリック劇場版 ラストステージ』では、興行収入18億円を超えるヒットを打ち出しました。

監督を務めたのは、ドラマ「SPEC」シリーズでおなじみの堤幸彦。自称・美人マジシャンの山田奈緒子（仲間由紀恵）と自称・天才物理学者（阿部寛）が反発し合いながらも手を組み、数々の奇妙な事件を解決に導く――という一風変わったストーリーと、劇中の小ネタやシュールな世界観が大きな反響を呼びました。

現在も根強い人気を誇る本作。しかし、中には「名前は知ってるけど、ちゃんと見たことがない」という人もいるのではないでしょうか？そんな人のために、「トリック」のドラマシリーズと劇場版のネタバレあらすじを放送・公開順に解説します！スペシャルドラマを加え、シリーズの全貌を紹介していくため、本作を復習したいという人も、ぜひチェックしてみてくださいね！

ある日、自称天才マジシャンの・山田奈緒子は、いつも通りマジックショーを披露しますが、一向に盛り上がらず、観客も数名程度でした。見世物小屋のオーナーは、奈緒子を「華がない」という理由でクビにして、さらに「霊能力者のふりをして、これに出ろ」と週刊誌を見せます。そこには、物理学者・上田次郎が霊能力者を募集しており、彼に霊能力を認めさせることができた者は、賞金が受け取れるという旨が書いてありました。

家賃の支払もままならない奈緒子は、自分を霊能力者と偽り、上田に会いに行きます。上田は奈緒子に、自分が宗教団体「母之泉」の教祖「ビック・マザー」に呪われていることを告白。こうして2人は、彼女の正体を暴くために、教団へ乗り込むのでした…。

第9話では、奈緒子は、自分の母親・里見の生まれ故郷「黒門島」に住む男性・黒津次男と三男と出会います。奈緒子が幼い頃に死んだ天才マジシャンの父親・山田剛三の死の真相と、里見が島を出たせいで島が滅亡の危機にあることを聞かされます。

最終回の第10では、母の代わりに黒門島を救うため、島に嫁ぐことになった奈緒子は、島で最も大きな”根”を持つ黒津元男と婚礼の儀をすることに。そこへ上田が駆け付けます。そして上田は、島で起きた奇妙な出来事が、すべて島にやってきた科学者の開発が原因であることを明かし、奈緒子とともに島から脱出するのでした。

第2シリーズの第1話では、上田の元へ旅館を営む田島松吉という男性がやって来ます。田島は毎年1月11日に、旅館の宿泊客が必ず死ぬという不可思議な現象に悩まされていました。上田は今年の1月11日が来る前に、旅館に訪れ謎を解き明かすことに。上田は再びマジシャンとして活動している奈緒子を呼び出し、事件のことは伏せ「温泉旅行」と称して彼女を同行させます。

旅館の宿泊客は上田と奈緒子を除いて2組。作家とそのアシスタント、議員とその秘書です。次々と起こる怪奇現象。こうして上田と奈緒子は再びタッグを組み、マジックの原理と物理学を駆使して難事件のトリックを暴いていくのでした。

第9話では、「来さ村」役場の建設部長の橋本孝夫に、超常現象が起こる「白木の森」の調査を依頼された上田が奈緒子を含む調査隊を引き連れて森に訪れます。そこで調査隊のメンバーである日向栄一と橋本が不審な死を遂げ、事態は一変。その後、奈緒子は森に住みつく妖術使いと出会い、彼が黒門島出身であることを知るのでした。

最終回の第10話では、上田と奈緒子が一連の犯人が調査隊メンバーの民俗学者・柳田黒夫と小松純子であることを見破ります。ただ、妖術使いの正体は結局分からないままでした。数々の謎を残したまま、第2シリーズは幕を閉じます。

『トリック劇場版』では、奈緒子が「糸節村」という村の青年団長から、「村人の前で神を演じてほしい」と依頼を受け、村を訪れます。村に到着した奈緒子は、自分のほかにも「神候補」が3人いることを知ります。3人は、村に眠るといわれている埋蔵金が目的で来た者たちでした。やがて奈緒子は「本当の神」を証明するためのバトルに巻き込まれていきます。

その頃、上田も取材や埋蔵金が目的で糸節村を訪れていました。村で上田と再会した奈緒子は、埋蔵金を分けることを条件に彼とタッグを組み、ほかの3人の神候補がインチキであることを見破ってもらいます。インチキが暴かれた3人は、その後謎の死を遂げます。村人を上手く出し抜いた奈緒子ですが、依頼主である青年団長2人に正体をバラされ、村人から追い回されるハメに…。

奈緒子は村人から逃げおおせましたが、上田は捕まってしまいます。奈緒子は上田の救出へ向かう途中、3人の神候補が殺害されたある道を通っていくことに。たどり着いた洞窟では、1人の少女がいました。そこへ神崎と南川がやって来て、その少女が2人の娘であること告げます。占い師から「呪いの子」として処分を命じられたものの、それができなかった両親は、彼女を洞窟で育てていたのです。

「3人の神候補を殺したのも、この秘密を知られたからだ」と2人は語ります。埋蔵金である「金の亀」をもらい、特別に見逃してもらった奈緒子でしたが、2人の行動に納得できず、亀を放り出してその場から逃走します。しかし、少女が奈緒子に付いてきてしまい、村中に少女の存在が知られてしまいます。占い師に殺されそうになった娘をかばい、神崎が命を落とします。起こった南川が山に火を付け山火事が置きますが、奈緒子と上田が地下水を放水させて鎮火に成功。こうして、奈緒子と上田は村を後にするのでした。