辛辣なタイトルが気になる『終わった人』
『終わった人』(C) 2018「終わった人」製作委員会
たくさんの映画やドラマで活躍してきた舘ひろしと黒木瞳が夫婦役を演じる作品の名前は『終わった人』。なんとも辛辣で気になるタイトルですよね。
内館牧子「終わった人」
原作は大河ドラマ「毛利元就」や連続テレビ小説「ひらり」など、数々の作品の脚本を手掛けた内館牧子。「定年って生前葬だな」というセリフからはじまる、こちらの物語はエリート街道から転落し、仕事に未練を残したまま定年を迎えた男と、その妻を中心に繰り広げられます。
『終わった人』のあらすじ
『終わった人』(C) 2018「終わった人」製作委員会
高学歴で大手銀行に入社したものの、出世コースから子会社に出向、転籍させられ、そのまま定年を迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れます。そんな彼に対して美容師の妻・千草は、後ろ向きな発言しかできなくなった夫との距離を取り始める。
このままではいけないとジムにかよう壮介ですが、やはり仕事のへの未練が立ちきれず職探しをはじめます。
田代壮介役、舘ひろし
舘ひろしといえば、ダンディな役柄が多く終わった人という言葉とは少し疎遠なイメージですが、2016年1月に公開された『さらば あぶない刑事』では、定年を迎えています。そのため「30年間演じた“刑事”を定年退職してから“再就職先”を探していました。」と、本人も語るほどタイムリーな役です。
『さらば あぶない刑事』-(C)2016 「さらば あぶない刑事」 製作委員会
「主演として関わる映画は『終わった人』というかなり辛辣なタイトルですが、定年退職した私がコミカルに見えて、笑えて、最後にジーンとくる映画になると思います」と、語るように今までとは少し違った舘ひろしの魅力が見られそうな作品。
『さらば あぶない刑事』完成披露試写会
こちらの写真のようなスタイリッシュなタキシード姿ではなく、普通のおじさんという感じの舘ひろしもまた魅力的かもしれませんね。
妻・千草役、黒木瞳
黒木瞳が演じる妻・千草は、「ジジィ扱いすんな!」 とダサくもがむしゃらにもがく、どこか憎めない夫に呆れ相手にすらしないが、実はしっかりその様子を気にかけている頑固でも心優しい女性。
黒木瞳/『嫌な女』上映記者会見
2015年に『嫌な女』でメガホンをとった黒木瞳。役者としても監督としても才能のある彼女が演じる千草はきっとチャーミングで、ひきつけられる役どころなんでしょうね。
黒木瞳、豪華ドレスで登場『魔法にかけられて』特別試写会
いつまでもかわいらしい黒木瞳は舘ひろしとの20年ぶりの共演に「青春朱夏、そして白秋の年代となった夫婦を、舘ひろしさんと共に演じることができるなんて最高に嬉しいです。」と喜びをあらわしていたのだそう。
大人にこそ見てほしい『終わった人』
『終わった人』(C) 2018「終わった人」製作委員会
定年後の再就職に苦労しながらも、ひょんな出会いから運命の歯車が回り始める夫婦の物語は、定年を迎えた人や、これから定年を迎えるという年代の近い大人にこそ見てほしい作品です。ぜひ劇場で彼らの行く末を見届けながら、自分にとっての定年とそのあとの生活についても考えてくださいね。きっとこれらからの人生のヒントがありますよ。