『いつまた、君と ~何日君再来~』という作品が生まれた経緯
『いつまた、君と ~何日君再来~』(C)2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会
『いつまた、君と ~何日君再来~』は、向井理の祖母・芦村朋子の半生記を綴った物語だ。大学生だった向井さんが、祖母の手記をパソコンで打ち直し、家族や親せきと共に自費出版をして、卒寿(90歳)のお祝いとしてプレゼントしたものだ。向井さんはこの出版物をもとに映像化を願い、企画にも積極的に携わった。
『いつまた、君と ~何日君再来~』メイキング (C)2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会
戦後の混乱期に、吾郎(向井理の祖父)と朋子が時代の波に翻弄されながらも懸命に生きる、50年におよぶ愛の物語は思わず真剣に見てしまう。貧しさに負けず愛した人と生きる素晴らしさが伝わってくる。
向井理が語る、作品への強い思い入れ
向井理/『いつまた、君と ~何日君再来~』完成披露試写会
「言いだしたのは自分なので、いろんな責任も感じますが、この作品に関わることがありがたい。胸を張って世の中に送り出せる、かわいい子どものような作品です」と強い思い入れを示した。
『いつまた、君と ~何日君再来~』(C)2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会
戦前、戦時中、戦後。あの時代を生きた人の苦労や先人の思いを形にしたかった、と向井さんは語る。みんなが手と手を取り合って生きていた時代。食べ物は十分になかったかもしれないし、仕事だって安定していたわけではない。得るものも失うものも多い現代において、向井さんの残したい思いがここにある。
生き急ぐ日々の中で、ちょっと立ち止まって見てみるのに良い作品かもしれないですね。
『いつまた、君と ~何日君再来~』あらすじ
『いつまた、君と ~何日君再来~』(C)2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会
81歳になった芦村朋子は、不慣れな手つきでパソコンにむかい、亡くなった夫・吾郎との思い出を手記として記録していた。「どんなに貧しくても、父ちゃんが私の誇りだった。私、やっぱり父ちゃんがいい。」と、その文面からは亡くなった夫への愛情が溢れていた。しかし、朋子は突然倒れてしまう。そんな朋子の代わりに、孫の理が手記をまとめていくことに。そこに綴られていたのは、いままで知ることのなかった祖母・朋子と祖父・吾郎の波乱の歴史と深い絆で結ばれた夫婦と家族の愛の物語だった。そして、その中ではじめて語られる朋子の子どもたちへの思い――。その手記は、進路に悩んでいた理に、そして朋子に対してずっとわだかまりを抱いていた娘・真美の心に変化をもたらしていく。
『いつまた、君と ~何日君再来~』綴られた愛と絆
『いつまた、君と ~何日君再来~』(C)2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会
朋子さんと吾朗さんの仲を深めたきっかけは文通だった。中国の南京で勤務する吾朗さんと結ばれ、子を授かり、そして時代に翻弄されていく一家。仕事を転々とし苦難と戦う吾朗さんと支える朋子さん。子どもが親の手を離れた時、二人で世界を回ろうかと夢見ていたのに…。
『いつまた、君と ~何日君再来~』メイキング (C)2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会
愛をもって吾朗さんと家族を支えた朋子さんの手記には確かな絆があった。家族についてもう一度考え、先人がいるからこそ自分という存在があるという事実を噛みしめてみるのもいいかもしれませんね。
『いつまた、君と ~何日君再来~』の脚本と監督
『いつまた、君と ~何日君再来~』(C)2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会
監督は『神様のカルテ』シリーズの深川栄洋監督、脚本は連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の山本むつみさんが書いている。どちらも有名作品を手掛けた方々。今作も期待できそうだ。
『いつまた、君と ~何日君再来~』キャスト
■芦村朋子役 尾野真千子さん
尾野真千子/『いつまた、君と ~何日君再来~』公開直前イベント
主演の朋子役には、NHK連続テレビ小説「カーネーション」でのヒロイン役で一躍注目を集め、現在もさまざま活躍を見せる実力派女優・尾野真千子さんが抜擢。どんな困難な状況でも常に明るく夫を支える妻を、強さと儚さを絶妙に共存させながら、向井さんの祖母を熱演。母の強さを見た時、思わず見ている側の涙を誘う。質素だけど幸せな生活。現代で忘れ去られてしまった大切な物を思い出せる作品だ。
『いつまた、君と ~何日君再来~』(C)2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会
最初、尾野さんはこの映画が実話だとは思わなかったそう。キャスティングについても向井さんが直々に選んだと思っていたようですが、向井さんいわく大人に決めてもらったとのこと。
撮影現場にいるだけで盛り上がったというエピソードまである性格的に明るい尾野さん。
そんな彼女でさえ、試写会では涙してしまった。
■吾郎役 向井理さん
向井理/『いつまた、君と ~何日君再来~』公開直前イベント
度重なる不運に見舞われながらも、妻や子どもたちの大黒柱であり続けた夫・吾郎役を向井さん自身がこれまでにない多彩な表情を見せながら魅力的に演じている。向井さんがこの作品で伝えたかったことを本人が演技で挑む姿にも心を動かる。