エミネムの自伝的作品【8 Mile】
エミネム-(C)Getty Images
日本でも非常に高い知名度をほこるラッパー、エミネム主演作品。ストーリーもエミネム自身の経験にもとづくものです。ミシガン州デトロイド。ここでは「8マイルロード」を境に白人と黒人の世界が明確に分かれていました。そしてヒップホップといえば黒人のもの。黒人から差別されるなかで白人ラッパーとして己の矜持を示そうとするエミネムの姿を描きます。
本シーンの見せどころは白熱のラップバトル。エミネム自身の恵まれない家庭環境、女性を巡る問題、鬱屈した感情を全てリリックに乗せ、高いスキルを持つ黒人ラッパーと激しくぶつかり合います。主題歌の「Lose Yourself」はアカデミー歌曲賞を受賞。
夢を追い続ける田舎のラッパーたち【SR サイタマノラッパー】
レコード屋もライヴハウスもない、サイタマ県の田舎町。無職で家族から邪魔者扱いされているイックに、おっぱいパブで働く親友のトム、ブロッコリー畑で一攫千金をたくらむマイティ。デコボコなヒップホップグループ「SHO-GUNG」の仲間たちはいつの日かライヴをすることを夢見ていました。そんなある日、東京でAV女優として活躍していた同級生の千夏が帰郷。ささいなすれ違いから、彼女を巡って次第にラッパーたちの夢はバラバラになり、イックは夢を諦めるかどうかの決断を迫られることに…。
© 2010「SR2」CREW
田舎町でラッパーを目指す青年たちの姿を、ヒップホップ音楽に乗せて描いた青春ストーリー。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2009グランプリ受賞作。2010年にはシリーズ第2弾『SR2 サイタマノラッパー2 ~女子ラッパー☆傷だらけのライム~』も公開。
ラップで「壁」は乗り越えられるか【自由と壁とヒップホップ】
2012© The Art Of Rap Films Ltd
ヒップホップと出会った若者たちが、音楽の力を使い、占領と貧困がもたらしている分断(占領地に設けられた検問所や分離壁)だけでなく、ジェンダー差別や世代ギャップに至るまで、自分たちを分かつ様々な壁をのり越えようとします。そこから見えてくるパレスチナやイスラエルのアラブ人の生き方や、彼らが模索する多様なアイデンティティのあり方はこれまでの“アラブ人像“を大きく変えていき――。
ヒップホップ解体新書【アート・オブ・ラップ】
2012© The Art Of Rap Films Ltd
80年代に活躍したシーンの先駆者であるアフリカ・バンバータやRUN DMC.など往年のヒップホップスターから、今を時めくエミネム、ドクター・ドレー、スヌープ・ドッグ、カニエ・ウェストといった世界的スーパースターなどが本作の題材。
エミネム-(C)Getty Images
過去と現在、そして未来を築く彼らが何にインスパイアされラップするのか、誰の影響を受けているのか、お気に入りのライムや数々の名曲が生まれた背景など、彼らの人生やヒットソングの裏側に迫ります。
架空の街トーキョーが舞台【TOKYO TRIBE】
鈴木亮平(メラ役)/『TOKYO TRIBE』-(C) 2014INOUE SANTA/TOKYO TRIBE FILM
© 2014INOUE SANTA/TOKYO TRIBE FILM PARTNERS
園子温監督作品。若者たちが様々な“トライブ(族)”を形成し、街を暴力で支配しながらお互いの縄張りを奪い合う、近未来のトーキョーが舞台。
鈴木亮平演じるメラがトップに君臨する「ブクロWU-RONZ」、海が所属する「ムサシノSARU」、さらに「シブヤSARU」、「シンジュクHANDS」といったトライブたちは、いまにも暴発寸前! やがて、トーキョー中を巻き込んだ、想像を絶する一大抗争が勃発します。
ラップにこめた男たちの想い!
ラップを披露する鈴木亮平(メラ役)/『TOKYO TRIBE』-(C) 2014INOUE SANTA/TOKYO TRIBE FILM
エミネム主演の『8 Mile』はもちろん、『SR サイタマノラッパー』も日本語ラップの祖、映画評論家宇多丸が認めた名作です。今回のまとめに挙げた映画を見れば、ヒップホップの歴史に詳しくなれて、人前で自作のラップを披露できるようになるかも!?