SF映画『2001年宇宙の旅』を楽しむネタバレ解説ヒント!見どころ&キューブリック作品おすすめ作品も!

SF映画『2001年宇宙の旅』を楽しむネタバレ解説ヒント!見どころ&キューブリック作品おすすめ作品も!

SF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』。巨匠スタンリー・キューブリックの巧みな仕掛け&映像世界によりマニアックな人気を博し、これまで何度もリバイバル上映され様々な考察・論争が繰り広げられてきました。ここでは、本作を楽しむ為の解説ヒント&見どころ・あらすじを "ネタバレ込み" で紹介していきます!是非楽しんで下さいね。


目次

『2001年宇宙の旅』ってどんなSF映画?

① 巨匠スタンリー・キューブリック & SF小説界の第一人者アーサー・C・クラークが作り上げた<SF映画の金字塔>!

(C)APOLLO

映画『2001年宇宙の旅』は1968年公開、監督・脚本スタンリー・キューブリックによる一大叙事詩的SF映画です。

ちなみに脚本はスタンリー・キューブリックと "SF小説界の第一人者" アーサー・C・クラークの共同作業で、映画の撮影と小説執筆は並行で進行していったそうです。
(小説は映画公開後に刊行)

地球が生まれ、恐竜が絶滅し、人類の先祖となる猿人誕生。そして猿人が知能指数の高い人間へと進化していく様を辿りつつ、人間が謎の石版 "モノリス" や未確認知的生命体、史上最高の人知能HAL(A.I)と接触することで生まれた新たなる未来世界。
そして "未知の恐怖" に包まれる情景を、ダイナミックかつ斬新な映像と音で創り上げた<SF映画の金字塔>的作品です。

② CG無き時代に最新技術を結集!SF映画を "B級" なんて言わせない!

本作が製作された1968年代当時は「SF映画」と言えば50年代モンスター・パニック系を系譜とするB級映画や、宇宙開発への憧れととも台頭した "スペースエイジ文化" 的作品が登場し始めた混沌期でした。

そしてCG無きこの時代、その流れをよりリアルに再現すべく40社以上もの科学研究機関からの資料を収集してさらに最新合成技術を結集し"SF映画の集大成"を完成させたのが、異端の天才映画人スタンリー・キューブリック監督でした。

スタンリー・キューブリック監督-(C)Getty Images

大がかりな宇宙船セットや精巧なミニチュア、ロケーションフィルムとのフロント・プロダクション、そして何十通りにも解釈可能なモチーフ&概念の導入で "唯一無二" の世界観を築き上げることに成功しました。

『2001年宇宙の旅』は、初めて "B級" の殻を破ったSF映画として後世にまで爪痕を残す作品となったのです。

『2001年宇宙の旅』あらすじ

『2001年宇宙の旅』 - (C) ワーナー・ブラザーズ

400万年前、草食猿人たちが暮らす集落に突然現れた謎の石版 "モノリス" 。
そして選ばれし一匹の猿人が石板モノリスに触れると...!突然拾った骨で "狩り" を思いつき、肉を食べ始めます。

猿人は「弱肉強食」の概念を武器に "人間" へと進化し、400万年後の現在は月旅行へ出掛けることすらも可能に。

あの時の骨は "宇宙船" へと形を変え、選ばれしアメリカ人男性ヘイウッド・フロイド博士が "秘密裏ミッション" 遂行の為、月面クラビウス基地へと向かっています。

『2001年宇宙の旅』 - (C) ワーナー・ブラザーズ

他国の研究者を欺いて目的地に到着し、現地スタッフによりクレーターから掘り出された謎の石板 "モノリス" と対面するフロイド博士。

しかし、思い切って触れた瞬間モノリスは突然強烈なシグナルを発し、現場は異常事態に...!

『2001年宇宙の旅』 - (C) ワーナー・ブラザーズ

18か月後、木星探査の途上中の宇宙船ディスカバリー号。
船長のデヴィッド・ボーマンとフランク・プール副隊員は、人工冬眠カプセルに入った状態の3人&史上最高の人工知能HAL(ハル)9000型と共に移動中でした。

すべては滞りなく進行しているかに思えていましたが、ボーマン船長は着陸を前にHALが突然 "暴走" の気配を見せ始めた事に気付いてしまう。

そして、この木星探査ミッションには何か "恐ろしい陰謀" が仕込まれている事にも...!

『2001年宇宙の旅』の見どころ

① 冒頭20分に驚愕する!油断すれば "先制パンチ" を食らう!

『2001年宇宙の旅』 - (C) ワーナー・ブラザーズ

数ある映画の中から "敷居が高いイメージ" しかない本作『2001年宇宙の旅』を思い切ってチョイスし「さあ、観ようか!」と期待に胸膨らませたその瞬間から仕掛けてくる "長い沈黙" と真っ暗な画面。

油断していると、ここで思いっきり先制パンチを食らいます。
後々考えると "モノリスのシグナル音" なのですが、セリフひとつない真っ暗な画面に奇妙なシグナル&不気味なコーラスが響き続ける3分間は "耐え難い" ひと時です。

だからこそ、太陽の出現と共に響き渡るあの有名すぎるテーマ曲「ターターター♪.....ジャジャーーーーン♪」の高揚感に心救われます。

この一連の流れは、宇宙船出現までの合計20分間(真っ暗時間を含むセリフ無し時間)を釘付けにさせるためのトリック演出なのだと思います。

② 1968年当時 "最先端" のリアルも発見!スタンリー・キューブリックのモダニズム

旅券や旅先での思い出の品を挟み込めるノートブック

オープニング後、月と地球を仲介する "宇宙ステーション" が登場しますが、ここには『2001年宇宙の旅』が公開された1968年当時のリアルが詰まっています。
"最先端" のセレブリティーです。

アメリカを代表する航空会社パン・アメリカン航空、略して「パンナム(Pan Am)」では、当時「オリオンバッグ」という愛称の自社ブランド・バッグを乗客に配っていたそうです。

パンナムのアイコン「オリオンバッグ」

これがそうなのですが、劇中の "国際宇宙ステーション" でスチュワーデスが履いてるグリップ・シューズ、そしてフロアの乗客達(ロシアの要人も含む)が皆持ってるバッグにも、はっきりと「RAN AM」の文字が刻印されています。

また、ステーションロビーでスミスロブ博士(ロシア人)らが談笑しているシーンで、フロイド博士が合流するなりロシア語→英語にチェンジするくだりは当時の "冷戦外交" を連想させます。

そして、その談笑シーンでずっと背後に映り込んでいる受付ブースが「"HILTON" SPACE STATION」であることから、宇宙の中心がアメリカにあると主張しているようにも見えるのです。(HILTONはアメリカが誇るホテル・ブランド)

画像1

あと、当時流行した "スペースエイジ" を感じさせる奇抜な形の赤いチェアも印象的でした。
1965年にオリヴィエ・ムルグがデザインした「Djinn(ジン)」という椅子で、これも当時の最先端インテリアのひとつ。

代表作『時計仕掛けのオレンジ』も然りですが、本作でもスタンリー・キューブリック的最先端モダニズムがふんだんに散りばめられています。

③ 奇怪な音世界&クラシック音楽が異空間へと誘う

トレイラーを視聴するだけでも効果音やサウンドトラックにおける "ムード演出の巧みさ" を感じ取ることが出来ますが、わりとセリフの少ない本作にとってはもはや命綱ともなる「音」の演出。

「冒頭20分」の音響効果については前述した通りなのですが、あの<奇妙なシグナル&不気味なコーラス>は、モノリスが登場する全てのシーンで登場します。

ただの黒い板にしか見えない物体が "空恐ろしくも崇高" に感じるのは、この巧みな音響効果と映像美の成せる業!
それに、『美しく青きドナウ』『ツァラトゥストラはかく語りき』『レクイエム』などクラシックの名曲を効果的に使ってるのも相当ドラマチックです。
壮大な宇宙へ、そして謎めいた異空間へと誘ってくれます。

この記事のライター

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