80歳 エレノア・コッポラ長編映画監督デビュー
エレノア・コッポラ監督/『ボンジュール、アン!』 (C)American Zoetrope,2016
エレノアは、74歳のときにこの作品を企画。「女性が監督する女性目線の作品なんてウケない」と言われ続け、6年かけて資金を集めたといいます。彼女のこだわりは映画界で活躍する女性を中心に集めた制作スタッフ。まさに“女性による女性のための映画”です。
エレノア・コッポラ監督の家族
ソフィア・コッポラ(監督)&フランシス・F・コッポラ(監督)/「第26回東京国際映画祭」グリーン・カーペット
彼女の夫は『地獄の黙示録』('79)、『ゴッドファーザー』三部作を筆頭に、半世紀以上にわたり映画界に偉大な功績を残す巨匠、フランシス・F・コッポラ監督。
フランシス・F・コッポラとソフィア・コッポラ -(C) Titti Fabi/Camera Press/AFLO
娘ソフィア・コッポラは父と同じ道を選び、評価もされている注目の女流監督です。息子ロマン・コッポラも映画監督。エレノアは巨匠フランシス・F・コッポラ夫人として、ロマン、ソフィアの母として、これまで映画監督一家を支えてきました。
『ボンジュール、アン!』のあらすじ
『ボンジュール、アン!』 (C)American Zoetrope,2016
主人公アン(ダイアン・レイン)は、長年連れ添った映画プロデューサーの夫マイケルとカンヌ国際映画祭にやって来ます。しかし、耳の具合が悪くなり、飛行機をキャンセルして、夫のビジネスパートナーであるフランス人のジャック(アルノー・ヴィアール)と車でパリへ向かうことに。カンヌからパリへ向かうドライブの旅を通してアンは自分の人生を見つめ直します。
アン役のダイアン・レインの魅力にせまる
『ボンジュール、アン!』 (C)American Zoetrope,2016
子役から女優への成長を見事に成し遂げたダイアン・レインがアンを演じます。美しく年を重ねた彼女の姿は女性の憧れですね。
『ストリート・オブ・ファイヤー』© 1984 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.
子役時代から高い評価を受け、コッポラ監督の作品にも立て続けにでています。しかし、『ストリート・オブ・ファイヤー』で主演を演じた後、人気に影を落としていく。長い低迷期を経て『運命の女』でアカデミー賞主演女優賞にノミネート、主役級の女優に返り咲きました。
『最後の初恋』 -(C) 2008 Warner Bros. Ent. Inc. © 2008 Village Roadshow Films (BVI) Ltd.
映画『運命の女』に続き『最後の初恋』でもリチャードギアと共演し、枯れた大人同士のドラマをリアルに好演しています。
夫マイケル役(アレック・ボールドウィン)
アレック・ボールドウィン -(C) Getty Images
舞台・映画・テレビと幅広く活躍。最近では、彼が演じる徹底したトランプ氏のパロディが全米で話題になっています。
夫マイケルのビジネスパートナーであるフランス人のジャック役(アルノー・ヴィアール)
『ボンジュール、アン!』 (C)American Zoetrope,2016
俳優のみならず監督・脚本家としてもフランスを中心に活躍しているアルノー・ヴィアール。
カンヌからパリへ『ボンジュール、アン!』
『ボンジュール、アン!』 (C)American Zoetrope,2016
映画の中で、ジャックはアンを美味しい食事やワインの店、観光名所へと連れ回します。
フランスの優美な風景と美食が誘う旅もこの映画の魅力のひとつ。きっと、フランス旅行に行った気分を味わえるでしょう。
ダイアン・レインはエレノアさん自身である主人公の「アン」をチャーミングに演じてくれています。”人生、寄り道していいんだよ。美味しいもの食べて、いっぱい笑って、楽しく過ごそう。”
エレノアさんがそう言っているような『ボンジュール・アン』は女性に是非見て欲しい映画です。