ホラー映画「学校の怪談」シリーズとは?
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「学校の怪談」シリーズは、学校で巻き起こる怪奇現象をテーマにしたホラー映画シリーズです。常光徹氏による同名小説や、漫画「学校の怪談シリーズ」が原作ですが、ほぼオリジナルストーリーで構成されています。「学校の怪談」シリーズは全部で4作品あります。
同じシリーズではありませんが、本シリーズと同じく常光徹氏による同名小説を原作にした『学校の怪談 呪いの言霊 』という作品が、2014年に公開されています。
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単なるホラー映画ではなく、少年少女たちの成長を描いた「ジュブナイルもの」としても人気を集めている本作。平成初期のノスタルジックでどこか懐かしい雰囲気は、令和となった現在だからこそ、刺さるものがあります。
そこで今回は「学校の怪談」シリーズ4作のあらすじと見どころを解説します!Jホラー好きは必見ですよ。
「学校の怪談」全シリーズを公開順に紹介!
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「学校の怪談」シリーズの公開年は次の通りです。
●1作目『学校の怪談』/1995年公開
●2作目『学校の怪談2』/1996年公開
●3作目『学校の怪談3』/1997年公開
●4作目『学校の怪談4』/1999年公開
それでは、公開順にあらすじと見どころをチェックしていきましょう!
■①『学校の怪談』(1995年)
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シリーズ第1作目となる『学校の怪談』。1995年に公開された本作は、1990年代当時、小学生の間で怪談話が流行していたことがきっかけで製作されました。VFXを始めとする映像技術を極力抑えて制作されているので、「手作り感」が随所にあふれています。
「世にも奇妙な物語」シリーズや、映画『閉鎖病棟 -それぞれの朝-』を手がけた平山秀幸が監督を務めています。脚本は『八日目の蝉』『軽蔑』でおなじみの奥寺佐渡子。野村宏伸や子役時代の米澤史織たちが出演しています。
■『学校の怪談』あらすじ
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『こどもつかい』(C)2017「こどもつかい」製作委員会
夏休みを明日に控えた小学2年生の美夏は、学校に忘れ物を取りに行ったところ、お化けが出るとウワサの旧校舎へ引き寄せられ、校舎の中に入ってしまいます。そこで美夏はトイレの中で「何か」に襲われて行方不明になってしまいます。
美夏の姉で小学5年生の亜樹は、なかなか学校から戻らない美夏を心配して学校を訪れます。そして、旧校舎へと入っていったところ、そこににはガキ大将の研輔と、彼の親友である将太が、イタズラ目的で校舎に忍び込んでいました。さらに、不思議な力を持つ双子の兄・均や、どこか周りと違ったオーラをまとう6年生の香織の姿もありました。
研輔たちといがみ合う亜樹でしたが、ここにいる5人が旧校舎に閉じ込められていることに気付き、青ざめます。そして、旧校舎の中では「学校の怪談」としてウワサされていた幽霊やお化けたちが次々と現れ、亜樹を襲うのでした…。
■『学校の怪談』見どころ
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『学校の怪談』の見どころは、ノスタルジックな世界観と、少年少女のひと夏の成長です。物語の舞台となる旧校舎は、昭和の雰囲気漂うレトロな造形をしています。そこへ、トイレの花子さんやベートーヴェンの亡霊、動くホルマリン漬け解剖標本、人体模型などの懐かしいお化けたちが登場します。風情ある映像と、ホラー要素が見事にマッチしているので、どの年代の人が見ても楽しめるでしょう。
また、転校したばかりで周囲になじめない亜樹や、やんちゃなガキ大将の研輔の心の成長も描かれています。担任教師の伸一の成長も大きな見どころです。後半の大人&子どもVSお化けのバトルシーンもお見逃しなく!
■②『学校の怪談2』(1996年)
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第2作目となる『学校の怪談2』は1996年度邦画2位を記録した大ヒット映画です。
前作と同じ製作陣によって作られましたが、前作とは違ってカナダ発のCG作成ソフトを使用しており、前作よりもふんだんにCG技術を駆使した作品に仕上がっています。とはいえ、リアルな妖怪の造形をそのままCGに起こしているので、シリーズの魅力でもある「手作り感」は健在です。
■『学校の怪談2』あらすじ
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学校の隣にある寺(蓮正寺)の住職・真行和尚は、塾の春休み集中合宿のために寺へやってきた子どもたちに怪談話を聞かせていました。その内容は、「30年前の4月4日4時44分。南小学校で当時の校長先生が首をもぎ取られて死んだ。その後、4月4日4時44分には誰もあの学校には近寄らなくなった」というものでした。
この村で生まれ育った塾講師・理香は、都会暮らしの塾の教え子たちを、自分の弟・司を始めとする地元の子どもと交流させようと考えていました。しかし、都会っ子である塾の生徒と、寺にやってきた田舎の子どもたちは互いを敵視したまま、合宿最終日を迎えることに。
そして、怪談話で登場した「4月4日」の夕方。子どもたちは肝試しを控えていました。しかし、肝試しが始める直前に、理香は指名手配犯である泥棒・浅野と遭遇してしまい、肝試しは中止に。しかし、それを知らずに数人の子どもはすでに肝試しを開始していました。
出発をしていた数名の子供たちを除いて。同じ頃、塾の生徒・憲が、何かに吸い寄せられるかのように学校の時計台へ登ってしまい、そのときに時計の歯車にスニーカーがはさまってしまいます。時計は4時44分で止まり、その瞬間から突然空に暗い雲が出現し、憲を始めとする数人の子どもたちと、逃亡中の寺泥棒・浅野は学校に閉じ込められてしまうのでした…。
■『学校の怪談2』見どころ
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『学校の怪談2』は前作よりもコメディ色の強いテイストに仕上がっています。子どもたちのかけ合いや独特のセリフ回し、いたずら好きの茶目っ気あふれるお化けたち…。エンターテインメント要素満載の作品です。最新の視覚効果の導入も、不気味さを加速させています。
とはいえ、ジュブナイル的な要素がないわけではありません。終盤の意外な展開や、子どもと大人、両者の成長にも注目です!
■③『学校の怪談3』(1997年)
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1997年に公開された、本シリーズの第3作目『学校の怪談3』。本作では前2作で監督を務めた平山秀幸に代わり、「平成ガメラ」シリーズや実写版「デスノート」でおなじみの金子修介が監督を務めています。
これまでのシリーズは、日本の学校を舞台にした「和」テイストの強い作品でしたが、本作は鉄筋コンクリートの校舎を舞台にしており、近代的な印象が強い作品に仕上がっています。さらに、作中では「街」も舞台として設定されているので、シリーズの中でも特に異色を放っている作品と言えるでしょう。
西田尚美や前田亜季たち元子役や、黒木瞳を始めとする名女優も出演。さらに、人気声優の豊永利行も子役として出演しています。