カンヌ公式上映を果たした世界的監督河瀬直美の新作映画『光』

カンヌ公式上映を果たした世界的監督河瀬直美の新作映画『光』

カンヌ映画祭にて喝采を浴びた映画『光』。日本人監督では最も多くの作品をカンヌに出品している河瀬直美監督の集大成とも言えるこの作品は、柔らかくも切ないラブストーリーです。あらすじ、監督のメッセージをチェックしましょう。


監督・河瀬直美×主演・永瀬正敏コンビが放つ傑作ラブストーリー『光』

『光』(C)2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、Kumie

5月27日(土)より公開されている映画『光』が話題を集めています。
『光』は監督・河瀬直美と主演・永瀬正敏の『あん』コンビによって描かれたラブストーリー。

日本人監督では最多の七度目となるカンヌ映画祭の出品となった『光』は、既に世界から高い評価を受けています。

『光』のあらすじ

『光』(C)「光」製作委員会

『光』は、視覚障碍者のために、映画の登場人物の動きや情景を言葉で伝える音声ガイドに従事する女性・美佐子(水崎綾女)と、徐々に視力を失っていく天才カメラマン・雅哉(永瀬正敏)の2人を中心に展開します。

『光』(C)2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、Kumie

日々に迷いを感じている美佐子は、視覚障碍者向け映画のモニター会で雅哉と出会います。
音声ガイドの製作過程で衝突を繰り返す2人ですが、少しずつ互いの心をゆっくりと通わせていきます。

雅哉の目がやがて見えなくなることを知りながらも、互いの心を見つめようとする、切なくも希望を感じさせてくれる物語となっています。

カンヌ映画祭で公式上映

『光』カンヌ国際映画祭にて (c) Kazuko Wakayama

『光』は、第70回カンヌ国際映画祭「コンペティション部門」に正式出品され、公式上映されました。河瀬監督は永瀬さんと初タッグを組んだ一昨年の『あん』に続き、7度目の招待となります。

河瀬監督は、「監督週間」カメラドール(新人監督賞)受賞の『萌の朱雀』(’97)をはじめ、グランプリ受賞の『殯の森』(’07)、『2つ目の窓』(’14)、『あん』(’15)とこれまで数々の名作をカンヌ映画祭に出品してきました。

主演の樹木希林さんが「なんでこんなにカンヌに可愛がられるの?」と問いかけると、河瀬監督は「映画が好きな人がカンヌの中にいます。その人たちが、私が真っすぐに作っていることを大事にしてくれます。自分たちが見たことのない日本の風景やそこで生きている人たちの心や心模様を抱きしめようとしてくれている。デコボコしている作品でも、次の先をもっと見つめたいと思ってくれているような気がします」と嬉しさのにじみ出るコメントを残しています。

『光』に対する河瀬監督のこだわり

『光』(C)2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、Kumie

永瀬正敏の手が、そっと水崎綾女の肌をすべる動き。ただそれだけの動作がキスシーンより官能的に映ります。

「まるでセックスをしているかのような、深いところで互いを感じ合っているように撮れたらと思いました。その後のキスシーンはどちらかというと勢いでそうなっています。本来、それは逆なのかもしれないけど、唇を重ねるよりも官能的なものが、あの顔に触れる行為の中にあるんじゃないか? 心の奥底で触れ合うような…。2人とも、キスをしているときよりも、顔に触れているときの方がずっと胸が高鳴っていると思うんです」と、河瀬直美監督。

彼女の繊細な感性から生み出される、愛に対する表現が描かれています。

河瀬直美『光』/photo:Naoki Kurozu

河瀬監督は、「映画は、『光』です。映画は、『魂』です」とコメント。映画に対する熱い想いと、この作品にかけたエネルギーが伝わってきます。

『光』というタイトルに込めた想い

『光』(C)2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、Kumie

『光』とは「とても勇気のいるタイトルでした」と監督は振り返ります。

「どこにでもあって、どこにでもみんなを照らしていて、だからこそ見えない、認識されない存在でもある」という監督ならではの視点が、作品にも反映されています。

「私は魂を捧げました。その魂はこの俳優たちと共に、映画『光』に刻まれています。世界中の映画を愛する人たちに、『光』というタイトルで捧げたい」と、このタイトルに込められた映画への情熱を伝えました。

俳優・永瀬正敏の集大成

『光』(C)2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、Kumie

「誤解されたくはないんだけど、ある意味、見終わった瞬間、自分で“遺作” を見たような感覚になったんです。ネガティブな意味には捉えてほしくないんだけど。それだけ、とてつもなく強い思いがあった」と長瀬さんは振り返っています。

『光』クランクアップ (C)「光」製作委員会

永瀬さんは、この作品をもってカンヌ映画祭への日本人連続最多参加となりました。
公式上映と、それに続くマスコミ試写の後に「インターナショナルの取材がいきなり、ものすごく増えました」と、国際的活躍に結びついた喜びをコメント。
「人種は違うのですが、ものすごく深く理解されている。例えば、『この映画はすべての人々に対してのラブレターだ』と言ったスペインの記者の方がいらっしゃいました。そういう意見をいっぱい頂いています」とかみしめています。

世界を感動させた『光』を通じて、一筋の光を見つける

水崎綾女、樹木希林、藤竜也、神野三鈴/映画『光』初日舞台挨拶

いかがでしたか?
『光』は河瀬監督が描いた“人生に迷う全ての大人たちへのプレゼント”です。
それぞれの光を見つけることができるこの傑作映画を、ぜひチェックしてみてください。

『光』は5月27日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開されています。

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