映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』のあらすじ
『フォレストガンプ』(C) 1994, 2019 Paramount Pictures.
知能指数の低さ&不自由な体で、迫害されてきた少年時代を送った純真な少年フォレスト・ガンプ。
母から与えられた "魔法の足" と、心優しいガールフレンド、ジェニーとの交流のお陰で真っすぐに成長していきます。
イジメっ子たちから遠ざかる為に日々必至で走り "過剰に鍛えられた足" が花形フットボール選手として脚光を浴びる足掛かりとなり、その後も "損得無し" の誠実さで人生を駆け抜け、無意識に栄光の人生を走り抜けていきます。
ところがガンプが出逢った大切な人たちは、次々と時代の荒波に巻き込まれていく...。
愛する人たちの人生&激動のアメリカを見守り、全身全霊で尽くすフォレスト・ガンプの姿を感動的に描いた、ロバート・ゼメキス渾身のヒューマン・ファンタジー映画です!
映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』ー深掘り考察&知られざる真実ー
① ガンプの "純真" から学ぶべき、人生の走り方
■欲張らず "今やるべき事" に集中しよう!
フォレストは知能指数が低く、いつも与えられた "今やるべきこと" にのみ集中して生きています。
それは子供の頃からで、ママ以外で初めて話しかけてくれたジェニーをかけがえのない存在だと思い、いじめっ子たちから石を投げられるのを避けるために、ただ必死に走り続けていたら "超人レベルの駿足" が備わりました。
その駿足がたまたまフットボールチームの監督の目に止まり、気づけば名門アラバマ大学の花形フットボール選手に!
特に一流大学に進学するとか、スター・プレイヤーを夢見ていた訳じゃありませんでした。
大体の人は "夢を実現させる" ために必死でもがきますが、フォレストは "欲張る" という感情そのものを知らないのです。
石を避けるために全力で走っただけです。
軍隊に入ったのも、卓球大会で海を渡ったのも、全て目の前に "与えられたもの" に全力を注いだだけなのです。
■人生は選択の連続!
何かが立ちはだかった時、人によって湧き上がる感情は様々です。
一番初めに "逃げる" ことをチョイスすれば、逃げる事や夢見る事が居心地よくてそれが人生の基盤になりますし、"闘う" ことをチョイスすれば闘いこそが生きる道に...そして、いくら恵まれていても "夢ばかり" 追っている人は身を滅ぼします。
本作に登場する人物で例えれば、ジェニーは "逃げて夢見る" 人生、ダン中尉は "闘う" 人生、ババは "夢ばかり" の人生でした。
殆どの人はジェニーに似た感覚を持っていると思います。
フォレストは知能指数が低いせいで、逃げる・夢見る・闘う...のどれも持ち合わせていません。
偏見に惑わされることなく "見えたままの景色" や出会いを慈しみ、与えられた持ち場に全力を注ぎ、どの選択をした友人・恋人にも変わらぬ愛を注ぐのです。
② ジェニーの人生に見る "自由の象徴" とは?
■時代に翻弄された "自由の女神"
フォレストが生涯愛し続けるのは、偏見に満ちたスクールバスの中で初めて声をかけ、話し相手になってくれた美女ジェニー。
彼女は幼い時から父親から性的虐待を受け、「神様、ここから逃げられるよう鳥にして下さい」と祈り続けてました。
運よく引き取られた里親の家からも時々フォレストの元に逃げ込み、せっかく大学生になっても強い "承認願望" から「PLAYBOY」誌にヌード写真を撮らせ、退学に追い込まれますが彼女はスターを夢見ます。
でも「PLAYBOY」誌の一件のせいで、ストリップ劇場で弾き語る "ヌード歌手" に成り下がり、そこを逃れるようにヒッピーの生活へ...。
セックス・ドラッグ・R&R三昧で薬物中毒→精神疾患へと病んでいきました。
でも彼らが生きた激動のアメリカでは、彼女のように "自由(アメリカン・ドリーム)を求めて" 迷える女神が続出していたのです。
ジェニーは、時代に翻弄された "自由の女神" そのものでした。
「将来何になるの?」と聞くジェニーに「僕は僕だよ」と言い、「あたしは有名になる。ジョーン・バエズのようなシンガー」という彼女を不思議な顔で見つめるフォレストが印象的でした。
■"白い鳥" との関係は?
ジェニーが登場するシーンでは、毎回必ず "白い鳥" が羽ばたいていきます。
これは殆どの人が「ん?」と深掘りしちゃうところですよね!
スピリチュアル的には "白い鳥" は「自由を追い求める」や「夢追い人」を意味するので、 "白い鳥=ジェニー" を関連付けさせる為のモチーフとして引用していると考えられます。
「神様、ここから逃げられるよう "鳥"にして下さい」と願う、彼女のセリフにも掛かってきます。
因みに、ジェニーはフォレストと再会を果たす全てのシーンで "白い服装" をしています。
来日したロバート・ゼメキス監督
ジェニーを毎回 "白い服装" で登場させるのも、先程の "自由の女神" と掛けたゼメキス流ヒロイズムなのだと感じます。
■風邪引きの中、全裸で24時間ノンストップ撮影に挑んだロビン・ライト!
「ELLE」主催の表彰式に出席した際のロビン -(C) AFLO
ジェニーを演じたロビン・ライトは、ストリップ劇場のシーン撮影中に風邪をひいていました。
よりによって "ヌードで弾き語り" なので過酷を極めたと思われますが、そこはプロ根性でやりきったそうです。
因みにゼメキス監督は、ロビンが化粧直しなどで時間を長引かせることが無いよう、お客を演じたジェフリー・ウィナーに「水かけは顔じゃなく、足にしてくれ!」と指示する思いやりを見せたそう。
にしても、24時間ノンストップ撮影とは...本当に過酷過ぎます。