子どもたちだけで旅を続けたユダヤ人少女の実話
『少女ファニーと運命の旅』 (C)ORIGAMI FILMS / BEE FILMS / DAVIS FILMS / SCOPE PICTURES / FRANCE 2 CINEMA / CINEMA RHONE-ALPES / CE QUI ME MEUT -2015
ユダヤ人の少女ファニーは、幼い二人の妹と共に児童施設に匿われていました。
ユダヤ人を迫害するナチスドイツが猛威を振るい、支配下に置かれたフランス。密告され存在がバレたファニーたちは、別の施設へと移ることになります。
移住先にもナチスの手がおよぶため、スイスへ逃れようと列車を乗り継ぐファニーたち。しかし、取り締まりが厳しく、引率者とはぐれてしまいます。
ナチスに追われ、引率者ともはぐれてしまったファニー。子どもだけで勇気と知恵を振り絞り、困難を乗り越えながら、スイスの国境を目指す物語。きっと涙なくしては見られません。
覚えておきたいポイントは、時代背景、実在した人物、主演女優の3点です。
舞台はナチスドイツ支配下のフランス
1943年のフランスが舞台。ナチスドイツに支配され、ユダヤ人は迫害され続けていました。ユダヤ人の家族は屋根裏などで息を潜めて生き抜いた時代です。
少しでもいいから暮らしやすくなるように、生き延びられますようにと両親に見送られ、子どもたちだけで支援者の元で暮らすユダヤ人も多かったそう。1つ2つこういったことを知っておくと、映画を別の視点でも見られたリ、感情移入できたりと、より深く楽しめるかもしれません。
ファニーのモデルは実在のファニー・ベン=アミさん
現在イスラエルで暮らしているファニー・ベン=アミさん。ファニーのモデルとなった彼女は、第二次世界大戦中にフランスからスイスへと逃げた際の体験を綴っています。2011年には、それをもとにしたフランス語翻訳版が出版されました。
たちまち話題を集め、2016年に映画化。フランスとベルギーで公開され、日本での公開となりました。世界的にもそれだけ意味をもつ作品です。
主人公ファニーを演じるのはレオニー・ス―ショー
この映画を製作するにあたり、フランスとベルギーでオーディションが行われました。1000人近い応募の中から見事合格し、ファニー役を演じることになったのはレオニー・スーショーさん。実は、今回が映画初出演となります。
現在と過去を鑑みるとまた悲劇が起きるのではないか…同じ歴史が繰り返されるのではないか…そういったことが起きないように、そして平和が維持されるようにといった願いを込め、また警告としても『少女ファニーと運命の旅』は公開されます。
そういった目的もあることを考えると、他の何にも染まっていないレオニー・スーショーさんのキャスティングはぴったりですね。
感動ヒューマンドラマ『少女ファニーと運命の旅』は2017年8月11日公開!
いかがでしたか?
現代では到底考えられないことが現実に起こっていた時代。子どもたちの目にユダヤ人迫害はどう映っていたのでしょう。この映画を通して多くの人に事実を知ってもらいたく思います。平和について考える良い機会になるかもしれません。
この映画のラストには、モデルとなったファニー・ベン=アミさんが出演しています。数秒と短い時間なので見逃さないようにご注意ください。