『ありがとう、トニ・エルドマン』あらすじ
『ありがとう、トニ・エルドマン』本ビジュアル (C)Komplizen Film
悪ふざけが大好きな父・ヴィンフリートは、バリバリキャリアウーマンの娘・イネスとは仲が良くありません。
多忙な娘を心配したヴィンフリートは、愛犬の死をきっかけに、彼女が働くブカレストを訪れることにします。
『ありがとう、トニ・エルドマン』 (C)Komplizen Film
突然の訪問に驚きつつも、なんとか父をふるさとに返すイネス。
しかし、今度はトニ・エルドマンと名乗る別人となった父が訪れ、奇想天外な行動を巻き起こし…。
父の愛情あふれる行為に涙
変なカツラに入れ歯のトニ・エルドマンという怪人。
一見まともではない姿ですが、娘の幸せを願い行動する彼からは感動を与えられるはずです。
『ありがとう、トニ・エルドマン』 (C)Komplizen Film
トニ・エルドマンの予想を超える奇想天外ぶりはイネスを驚かせます。
しかし、そこから浮かび上がる父と娘の真実の愛が垣間見える、温かなものとなっています。
『ありがとう、トニ・エルドマン』 (C)Komplizen Film
数々の映画賞審査員が絶賛、あのジャック・ニコルソンも…
この作品は第69回カンヌ国際映画祭で公式上映されると称賛を浴び、第89回アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされました。
『ありがとう、トニ・エルドマン』 (C)Komplizen Film
「スクリーン・インターナショナル」「カイエ・デュ・シネマ」など、各国の有力誌がこぞって2016年の映画ナンバー1に選出。
「スクリーン・インターナショナル」の星取りでは歴代最高得点3.7(4.0満点)を獲得し、「観客と批評家にとってのパルムドール」ともいわれました。
また、アメリカ公開の際、この映画にすっかり惚れ込んだジャック・ニコルソンが引退表明を撤回し、リメイク版で自ら父親役を演じるそうです。そちらも期待ですね。
『ありがとう、トニ・エルドマン』 (C)Komplizen Film
期待される女性監督マーレン・アデ
『ありがとう、トニ・エルドマン』 (C)Komplizen Film
『ありがとう、トニ・エルドマン』のマーレン・アデ監督は、期待の女性監督です。
自身の父親から発想を得て、脚本の執筆から撮影、編集まで6年を費やしてつくり上げました。
コメディに挑戦することの難しさや社会問題をさりげなく映し出す表現など、ごく自然に見える巧みな演出方法も高く評価を受けています。
『ありがとう、トニ・エルドマン』 (C)Komplizen Film
プライベートでは息子を持つ母であり、子どもの成長を見守る親の目線を、劇中の父・ヴィンフリートに投影させています。
私生活を大切にしながら、映画業界で働くキャリアウーマンとしても活躍し、まさに公私ともにたくましく生きる現代女性の象徴のような存在といえるでしょう。
家族関係に行き詰まったら見たい一作『ありがとう、トニ・エルドマン』
『ありがとう、トニ・エルドマン』 (C)Komplizen Film
映画界の話題をさらい、感動を呼んだ『ありがとう、トニ・エルドマン』。
家族関係に悩んでいる方に見てほしい作品です。
『ありがとう、トニ・エルドマン』 (C)Komplizen Film
特に父との関係が疎遠になりがちな働く女性におすすめします。
心温まる父であり怪人のトニ・エルドマンから笑いをもらい、ぜひ父親との関係を見直してみましょう。