ただならぬ狂気が垣間見える『光』そのストーリーは
『光』 (C) 三浦しをん/集英社・ (C) 2017「光」製作委員会
20年前、東京の離島美浜島から物語は始まります。島で暮らす中学生の信之(井浦新)は、同級生の美花(長谷川京子)と付き合っていました。ある日、島を襲った大災害によって信之と美花、幼なじみの輔(瑛太)、そして数人の大人だけが生き残ります。島での最後の夜、美花を守るため、ある罪を犯してしまう信之。そしてそれは2人だけの秘密になりました。
『光』 (C) 三浦しをん/集英社・ (C) 2017「光」製作委員会
それから25年後。妻(橋本まなみ)と娘と暮らす信之の前に現れたのは、過去の事件の真相である秘密を握っていることをほのめかす輔。美花を守ろうとする信之でしたが…。
井浦新の冷たい熱情が長谷川京子の狂気と美を呼び覚ます
『光』 (C) 三浦しをん/集英社・ (C) 2017「光」製作委員会
台本のみならず原作をも凌駕する井浦新の演技。冷たい熱情が伝わる凄まじい映像になっています。信之の幸福そうな家庭の情景に続くのは、彼と怪しく寄り添う美花の姿。
瑛太の優しい怪物性
『光』 (C) 三浦しをん/集英社・ (C) 2017「光」製作委員会
父親から激しい虐待を受けていた輔。かつて、唯一優しくしてくれた記憶の中の信之を取り戻すため、信之と美花の前に現れ2人を脅し始めます。輔を演じる瑛太の卑しい笑顔や、穏やかな中に怪物性を宿した表情からは狂気すら感じられます。
橋本まなみの色気と母性
『光』 (C) 三浦しをん/集英社・ (C) 2017「光」製作委員会
場面は目まぐるしく変わり、映像は暴力と狂気を帯びていきます。信之が妻の前でテーブルを蹴り上げるとぎれとぎれの映像が、やがて青い「光」の文字へ…。
『光』の男女4人の運命は!
『光』 (C) 三浦しをん/集英社・ (C) 2017「光」製作委員会
いびつな愛でお互いを振り回し、過去の秘密に揺さぶられ、徐々にむき出しになっていく4人の本能。彼らがどのような結末を迎えるのか、展開が非常に気になる作品です。
大森立嗣監督、『光』の映画化で命の輝きを描きたい
大森立嗣(監督)
野生へ足を踏み入れた人間ドラマに強く心を動かされたという大森監督は、「『光』を映画化することは、生命そのものの賛歌で、命の輝きを描きたい」とコメントしています。
三浦しをん原作、人間の闇に焦点を当てた作品
三浦しをん(原作者)『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』PHOTO:Nahoko Suzuki
「舟を編む」で本屋大賞を受賞した三浦しをんの作品の中でも、人間の闇を徹底的に追求した『光』はファンの中でも特別な評価を得ている作品です。映し出された鬼気迫る上質な人間の狂気は、「まほろ駅シリーズ」でタッグを組んだ大森監督だからこそ撮れたのでしょう。
テクノの巨匠ジェフミルズが全編音楽を担当
アメリカのテクノミュージシャン、DJジェフミルズ
「デトロイト・テクノ」のパイオニア的存在。DJとして多数のイベントを開催しており、世界中から注目を浴びるジェフミルズの音楽が、様々なシーンや登場人物の感情を表現。初の劇場公開映画への音楽提供に期待が膨らみます。
魅力あるキャストで熱演される『光』
寂しげな表情で涙を浮かべる輔、冷酷な表情で輔の首を絞める信之の姿、過去を捨て芸能界で貪慾に生き続ける美花の狂気と美、信之の妻・南海子の色気と母性、そしてジェフミルズの音楽が導く狂気の世界を感じ取ってください。
「25年前の罪が、僕らの狂気を呼び覚ます」というナレーションとともに、サラリーマン姿の信之、卑しい笑いを浮かべる輔、そして美花、南海子が次々と映し出される特報映像は、信之の静かな狂気を感じさせるセリフで終了しています。『光』は2017年11月25日公開。是非劇場へ足を運び衝撃的サスペンスをご堪能ください。