『悲しみより、もっと悲しい物語』台湾版(2018)のみどころ
『悲しみより、もっと悲しい物語』
2009年に韓国で大ヒットした映画『悲しみより、もっと悲しい物語 』を台湾を舞台にリメイクした心震わす珠玉のラブストーリー。
『悲しみより、もっと悲しい物語 』は、公開時に台湾で国内映画興行収入ランキング第1位(2018年)を記録し、空前の社会現象を巻き起こしました。
台湾版は感情描写に定評がある“癒やし系監督”ギャビン・リン監督の作品で、密かに想い合うふたりの日々が、明るい光の差し込むロマンティックな感情に満ちたシーンの連続で描かれています。
『悲しみより、もっと悲しい物語』は実話?!
『悲しみより、もっと悲しい物語』
『悲しみより、もっと悲しい物語 』の絶対号泣の切ないストーリーは、実話なのでは?と言われていますが、監督・脚本をつとめた詩人のウォン・テヨンが書いたフィクションです。
原作小説はウォン・テヨンが撮影中に同時に執筆され、映画には描かれていない主人公ふたりの心の動きが丹念に綴られています。
原作はウォン・テヨンの小説
『悲しみより、もっと悲しい物語』
詩人ウォン・テヨンの小説家デビュー作となった「悲しみより、もっと悲しい物語」。
映画の中でクライマックスへと向かっていくシーンに残された数々の謎が、原作小説では明らかにされています。
巻末にはクリームが夫となったジュファンに残した童話が挿入されており、その意味を考えながら映画を観るとさらに発見が。
ウォン・テヨンは1971年生まれの韓国を代表する詩人です。
ラブレターに彼の詩を引用することがブームになるほど若い世代に人気があり、出版された5冊の詩集は合計300万部を超えています。
『悲しみより、もっと悲しい物語』のネタバレあらすじ
『悲しみより、もっと悲しい物語』
ある未発表のデモ曲に心を奪われたシンガーの A-Lin。
「ある悲しみ」という、その曲を歌っていたのはK(ケイ)と呼ばれる音楽プロデューサー、作詞はクリーム…曲が作られた当時の2人を知る人物に会いに行った A-Linは、この曲に秘められた悲しい物語を知ることに。
Kとクリームの出会い
『悲しみより、もっと悲しい物語』
母親に捨てられた過去をもつKと、子供の頃に交通事故で家族を亡くし天涯孤独になったクリームは、高校1年生のとき学校のグラウンドで運命的に出会います。
Kは無邪気で明るいクリームに恋心を抱きつつ、友達でありながら家族のような存在として2人の関係を続くことに。
お互いに身寄りのない2人は一緒に生活するようになり、恋心を隠したまま、かけがえのないパートナーとして時を重ねていました。
そんな時、Kが白血病が再発!しかも病いは悪化。
不治の病で余命僅かだと知ったKは、自分のことよりも自分亡きあとのクリームのことを心配し、彼女が幸せに生きていけるよう別の男性と結びつけようとします。
不治の病を隠し、クリームの結婚を応援するK
『悲しみより、もっと悲しい物語』
Kは歯医者ヤン・ヨウシェンとクリームを結婚させようと奔走。
ヤンには婚約者・シンディがいましたが、Kがシンディと交渉し別れさせ、そのことをきっかけにKは彼女の写真のモデルになります。
ヤンが婚約者とわかれたことで、クリームは彼との結婚を決意。
クリームのウェディングドレス選びに同行したKは、タキシードを試着しふたりで写真を撮ります。
そんな自分に悲しみがあふれ、声を抑えて泣くK。
結婚式当日。Kはクリームの手を取ってヴァージンロードを歩き、ヤンにその手を託し、自分が死んだあとも、きっと彼女は大丈夫だと涙ぐみながらも笑顔で去ります。
もっと悲しい物語
『悲しみより、もっと悲しい物語』
クリームの結婚を無事に見届け、Kの目的は果たされたかに思えました…が、実はクリームもKの余命が長くはないことを知っていて、彼が望むことを自分が叶えると決めていたのでした。
結婚相手を探したのも、結婚したのもKのため。ウェディングドレス選びでKが試着室で泣いていた時、クリームも別室で号泣!
結婚式前日に「愛している」と伝えようとしながらもできなかったふたり。
そして…結婚後にKが亡くなると、クリームも自殺してしまいます!
ラストシーン、遺されたヤンは、Kとクリームが仲良く写っている写真をみつめながら、クリームが書いていた歌詞は、Kに対する愛の告白だったことを偲び、墓前にたたずみます。
『悲しみより、もっと悲しい物語』の登場人物
『悲しみより、もっと悲しい物語』
台湾版と韓国版では、主人公たちの本名や、登場人物の名前が台湾人の名前が当てられているだけで、キャラクターの設定などは同じです。
■ヒロインのクリーム
『悲しみより、もっと悲しい物語』
子供の頃に交通事故で家族を亡くし、天涯孤独の身で生きてきた作詞家。
高校時代に出会ったKに恋心を抱きながらも友達として共同生活をしています。
Kが不治の病であることを知っていながら、Kを安心させるために他の男性と結婚。
思ったことを素直に口に出す真っ直ぐで無邪気なキャラクターです。
■主人公のK(ケイ)
『悲しみより、もっと悲しい物語』