『はじまりへの旅』森で育った一家が旅に出る
2016,アメリカ,松竹
© 2016 CAPTAIN FANTASTIC PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
ベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)と6人の子どもたちは、現代社会に触れることなくアメリカ北西部の森深くで暮らしていた。父仕込みの訓練と教育で子供たちの体力はアスリート並み。みな6ヶ国語を操り、18歳の長男は名立たる大学すべてに合格。しかしある日入院していた母・レスリーが亡くなり、一家は葬儀のため、そして母の最後のある“願い”を叶えるため旅に出る。葬儀の行われるニューメキシコまでは2400キロ。チョムスキー※は知っていても、コーラもホットドッグも知らない世間知らずの彼らは果たして、母の願いを叶えることが出来るのか...?※ノーム・チョムスキー=アメリカの哲学者、言語哲学者、言語学者、社会哲学者、論理学者。
教育や哲学について考えさせられるような作品です。
『リトル・ミス・サンシャイン』ちょっと不思議な一家のロード・ムービー
2006,アメリカ,FOX
TM & ©2006 Twentieth Centry Fox. All rights reserved.
主人公はアメリカのとある一家「フーヴァー家」。末の娘(アビゲイル・ブレスリン)を美少女コンテストに出場させるため一家で旅に出るのだが一家が赴く先々で大騒動が巻き起こる。父リチャード(グレッグ・キニア)、母シェリル(トニ・コレット)をはじめ強烈な風刺と深い人間性を同時に備えたフーヴァー一家を魅力的に描いたロードムービー。
ひとりひとり個性が強くバラバラな家族が、ひとつのワゴン車に入ることでとても面白い場が出来上がっていて笑いあり涙ありのハートフルな作品となっています。
『100歳の華麗なる冒険』破天荒おじいちゃん・アラン
2013,スウェーデン,ロングライド
© NICE FLX PICTURES 2013. All Rights Reserved
舞台はスウェーデンの田舎町、100歳の誕生日パーティーを迎えるアランはこの日、お祝いなんてまっぴらと窓から老人ホームを抜け出してしまう。ところが、たまたま大金の入りケースを手に入れてしまいギャングと警察両方から追われるはめに。一癖ある仲間たちを巻き込みながら繰り広げられる珍道中を通し、アランはかつて爆弾の専門家として、各国要人たちと渡り合い世界史の重大なシーンに立ち会ってきたハチャメチャな人生をふり返っていく。
波乱万丈な人生のなかでも感情の起伏があまりない主人公からシュールな笑いが生まれる作品です。
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』モンタナからネブラスカまでの父息子の旅
ロングライド
© 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
誰が見ても、古典的でインチキな“通知文”をすっかり信じ込んだウディは、ネブラスカまで歩いてでも、その賞金を獲りに行くと言う。そんな頑固で大酒飲みの父親とは距離を置く息子のデイビッドだったが、骨折り損と知りつつもウディを車に乗せ、モンタナからネブラスカまで4州にわたる旅へ出ることに。その途中に立ち寄った父の故郷で、デイビッドは想像もしなかった両親の過去と出会う...。
途中まではありきたりなハートフルドラマのようですが終盤に差し掛かると一気に面白い展開が始まります。
『わたしに会うまでの1600キロ』“過酷”の先にあるものとは?
2014,アメリカ,20世紀フォックス映画
© 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
スタートしてすぐに、「バカなことをした」と後悔するシェリル。今日から一人で砂漠と山道を歩くのだが、詰め込みすぎた巨大なバックパックにふらつき、テントを張るのに何度も失敗し、コンロの燃料を間違ったせいで冷たい粥しか食べられない。この旅を思い立った時、シェリルは最低の日々を送っていた。どんなに辛い境遇でもいつも人生を楽しんでいた母の死に耐えられず、優しい夫を裏切っては薬と男に溺れていた。遂に結婚生活も破綻、このままでは残りの人生も台無しだ。母が誇りに思ってくれた自分を取り戻すために、一から出直すと決めたのだ。だが、この道は人生よりも厳しかった。極寒の雪山、酷暑の砂漠に行く手を阻まれ、食べ物を底をつくなど、命の危険にさらされながら、自分と向き合うシェリル。果たして彼女が、1600キロの道のりで見たものとは―?
どん底まで落ちた女性が再起しようとする姿がたくましくて勇気がもらえます。
『イントゥ・ザ・ワイルド』青年の孤独な旅
2007,アメリカ,スタイルジャム
© MMVII by RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC and PARAMOUNT VANTAGE, A Division of PARAMOUNT PICTURES CORPORATION.All Rights Reserved.
1992年4月、一人の青年がアラスカ山脈の北麓、住む者のいない荒野へ歩いて分け入っていった。4か月後、ハンターたちによって、彼はうち捨てられたバスの車体の中で、寝袋にくるまり餓死している状態で発見される。青年の名はクリス・マッカンドレス(エミール・ハーシュ)。ヴァージニアの裕福な家庭に育ち、2年前に大学を優秀な成績で卒業したばかりの若者だった。全財産を捨て、労働とヒッチハイクを繰り返しながら、アラスカへと旅立ったクリス。なぜ彼は、恵まれた環境にいながら、悲惨な最期を遂げたのか...?ジョン・クラカワー原作のベストセラーを、ショーン・ペンが映画化。
本当の自由を求めて旅に出る主人公がとても魅力的です。社会に適応できなかった主人公の死を目前とした時の姿に思わず涙してしまいます。
『団塊ボーイズ』中年オヤジの青春
2007,アメリカ,ブエナビスタ
© 2006 TOUCHSTONE PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
アメリカの閑静な住宅街で、ごく普通に暮らす4人の男たち。彼らは、実は人生にどっぷり煮詰まっていた...。実業家のウディ(ジョン・トラヴォルタ)は、妻に逃げられ自己破産。歯科医のダグ(ティム・アレン)は、メタボリックな腹にストレスを溜め込み、ワイルドだった昔の面影は全くない...。自称小説家のボビー(マーティン・ローレンス)は、家では粗大ゴミ扱いされる始末。パソコンオタクのダドリー(ウィリアム・H・メイシー)は、運命の恋をずっと夢見ているものの、完全に恋愛運に見放されていた...。そして、ついに、我慢のリミッターをふり切った彼らは、全てを捨て、自由気ままなロード・トリップへ。だが、その行く手には、ワイルドすぎる現実と、思いがけない冒険が彼らを待ち受けていた。人生を諦めきれないものを抱えた男性たちに贈る、勇気と感動のロードムービー。
オヤジと言われる歳になってもバイクに乗って馬鹿騒ぎをする主人公たちの姿には青春のような清々しさがありとても面白いです。
『わたしの名前は...』ファッションデザイナー・アニエスベーの初監督作品
2013,フランス,アップリンク
© Love streams agnès b. Productions
映画は、あっと驚く結末へ向かって進んでいく。主人公の12歳の少女は父親から虐待を受けていた。ある日、学校の遠足で出かけた海辺で偶然停まっていたトラックに乗り込んだ彼女は、スコットランド人のトラック運転手と共に逃避行に出る。フランス語と英語、言葉が通じないふたりは、次第に心を通わせていくが...。10年以上前に新聞で読んだとある事件の記事をきっかけに、アニエスべー自身が脚本を書いた、瑞々しいロードムービー。
目的地を持たない不思議なロードムービーです。偶然の出会いから始まる物語に感情を揺さぶられます。
『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』GMO OMG
2013,アメリカ,アップリンク
3人の子どもを持ったことで“食”について考えるようになった一人の父親であり、映画監督であるジェレミー・セイファートは、種が大好きな長男の影響もあって「遺伝子組み換え作物=GMO」に興味を持つ。そもそも、アメリカでは表示義務がないため、GM食品の存在自体がほぼ知られていないのが現状だ。ジェレミーは疑問に思い、家族と共に遺伝子組み換え食品の謎を解く旅にでる。遺伝子組み換え市場シェア90%のモンサント本社や、ノルウェーにある種を保管する“種子銀行”の巨大な冷凍貯蔵庫、GM食品の長期給餌の実験を行ったフランスのセラリーニ教授など、世界各国への取材を重ねるうちに、徐々に明るみになっていく食産業の実態にジェレミーは言葉を失う。本作は、遺伝子組み換え食品の真実を追うドキュメンタリーでありながら、『どんな食べものを、家族で選択していくのか』という答えをみつけるまでの、家族の成長物語だ。GMOをめぐる、OMG(オー・マイ・ゴッド!!)なロード・ムービー。この旅の最後に、ジェレミーの家族は何を選択していくのだろうか。
環境問題や食糧問題の核心に迫るような作品で勉強になります。
『それでも恋するバルセロナ』情熱的な国スペインを舞台にした
© 2008 Gravier Productions, Inc. and MediaProduccion, S.L.
真面目で立派な男性と婚約中のヴィッキー(レベッカ・ホール)と、自由奔放で情熱的な恋を常に探しているクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)と、正反対な二人は親友同士。そんな二人は、バルセロナでひと夏を過ごすことに決める。そこで二人は、魅力的な画家、フアン・アントニオ(ハビエル・バルデム)と出会う。フアンに惹かれたクリスティーナ。そして、ヴィッキーもまた彼に惹かれていく…。だが、そこに美しく激しいフアンの元妻、マリア・エレーナ(ペネロペ・クルス)が現れて――。ウディ・アレン監督がスカーレット・ヨハンソン、ペネロペ・クルスと2大女優を迎えて贈るロマンス・コメディ。第61回カンヌ国際映画祭特別招待作品、ゴールデン・グローブ賞主要4部門ノミネート作品。
バルセロナの景色が素晴らしい。出てくるキャストも魅力的で、演技に目を奪われます。様々な価値観が垣間見える。