巨匠が描いた2019年の世界『ブレードランナー』
ハリソン・フォード-(C) Getty Images
小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」をリドリー・スコットが映画化。主演はハリソン・フォード。生み出された世界観はジャンルを問わず多くの映画に影響を与え、原作者のフィリップも大満足の出来となりました。裏話になりますが、実はリドリーは原作小説をまったく読んでいなかったそうです。
2017年内に公開予定の『ブレードランナー 2049』は、前作から30年後の物語が描かれた続編。ハリソン・フォードと今をときめくライアン・ゴズリングのW主演です。
記憶を売買できる世界『トータル・リコール』
アーノルド・シュワルツェネッガー-(C)Getty Images
短編小説「追憶売ります」を映画化した作品です。記憶を売買可能な近未来を舞台に、アーノルド・シュワルツェネッガー演じる主人公が記憶を取り戻すために奮闘するSFアクション映画。アクションシーンの多くは、原作のままということではなく、映画化の際に追加されたものだそうです。
2012年にはコリン・ファレルが主役を演じたリメイク版が公開されました。
犯罪を予知によって防ぐ世界『マイノリティ・リポート』
トム・クルーズ-(C)Getty Images
「少数報告」というタイトルの小説が原作。未来を予知できる“プリコグ”を利用し、殺人事件を未然に防ぐ組織“犯罪予防局”。そこに勤務している刑事ジョン・アンダートン(トム・クルーズ)が主人公。ある日、いつもと同じように行われた予知で事件の犯人とされたのはジョン本人。未来のアメリカで必死の逃走劇が繰り広げられます。
トム・クルーズ-(C)Getty Images
原作者フィリップ・K・ディック、監督スティーヴン・スピルバーグ、主演トム・クルーズという豪華な組み合わせ。映画化に際し、原作の設定や内容を大幅に変更。変更点のひとつに、トム・クルーズ演じる若い主人公は、原作では活力を失いつつある中年男性であるということが挙げられます。
不安定な輪郭にふちどられた世界『スキャナー・ダークリー』
小説「暗闇のスキャナー」が原作。新種の薬物“D”にとりつかれた中毒者たちの数奇な運命を描いた物語です。画像を見てわかる通り、ぼやけたような映像が大きな特徴。他の4本の映画に比べると知名度では劣りますが、不思議な魅力をもった作品です。
運命を操作される世界『アジャストメント』
『アジャストメント』 -(C) 2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
小説「調整班」が原作。主人公の若手政治家を演じるのはマット・デイモン。“運命調整局”によって自らの人生が操られていると知り、運命に立ち向かう姿を描いたサスペンス・アクションです。
マット・デイモン -(C) Media Punch/AFLO
本作に登場する“アジャストメント・ビューロー(運命操作局)”の局員たちは「運命の書」に記述された“運命”に主人公を従わせるために拉致を敢行するなど、かなりの強行策にでています。
フィリップ・K・ディック原作の映画はどれも名作ぞろい!
© 2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
フィリップ・K・ディック原作の傑作映画に『ブレードランナー』を挙げる人は多いと思いますが、ご紹介した『トータル・リコール』や『マイノリティ・リポート』も良作。今年公開される『ブレードランナー 2049』にも期待が高まります!